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抱いた夢はいつだって輝いて【1章:推しの存在が一番のエネルギー】

作者: とっしー

   第一章【推しの存在が一番のエネルギー】


 「夢についての、スピーチをしてもらいます。来週までに、原稿を覚えておくように」

「夢かぁ」

あんなに沢山あった俺の夢も今では、考えるだけで長い時間と労力を使う。明日何したいかも、大人になって何をしたいかも思い浮かばない。毎日、他人に設定されたノルマをこなすので精一杯だ。進路ですら、まだ何も決まっていない。高校三年生として、夢は持っておきたいところだが、あいにく人より優れた技術も、才能もない。

 その日の放課後。

叶夢(かなむ)っ。スピーチの夢何にした?うちはね、ちっちゃい頃から変わらずパティシエにしたよ!」

「いいなぁ。咲蕾(さら)は、夢があって。俺は何も思いつかないし、やりたいことも無いからさぁ」

叶夢が微笑しながら答える。二人の間に、少し沈黙が流れる。

「そだッ!」

咲蕾は何を思いついたのか、いきなり大きな声で叫ぶ。当然のように、教室の注目の的だ。

「叶夢ってさ、カラオケ好きだったよね!だからさ、歌い手とか目指してみたら?叶夢なら、絶対有名になれるよ!」

「そんなこと言ったって、有名になれる人はひと握り、いやそれ以下かもしれないんだよ?俺には無理だよ」

咲蕾が同学年より少し小柄な胸の前で、腕を組み誇らしげに言う。

「プロは無理とは言わない。難しいっていうんだよ。最初っからやらないんじゃなくて、やってみなよなんでもいいからさ!挑戦しない人生なんて、楽しくないっしょ!」

大きな声で言ったので、クラスメイトから歓声と拍手が贈られる。

「だから俺には、その肝心な夢がないんだってば」

叶夢が呆れた声で言った。

「もー。しょうがないなぁ」

咲蕾は、相当自信があるような顔をしている。

「有名になったら叶夢の大好きな───」

叶夢も、クラスメイトも聞き耳を立てる。

「ゆりにゃに、会えるかもよ!」

急な、推しの名前暴露に戸惑いを隠せない叶夢。クラスは、ゆりにゃ推しの叶夢についてでざわめいている。

「叶夢キモくね?」などと、男子アイドルグループ推しの女子が言っている。

てめぇもさほど変わらねぇじゃねぇかよ!

「えぇ、俺はゆりにゃよりひまりんかなぁ」「いやいや、あいかたんだろ。ゆりにゃはいちばん無い」などと推しを否定し合う男子もいる。

 その空気に耐えられずに、叶夢は何も持たず教室から飛び出した。幸い、もう放課後だったので問題はなかった。当てもなくさまよい、校舎裏のアスファルトに腰を下ろす。

「ゆりにゃの何が悪いんだよ、推しは人それぞれの自由だろ。肯定した後に、自分の推しを語るべきじゃないのか?咲蕾も咲蕾で、あんな大声で言う必要ないじゃんか」

一人で愚痴を言っていると、一通の通知が叶夢のスマホを震わせた。ゆりにゃが個人チャンネルを、更新したらしい。

気分転換に、見ようかな。まぁ、家でもう一回見るだろうけど。

動画の内容は、質問コーナーだった。外なのであまり集中して見れなかったが、ひとつの質問だけは集中して見ていた。

《ゆりにゃと、付き合う方法はありますか。ん〜本気で付き合いたいなら、まずは友達になることからじゃないかな。友達になるには、同業者が一番早いかな。私と友達になりたい人は、ネット活動者になってください!コラボから始めましょ》

