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溺れる灰  作者: 水園ト去
溺れる灰
31/114

4-8

 木の陰から、武装した男たちが出てきた。汚い見てくれだが、鍛えられている。無精ひげ、長髪、傷、禿、垢だらけの肌、太い指。野蛮な奴らだ。

「なんだよ」

 エリオットはため息を吐く。次から次に。「奴らは?」

「怒ってるみたいだ」とアンナ。

「そういうことじゃない」

「六人いる」

「数えたのか?」

「勘でいったとでも思うか?」

「そういうつもりじゃない」

 傭兵たちが武器を構える。剣、斧、槌、槍、ナイフ。

「どれも痛そうだ」

 エリオットが目頭を抑えた。「眩暈がするよ。疲労が溜まってる」

「誰の使いだ?」

 アンナが傭兵たちにきく。

 傭兵たちは何も答えない。答える素振りすら見せない。

「友達だったか?」とエリオット。

「友達じゃなかった」

 それからアンナは「先制攻撃だ」といい走り出した。


   ■


 アンナは目の前にいた長髪の傭兵に突っ込む。長髪は剣を振りかぶるが、アンナが懐に入るほうが速い。アンナは自分の肩を、長髪の腹に押しあて、身体を浮き上がらせ、そのまま引っ繰り返す。地面で仰向けになった長髪の顔を踏みつけ、素早く剣を奪った。

「アンナ、危ない」

 斧を持った無精ひげとハゲの男二人が近づいていた。エリオットは走る。

「受け取れ」とアンナ。

 剣を放ってきた。

「こうなるってわかってたのに」

 エリオットは早さを落とさずに剣を掴み、そのまま回転。「ふざけんな」

 斧を持った無精ひげの首を刎ねた。頭が飛び、血が噴出する。

 アンナはもう一人のハゲに拳をくらせて、よろけたところで頭を掴むと、首を折った。

「なかなかやるじゃないか」

 首の折れたハゲを地面に放ったアンナがいう。

「昔、こういう方面の仕事をしてた」とエリオット。

 剣先から血が滴り落ちている。

「お前は雑魚かと思ってたよ」

 アンナが死体を跨ぐ。

「俺は死刑執行人だぞ。弱いわけないだろ」

 エリオットが剣の血を払った。

「残りは三人だ」

 アンナが肩をまわす。

「俺は一人だけだ。もうあと一人しかやらないぞ」

「十分だ」

 対峙した傭兵たちに突っ込む。


   ■


 五人を殺して最後の一人になった。太ったハゲだった。

「誰の差し金だ」

 鼻が砕かれ、口の周りが血だらけだった。目からは戦意が消えている。

 アンナは仰向けにさせた太ったハゲに跨り、胸倉を掴んで首を絞め上げる。

「く――くるし――い」と太ったハゲ。

 当然だった。首を絞めている。

「すぐは殺すなよ」

 エリオットがいった。

「加減はわかってる」

 手を緩めた。太ったハゲは咳き込む。

「誰の依頼でここにきた?」と改めてアンナが太ったハゲの頬を叩く。

「エーリカだ。奴の依頼だよ」

 太ったハゲは鼻が砕けて呼吸がし辛いのか、ずっと口を半開きで息を吸っては吐き出している。

「そんなとこだよな」とエリオット。「俺たちは奴の周りをしつこく嗅ぎ回った」

「そろそろ話すか」

 アンナは立ち上がる。「エーリカの屋敷に行くぞ、エリオット」

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