どうやらテイマーのランクを測るようです
「では入学式だから体育館へ来なさい」
みんなは言われた通り体育館へ並んで行った。うわあ、広いなあこの体育館。さすがデイマンド学園。テイマーのこと考えて広さも十分だ!
「では皆さん改めて王立デイマンド学園へようこそ。入学おめでとうございます。この学校は…」
長いお話が続いた。そして
「次に在校生代表、ザーベル・エスターさん」
「はい」
あれ、あの人は今朝エンゼルさんを連れ戻してた人だ…
「新入生の皆さん。改めて入学おめでとうございます。本校に入学したからには必ず、デイマンドの名の下立派なテイマーになるでしょう。しかし、デイマンド学園の名を下げるような者はどうなるか、十分に考えてしっかり学んで頂きたい…以上です」
若干空気が凍りついた。なんてスピーチするんだ!
こうして無事入学式は終わった。
と思ったが
「最後に、皆さんにこれから適正診断を受けてもらいます。素質を確かめたいのです。現段階でどのくらいのランクの魔物を仲間にできるか。S〜Gでランク付けされる。Dあれば優秀だと思って欲しい。Fは今後他の人より努力してほしい。Gなんて論外だ」
さっそくテイマーらしいイベントきたぞ。ランク適正か。
ワクワクするなあ!Eは欲しいな。ここで上のランクなら今日の制服事件もチャラにできてみんなと仲良くできるかもしれない!
続々とみんなの適正が終わっていく。EとFがほとんどでたまにDがいるくらいか。
次は僕の番だ。緊張するな…
「グレスター・テイルズ。その機械に腕を置いてください。」
「はい」
ういいいいいいん。機械が作動し始めた。
「グラスター・テイルズ。判定……G!!!」
え、G…?Gって確か最低のランクで論外って言われてたような…
周りの視線が痛い。私服なうえGランクだなんて…
「あいつ何しにきたんだよw」
「Gですってww」
「私服だしもういらないんじゃないかしらw」
聞こえてるよ…そういう陰口。
すると後ろから歓声が聞こえた。あれは…同じクラスの人だ
「ハーベスト・ハルク。ランクC!」
この段階でCランクだって?すごい人もいるもんだな。
教室へ戻るとクラスの人たちが僕の席にいた。
『お前さ、どっからきたの?』
「ファーゼスト村というところから…」
『まじ帰ってくんない?ここの評判下がるんだけど田舎もんがさ』
「そ、そんな」
『ランクGとか舐めてんの?テイマーの素質ないよ?』
「……!」
僕はたまらず外へ出てしまった。
こうして地獄の公開処刑が終わり僕はすぐにエンゼルさんの元に向かった。
「おう!テイルズ待たせたな!」
「いいえ、今きたばっかですよ…」
「んじゃ私んちいくぞ!」
「は、はい」
2人は歩き始めた。僕は今日のことがショックすぎるあまり無意識のうちに顔に出てしまっていた。
「おいどうした元気ないな。何があったんだ?」
「じ、実は…」
僕は今日起きたことを話した。ランクが最低のGだったこと。私服なせいもあり陰口言われたこと。悪い方でかなり目立ってしまったこと…
「なーんだそんなことか!それにしても意外だなあたしもっと上だと思ってたよ。まあ気にすんな!今後の努力次第だ!」
「ありがとうございます。その一言だけでも元気出ます」
「あんまり考え込むなよ。それより!着いたぞ!ここがあたしの家だ!!」
わああああ…大きい家だなあ!少し縦長の青色の家。2階まであるぞ!
「家族何人で住んでるんですか?」
「何言ってんだ?一人暮らしだよ」
「一人でこの大きさですか!すごいですね!」
「まあここまで広いと寂しいもんだぜ」
そしてエンゼルさんの家にお邪魔させてもらった。
「お、お邪魔します」
2階まであり、1階には主に台所、風呂、リビングなどの生活用。2階は個室が幾つもあった。まるでホテルのように。
改めて見ると本当に広い。
「ほらよ、これがにーちゃんの制服だ。」
「あ、ありがとうございます!!」
「ところでよお、あんたよそから来たんだろ?住む場所は決まったか?」
「じ、実はまだ決まっておらず…しばらくは宿屋で泊まろうかと…」
「それじゃあ金がもったいねえだろ!そうだ、どーせならさ」
「ど、どーせなら…?」思わず唾を飲み込んでしまった。
「うちに住むかい?」
「え、えええ?そ、それは申し訳ないという気持ちとかもあるけどその男女が同じ屋根の下で暮らすのはそのいろいろとまずいのではと…」
「何?もしかしてエッチなこと考えてる?!」
「いえ!決してそのようなことは…」
「安心しろよ二階に部屋はたくさんあるんだ。そこ貸してやるよ!」
「そ、そうですよね!何も同じ部屋に二人いるわけじゃないですし!ではお言葉に甘えて住ませていただきます!」
「おう、遠慮すんな」
「では今から少し出かけて来ますね!」
「どこいくんだ?」
「昨日泊まった宿屋に住むところ決まったと報告しに行くのとまだこの街のことあまり分からないので観光しようかなと」
「それなら私も行くぞ!いいか?」
「いえ!是非お願いします!」
こうして2人は家を出た。
変な形とはいえ住む場所が決まってよかった!そう考えると私服で入学式出てよかったかもしれない。