「……まじで?チャンスあるって事?決めた。俺の夢は……配信者になる。歌い手じゃあコラボは難しいけど、実写ならなんの問題もなくできる」

叶夢の決意の目は、推しを追う目ではなく、ガチ恋の目だった。

そうと決まれば、動画を撮るしかない。今の時代スマホひとつで、撮影も編集もできてしまう。

金が貯まるまでは、しょうがねぇけどスマホでやるか。

 人波に逆らい大急ぎで、カバンを取りに行く叶夢。すれ違う人は皆、叶夢の噂をしている。けれどそんなもの、今の叶夢にはなんの意味もない。勢いよく教室のドアを開けると、ぽつんと小柄で肩まで髪が伸びている、女の子が残っていた。その小柄な体は、子犬のようにに震えていた。

「咲蕾、帰んないのか?」

横目で見た彼女の顔は、涙でぐしゃぐしゃだった。

「何泣いてんだよ。何かあったのか?虐められたのか?誰が虐めたんだ?」

「誰も…虐めてなんでない…。叶夢に…酷いことしちゃったから…」

咲蕾は力なく呟いた。「しょうがねぇ」と、ため息をする叶夢。

「俺の夢決まったぜ!動画投稿者になって、ゆりにゃと友達…いや恋人になる!」

少し前まで輝いていた咲蕾の顔は、最後の一言で東京の雪のようにすぐ溶けた。すると機嫌が治ったのか、咲蕾は立ち上がり言った。

「あーあ、叶夢の高望み聞いてさっきの事も、どうでも良くなっちゃった。さっ帰ろう、叶夢」

「高望みって…まじめな夢なんだけど…」

何も思いつかなかったので、話を流す咲蕾。

「動画投稿者になるにしても、どの投稿サイトで活動するの?」

「ん〜」と少し考えてから叶夢が言う。

「安全にまずは、YouTubeからじゃないかな。それから、TikTokで宣伝とかをしていく感じじゃない?」

自信なさげに答えると、咲蕾は大きく同意してくれた。

「初投稿は何するの?やっぱり自己紹介動画?」

「そうだね、変に企画から始めるより自己紹介したほうがいいよね」

「ちなみに、どこで撮影するの?」

少し間をあけて答える。

「俺の家しかなくね?」

「そ、そうだよね。…ちゃんと掃除してから始めてよ?」

「俺の部屋汚そう?一応綺麗好きを、謳ってるんだけど」

「ごめん、ごめん男子の部屋ってごちゃごちゃしたイメージがあったから」と微笑みながら言った。


     ❍


 一般的な戸建ての、二階の角部屋。叶夢の部屋では、スマホを立て今まさに、RECボタンを押そうとしていた。

これでほんとに、ゆりにゃに会えるようになるのかなぁ。やって見なきゃわかんねぇよなぁ。

スマホのRECボタンを押し、録画を開始する。

「こんちゃっ!叶夢チャンネルの叶夢です!今日は初投稿なので、自己紹介をしたいと思います」

緊張と照れくささを押し殺し、言葉を選ぶ。

「年齢は十八歳の高校三年生、誕生日は七月十六日で蟹座です。特技は歌う事で、夢はゆりにゃとコラボする事です。どうか、拡散お願いします」

尺が足りないことを察し、打開策を考える。

「では一曲歌いたいと思います。では聞いてください。『Fly away』で『近道』です」

叶夢が大好きな、ゆりにゃの所属するグループ『Fly away』のメジャーデビュー曲『近道』をフルで熱唱した。

「一本目はこんなもんかな……」と首を傾げつつ、撮影を終える叶夢。編集の仕方がよく分からないが、アプリを使い不慣れながらもこなしていく。

「ここのカットはこれぐらいかな…ここにはちょっと効果音を……」

 「出来た…かな?まぁいいや投稿!」

YouTubeに叶夢の動画が投稿された。


 次の日、登録者は幸運にも百人増えた。自分でやる前に、TikTokで歌うま動画として拡散されていたのだ。

こんなの有名になるの簡単じゃん。

これからしばらくは、順調に登録者が伸びて行った。学校中に、広がるのも早かった。


     ❍


 動画投稿を始めて、一年がたった。相変わらず、咲蕾との仲の良さは変わっていない。

 そんなある日、叶夢は咲蕾の家にお邪魔をしていた。先に口を開いたのは咲蕾だ。

「そういえばさ、ゆりにゃとのコラボは登録者何人になったらする訳?だってもう十九万人も登録者がいる訳でしょ?そろそろ目標の、登録者決めておいた方がいいんじゃない?」

