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親友は悪役令嬢に、私は世界最強の魔王として転生した!!~元女子中学生の最強魔王による、どうしてこうなった!!な無双生活~  作者: 脱兎茶々丸
もしも、女子中学生が魔王に転生したり、悪役令嬢に転生したら?
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魔・誤解を解くのは最高に難しい


二人仲良く並んでテーブルに座り、質問と言う名の尋問を受ける。


「ね~ちゃんが兄ちゃんと初めて会ったのは?」


「アレだアレ、仕事で会った。」


「なんの仕事で?」


「あ~、普通に城歩いてたら会った。」


さて、この間に私とワイバーンとのテレパシー会話が行われていた。その一部始終をどうぞ。


『どうするんだよ、勘違いされてるじゃん!!』


『いや、もうこのままにしておいた方が俺も母ちゃんに結婚しろって言われなくなるし......』


『いやいやいやいや、マズいだろって、完全に。え、確かにこの姿が元だけど、あの姿との併用で行けって事?嫌だよそんな二重生活。』


『この姿が元?......まぁいいか。でもなぁ、もう母ちゃんたちノリ気だし......チビ達もすげぇ喜んでるし。』


『どうすんの?ねぇ、どうしろって言うの?もう記憶を吹っ飛ばすか?魔術使うかな?もう思いっきり吹っ飛ばそうか?』


『やめてくれ魔王様!!アンタが本気を出したら大変なことになる、間違いなくこの一帯の連中の記憶が吹っ飛ぶ!!』


『じゃあどうするんだよ!?』


『取り敢えず魔王様は静かにしておいてくれたらいいと思う。何とか騙しきらねぇと......』


と、二人見た目静かに中でテレパシーで大激論、取り敢えずワイバーンの要求を呑み、私は黙りこくる。


「兄ちゃん、何か悪い事したの?」


「どうしてそうなるんだ?普通に兄ちゃんとこの人は友達だ。」


「ワイバーン、照れなくっていいんだよ?さっさと認めなさいよ。」


「母ちゃん、だから本当に友達だって......」


流石ワイバーンの家族だ、皆が皆全く話を聞いてない。


「ね~ちゃん、兄ちゃんのどこがいいの!?」


ドレイク君が真っ青になりながら私に聞いてくる。君の中のお兄ちゃんは一体何なんだい?


