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親友は悪役令嬢に、私は世界最強の魔王として転生した!!~元女子中学生の最強魔王による、どうしてこうなった!!な無双生活~  作者: 脱兎茶々丸
もしも、女子中学生が魔王に転生したり、悪役令嬢に転生したら?
19/73

魔・盗聴とかって、探偵みたいでカッコいいと思う


執務室に戻り、水晶玉を取り出し、盗聴器と盗撮機からの情報を映すように魔術をかける。


「やっぱり、あの話は本当なのだろうかな?」


アルカードの姿に戻った私がボソッと独り言を言うと、律義にマモンが返してくれる。


「恐らく本当ではないかと、この国ぐらいですよ下等魔族が虐げられていない国は。」


「あ、始まるぞ。」


水晶玉を覗きこみ、現場を見る。


素朴な家具が並ぶ素朴な家の中で、ゴブリンたちが話し合いをしていた。


「......オラは傲慢の国のゴブリン、リピンだべ。」


「オラはこの国のゴブリンの長、ゴルだべ。でも、一体どうしてこっちに来たんだべ?」


周りのゴブリンたちもゴルの言葉につられ頷いている。皆が疑問に思っているのだ。隣国のゴブリンがなぜわざわざこちらまでやってきたのかという事を。


「オラたちゴブリンは、力も弱くて頭も賢く無いべ。だから、傲慢の国ではオラたちはずっと虐げられてるんだべ。」


「そうだべか......」


私が魔王になる以前は、そういう事、もたびたびあったらしい。今はそれが決して許されない様に法律を改定しまくったのでそれは無くなったけど......


「皆ずっと暗い顔をしているんだべ......女子供も容赦なく働かせ、失敗したら鞭打ちだ。子供を産んでもお母さんはすぐに働かせられる。オラたちの国ではスライムたちも似た様に虐げられているんだべ、皆ずっと絶望していたべ、ずっとこんな生活が続くのか、ずっとずっと、死ぬまで一生......」


俯いていたリピンが顔を跳ね上げる。


「でも、ある日噂が広まったんだべ。隣の強欲では、どんな種族でも差別される事なくオラたちみたいな下等魔族でも暮らすことが出来るって、上の連中の為に生きるんじゃなくて、自分の為に生きることが出来るんだ、って。そんな噂が広まったんだべ。」


「それで、君が来たんだべ?」


「そうだべ、上の連中にバレない様にオラ一人だけ、まずはこの国を見に来たんだべ。」


「それで、この国はどうだったんだべ?」


「いい所だべ。オラの居た国とは全く違うべ。オラ、初めて大通りを歩けたべ。初めて買い物したり、殴られる事なく色々な所を回れたべ。」


「でも、バレたりしなかったんだべ?オラたちと君たちとは色が違うべ。」


「体を緑色に塗ってたらほとんどの人にはバレなかったべ。」


「ほとんどの人?誰にバレちゃったべ?」


「赤銅色の髪と緑色と黄色の瞳をした男と、連れの黒くて長い髪をした女にバレちゃったべ。」


「それ、多分男の方はワイバーン様だべ。」


「ワイバーン様?それって、確か暴れ龍って言われている男だべ。そんなに偉い方だったんだべ

?」


「え、でも連れって一体誰だべ?」


「もしかして、彼女だべ?」


「黒髪の女の人......うん、お似合いだべ。」


ちがうっ!!ああ、誤解を解くのは相当大変だぞ。


「まぁ、ワイバーン様に知られたって事は、多分君の存在は王にも知られるべ。」


「そうだべか、オラ、殺されるだべか?」


「いや、王様は優しい人だべ。きっと話を親身に聞いてくれるべ。」


「そうだべか、この国の魔王様は尊敬されてる人だべね。オラたちの国の王様なんかオラたちの事なんか知らんぷりだべ。いい人なんだべな。」


「そうだべ、いい人だ。オラたちにも気を使ってくれる優しい人だ。」


「この事を、国の皆に教えるべ。」


「教えてどうするんだべ?」


「あの国から、逃げるべ。」


「逃げる?でも、そんな事をして大丈夫なんだべ?」


「だべ、ちょっと作戦を考えたべ。まず、老人や病人からこの国に移ってもらうべ。子供はまだ働ける。その次に女子供。最後がオラたち若い連中だべ。」


「でも、バレたら酷い目に......」


「そうなる前に、オラたち以外は完全に逃がして見せるべ。」


「でもだべ......。」


「長、こういう時は魔王様やマモン様に相談すればいいと思うべ!!」


「そうだ、オラたちじゃ思いつかない事でも、魔王様ならきっと考え出してくれるべ。」


「じゃあ明日、魔王城に行くべ!!きっとワイバーン様が話をしてくれているはず。話は通じるはずだべ。」


「ありがとうだべ!!」


その後しばらく談議して盛り上がっていたが、全員が酔いつぶれてしまった。


「なるほどな......傲慢の国とはそこまで酷い国なのか。」


「まぁ、あの国の魔王は国の名の通り傲慢な人物ですからね。正直言って私もあの国の魔王は大っ嫌いでしたから。」


「そうなのか。取り敢えず明日ゴブリンたちが来るみたいだからな、さて、どうしたらいいのやら。」


「え~、取り敢えず王都を焼き払えばみんな逃げだしてどさくさに紛れて逃げ出せるんじゃねぇか?」


「それ間違いなく戦争をおっぱじめる羽目になるだろ。嫌だぞ、誰かが死ぬのだなんて。」


死ぬのは嫌いだ。死んだら何もかも無くなるじゃないか。私的には寿命でぽっくり逝きたいというのが本心だ。


「まぁ、取り敢えずあのゴブリンが相手のスパイかどうかを調べる必要がありますからね。」


そして、そのまま明日の提案を考え始めたのであった。

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