「それもそうだよなぁ……」と呟き、長い沈黙が流れる。叶夢は、いいのか悪いのか歌動画しか伸びないので、しばらくは歌動画だけを投稿している。最後に歌企画以外を出したのは、半年以上も前だ。

「結局やっぱり叶夢は、歌い手が似合ってるよね。ほぼ歌動画で、十九万人も行くんだもんね」

「それについては、一応俺も悩んでるんだけど……」

白い歯を見せて咲蕾が言う。

「ゆりにゃも、アーティストなんだし逆にいいのかもよ。もし叶夢も、アーティストになったらコラボだってしやすいだろうし」

「よしっ決めたよ。俺のコラボまでの目標は、五十万人だっ!今『Fly away』は三百万人ちょっとだから、今の六分の一の登録者数になったらコラボする」

「頑張ってこの調子なら絶対に行けるよ!二年目に入る前に、五十万人行こうよ」

やる気に満ち溢れている、叶夢を見て笑顔になる咲蕾。

「そういえば咲蕾は、パティシエの学校どうなの?」

「一昨日はケーキを作ったけど、クリームの形の捻れ感?があまり上手く作れなくてさ……」

叶夢は返す言葉が見つからず、変に間が空く。

「な、何か言ってよ」と、少し笑いながら言った。

「お互い頑張ろうな」

「何それ、叶夢っぽくないし」

ニヤニヤしながら咲蕾が言ってきた。


     ❍


 それからまた一年、動画投稿を始めてから二年が経った。

「久しぶりだな」「二年ぶりだね」などと、思い出に浸るスーツや着物で着飾る男女達。今日は成人式だ。動画投稿者なのでスーツはあまり着慣れない。

「おっ、叶夢じゃん。あの時はあんなに陰キャだったのに、ちょっとした有名人だな。あんなに囲まれてちゃ、同じクラスでも行きづらいわな」

「それな、あの時にサインとか貰っとけばよかったな。てかあっちの、叶夢よりでけえ騒ぎはなんだ?」

「ゆりにゃも、ここの成人式らしいよ。今叶夢に教えてやろうとしたけど、人混みがすごくて諦めた」

などと、あのころの陽キャがはなしている。

それを、俺は聞き逃さなかった。

 一通り、叶夢の騒ぎが納まった。まだゆりにゃの騒ぎは、終わってないようだ。人混みをかき分け、ゆりにゃにコラボのお願いいをしようとする。

今しかない、今ここで頼むんだ。

叶夢は、本能だけでゆりにゃにコラボのお願いをしようとしていた。が、叶夢の腕を誰かが掴む───咲蕾だ。

「いいの?」

「えっ?」

「今お願いしちゃっていいの?まだ目標達成してないよね。あと十二万人足りないじゃん。五十万人になってからコラボお願いするんじゃなかったの?」

そう、まだ叶夢チャンネルは三十八万人しか、登録者数がいないのだ。ここしばらく、動画の伸びが悪く、全然登録者が増えないのだ。三ヶ月ぐらい、三十八万人から動かない。

まだ目標は達成してない。だけど、今がいいチャンスかもしれない。登録者も全然増えないんだ。俺は精一杯頑張った。

すると、咲蕾が叶夢の動画を再生した。《ゆりにゃにコラボをお願いするためにまずは、登録者数五十万人目指します》

五十万人という言葉が、頭の中でループ再生される。けれど叶夢は、咲蕾の腕を払い人混みに潜り込んで行く。

 やっとの思いで、ゆりにゃの目の前に辿り着く。叶夢は深く息を吸い言った。

「ゆりにゃさん。俺、『Fly away』結成の頃から見てます。登録者数三十八万人の、叶夢って言います」

「叶夢君!私、叶夢チャンネル見てますよ!」

緊張のあまり、そんな言葉も耳に入ってこない。

「叶夢チャンネルが、登録者も五十万人まで行ったら、俺とコラボしてくださいっ!」

「別に、今でもいいですよ?ここであったのも何かの縁ですし、コラボしましょうよ」

「それではダメなんです。五十万人行ってからって決めたし、動画でも宣言したのでっ!」

「そういえばしてましたよね。そこまで言うのなら、頑張ってくださいいつまでも待ち続けますから」

「ありがとうございます。今年中に、行ってみせます」

「あのぉ〜完全に私の私欲なんですが、二人でご飯行きませんか?私、すごく叶夢君のファンなんです。コラボじゃないからいいですよね?」

スマホを手に、キラキラとした目で目の前まで寄ってくるゆりにゃ。

「連絡先交換しましょ!」

推しがこんなにお願いしてきたら、断れるわけが無いだろ。いいだろ。それぐらいなら。てか、甘くていい匂い。少し色落ちして、プリンのようになっている金髪も可愛い。

「コラボはできないけど、ご飯くらいなら」とスマホをポケットから取り出すと、周りの男達の視線が針のように突き刺さる。

「ありがとうございます。じゃあ、何かわからないことがあったら気軽に、聞いてくださいね。私、一応活動歴は先輩なんでね。だからといって、敬語に白とかは言わないですけど。逆にタメ口で来てください」

「わかった。互いに頑張ろ!」

「私も個人チャンネルで、そろそら歌動画出そうかな」

「マジでっ!楽しみだわ。じゃあまた」

「んっ。じゃあねぇ」

可愛すぎだろぉぉお。やっぱり、推しパネェわ。ご飯とかまじ?しかも、なんだっけ?俺のファンとか言ってなかった?ヤバいってマジでそれは。今日からもっと頑張ろっ。

ベンチに座り、リュックからノートパソコンを取り出し音源の編集を始めた。


     ❍


 《二十四日にご飯行きましょう。午後八時に○○駅で、待ち合わせしましょう。編集はお互いに終わらせてから、い行きましょう。気が逸れちゃうかもしれないので。終わらなかったら来ないでくださいね、しっかり話し込みたいので》

 今日は二十四日だ。二人きりのご飯が楽しみすぎて、編集が捗らない。でも、編集終わらせるっていう約束があるからなぁ。

 〈準備の時間含めて、残り三時間〉

ダメだ終わらねぇ。この時間なら、咲蕾が家にいるかもしれない。

たまに、咲蕾に編集を手伝ってもらっているのだ。

《助けて咲蕾。編集終わらないんだけど……。手伝ってくれませんか?》

十分程で返信が来た。

《今日は、ゆりにゃちゃんとご飯なんでしょ。今日ぐらい自分一人で頑張りなさい。頑張ったからこそ、ご褒美はより一層大切に思えるんだよ〜》

当回しに断られてしまった。

そんな日もあるよなぁ。咲蕾だって暇じゃないんだし。今日は一人で頑張るかぁ。言うてまだ、二時間半は編集できるんだ。諦めるな俺。絶対に行くんだ。行かなきゃ行けないんだ。ファンとして、同業者として、友達として、後輩として。うおぉ〜燃えてきたぁ!

〈準備の時間を含めて、残り一時間〉

「終わったぁ!後はMIX師に送るだけだ。さぁ準備、準備」

 〈集合時間○○駅〉

「お待たせ〜、待った?」

「いや、全然待ってないです。さっき来たところなんで」

「あーぁ、敬語になっちゃってる」と悲しそうに呟くゆりにゃ。

「ごめん!」

「よろしい。じゃあ行こっか。私のおすすめのご飯屋さんがあってね、そこのデザートがすごく美味しいんだよね」

「そうなんだ、楽しみだなぁ」

しばらく他愛のない話をして、店へ向かう。

「ここのご飯屋さんだよ」

「すごいね、なんかオシャレな感じで」

緊張であまり、頭が回らない叶夢。店の中に入り、個室に案内されると五つしかないメニューを渡された。

「私はこの、国産牛フィレ肉のポワレ 季節の温野菜とマスタードソース オレンジの香りを纏ったブールパチューってやつで」

「俺も、同じやつで」

注文を確認して、個室から出て行く店員。

やっと二人で話せるぞ、一週間待ちに待ってたんだ。

「叶夢君って、すごいよね。歌の動画すっごく伸びてるでしょ?しかもさ、私たち『Fly away』の歌も結構歌ってくれてるよね。初投稿の動画で歌ってた「近道」なんて上手すぎてもう、早くコラボしたいと思ってたんだよね」

「ありがとう。俺も『Fly away』すごく好きで、結成当初から見てたからさ。しかも初めてあったのが、推しのゆりにゃだしさ」

「じゃあまじの、古参さんだね。あとゆりにゃじゃなくて、優莉奈って呼んで欲しいな。でもなんで動画投稿者になろうと思ったの?」

「えー。ゆりに…優莉奈の前で言うの恥ずかしいけどさ」

「全然言っちゃって、言っちゃって」

「二年前個人チャンネルの質問コーナーで、優莉奈と付き合う方法の話してたでしょ?それを真に受けて頑張ってます。てかこれ、本人の前で言うことじゃないからね」

「えー。そうだったの?てか、懐かしっ。二年前の質問コーナーとかまだ個人チャンネル始めたばっかりの時じゃん」

「ちなみにあの言葉は、本当なの?」

「んーとね……」ちょっと間を開けて口を開く。「ひ・み・つ」

「なんだよ、教えてくれないの?」

優莉奈は、イタズラをした幼児のように無邪気に笑って見せた。

「そういえばさ、相談なんだけど…最近、叶夢チャンネルの伸びが悪くてさ、ずっと登録者が増えないんだよね」

「あーね、確かに最近伸びてないかもね叶夢の動画」

話振っといてなんだけど改めて、推しに言われると傷つくなぁ。

「コラボとかまだしてないよね?」

叶夢は、真剣な面持ちで頷く。

「コラボとかしてみたら?」

「いやっ、初コラボはやっぱり『Fly away』じゃないと、ずっと目標にしてきたし。そして二回目は、優莉奈のチャンネルに出たい」

「そんなに言われると照れるよ。まあ、薄々気づいてはいたけどさ。伸びてた動画のリメイクとかじゃない?例えば『近道』をもう一回歌うとか」

「そうだね。『近道』もう一回歌おうかなあ。今回はちゃんと、MIXとかもして」

「うん、それがいいと思うよ。ちょっと私の話も聞いてもらってもいい?」

「うん。全然聞くよ」

「私さ、『Fly away』っていう人気グループにいるのもあって、アンチの量がすごくてさ、見ないようにしても目に入ってくるの。それで、叶夢君はどうしてるのかなぁと思ってさ」

「俺は……目に入っても最後まで読まなかったり、正論を言ってるアンチもあるから、そういうのはちゃんと次から気をつけたりしてるけど、最近はアンチなんて見てないや。ごめんね、解決できなくて」

「いや全然、いいのいいの」

それから一時間ぐらい、他愛のない話をした。

 「そろそろ帰る?」

「そうね。もう九時半だし。私も十時から撮影あるからさ。そうだ、私たちの撮影見に来る?少しぐらいは勉強になると思うからさ」

「いいの?」と驚きを隠せず、声を裏がえらせてしまう。

「じゃあ行こっか」

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