「え、あ~っと、優しいトコ?」


よくある理由トップ3に入る事を言ったのだが、ドレイク君の時が止まったかのように動きが止まる。


「ウソだあぁぁぁ!!!あの兄ちゃんが!?」


「元この町一番の不良だった兄ちゃんが!?」


「目上の人にも躊躇う事無くタメ口の兄ちゃんが!?」


「一人で不良を百人ぐらい無傷でぶっ飛ばしたあの兄ちゃんが!?」


ワイバーンの兄弟達が大騒ぎし始める。兄弟達からの評価があんまりだ。呆れて声も出ない。


「ワイバーン、本当に何やっちゃてんの?」


「若気の至りってやつですよ、何でそれを掘り返すんだよアイツら......」


ただでさえ勘違いされて疲れた顔をしていたワイバーンが更に疲れた顔になる。


「もしもしもしワイバーンさん?黒歴史を暴かれてしまったショックはよ~く分かるけど、今は誤解を解くことに専念しません?」


「そうだけど、あの騒ぎ様だと話を聞いてもらえるかどうか......」


ワイバーンと私の目線の先に、ありえねー!!と悲鳴を上げるワイバーンの弟達、結婚式ってやっぱり真っ白なドレスだよね~。とキラキラした目で話している妹達とお母さん。


「皆、何やってんだよ、だから言ってるだろ?俺と!!この子は!!ただの友達だっ!!」


「兄ちゃん大丈夫だよ照れなくって、良かったね、美人さんで。」


「だから違うっ!!」


「そーだよね。私だって照れちゃうもん、兄ちゃんだったらなおさらだよ。」


「だから違うって!!」


「兄ちゃんお幸せに~。」


「違う違う違う!!」


「後は任せろ!!」


「何、何でこんなに殴りたくなるの!?違うって!!」


「ねぇねぇ、誰を呼ぶの?」


「何で結婚式前提!?誰も呼ばないからね!?やらないから!!」


ワイバーンはひとしきり叫んで疲れたのか突っ伏し、真っ白い灰になる。しょうがない、私が言わなければ。


「えっとね、だから、ワイバーンが言っている通り私とワイバーンは友達なんだよ。」


「そ~なんだ、残念だな~。でも、兄ちゃんと真面に付き合える女の人なんて初めて見たよ。」


「どうする?今度皆で引っ付ける計画を立てようよ。」


「そうしようそうしよう、兄ちゃんと真面に会話できる女の人なんて一万年に一人の逸材だよ。ここで手放しちゃったら兄ちゃんこの先絶対結婚できないよ。」


ワイバーンの兄弟達がひと固まりになり、何かをぼそぼそ話し合っているが内容は聞かない。聞いちゃいけない気がする。


「そうかい、まぁ、ワイバーンと友達になってくれてるって時点で嬉しいよ。」


「あ、いえいえ、そんな事は無いですよ。」


ワイバーンのお母さんが笑いながら私の手を取る。


「ワイバーンはギルドに入る前は結構荒れててね。仲良くしてくれている友達が一人だけでも居てくれているって言うのは嬉しい事だからね。」


「あ、そういえば今まで気になってたんですけど、ワイバーンのお父さんって飛竜らしいですけど一体どうやって結婚したんですか?」


「ありゃまワイバーン、アンタその事を人に話すだなんて......うん、行けるかもしれない。」


「母ちゃん、何を?」


真っ白い灰から復活したワイバーンが怪訝そうな顔をしながらワイバーンの母さんに問いかける。


「あ~、ワイバーンたちが生まれるずっと前、私がさぁ、暇で暇で仕方が無くって、荒野の方でフライパン一つ持って魔獣と戦ってたんだ。」


「ワイバーンのお母さん、本当に一般人?」


「残念ながら一般人、母ちゃんは昔から肝が据わっていていい子だったっておばちゃんたちが言ってた。」


「肝が据わってるで済ませていいのかそれ?」


「それでねぇ、キメラをぶっ飛ばしたところで......」


「キメラって毒持ってなかった?ついでに超危険魔獣特一級じゃなかった?」


「ダメだ、母ちゃんに常識は通じねぇ。諦めよう。」


「それでねぇ、キメラを足蹴にして雄たけびを上げてたら、上からなんか近づいてきたんだよ。何かな~?って思って上を見上げてたらどんどん近づいてきて驚いたのなんのって。」


「フライパンが最強なんだよ、どこ製なんだろ。教えて欲しいな。」


「ダメだ、アレは母ちゃんお手製。間違いなくこの世界最強のフライパンだ。」


「それで近づいてきたのがどデカい飛竜でね~。一回戦ってみたいって思ってたから、ウキウキしながらフライパンを構えたのさ。」


「飛竜を見たら普通どうする?」


「土下座するか一目散に逃げるか、母ちゃんみたいな事したら絶対に死ぬから真似したら絶対にダメ。 」


「そしたら飛竜は私の真ん前に降りてきて、しばらく私をじーっと見ていたのさ。私は手を出されない限り手を出さない主義だからしばらくそのままだった。」


「飛竜と戦おうって言う心意気が凄い。」


「昔っから俺でもちょっと躊躇うのを直ぐにやるんだよ母ちゃんは......」


「それで、変に思いながら手土産にメドゥーサ倒して換金して、家に帰ってダラダラしてたら扉を叩く音がしたんだよね、で、開けたらわぉ、イケメンが居たわけよ。」


「手土産にメドゥーサ倒すって色々とおかしいよ。」


「手土産ってところが化け物っぷりを表している。」


「それでまぁそのイケメンが泊めて欲しいって言うから泊めてあげたんだけど、次の日の朝、美味しそうな匂いがしてねぇ。そしたらそのイケメンが朝ご飯を作ってたのさ。それを食べて狩りに出かけて、そしたらイケメンがご飯作ってて、で、それがずっと続いていたのさ。」


「一昔前の少女漫画みたい。」


「押しかけってもんじゃないな。」


「で、それから二、三か月ぐらいして、イケメンが畏まってこう言ったのさ。結婚してほしい、ってね。」


「唐突だね。」


「多分だが今までろくに会話とかしたことなかったんだろ。」


「で、まぁ私的には自分よりも強い男と結婚したかったのさ。」


「強い人なんている?」


「多分この世に居ないと思う。」


「それで、荒野で二人、ドンパチやり合った。」


「コレって恋愛の話だよね、バトル物じゃないよね。」


「ダメだ、父ちゃんと母ちゃんだとそうなる。夫婦喧嘩なんて地獄絵図だ。」


「荒廃した荒野が更に荒廃し、枯れた大地がひび割れてぺんぺん草も無くなってきた頃、決着がついた。相打ちだった。」


「相打ちでも十分凄いと思う。」


「母ちゃんと相打ちって時点で父ちゃんヤベェよ。」


「で、OKして結婚したのさ。それで結婚した次の日、イケメンから衝撃の事実を伝えられた。」


「自分は飛竜だってな。」


「ワイバーン、いい所取るんじゃないよ!!」


「あたっ!!」


ワイバーンの頭をポカッとワイバーンのお母さんが殴る。


「まぁ、特に気にしなかったからね。そのまま一緒に暮らしたんだ。」


「それを特に気にしないって言うのが凄いな。」


「母ちゃん、肝が据わりすぎだと思う。」


「で、ワイバーンや皆が生まれて、まぁ、今、旦那は飛竜の中でも竜王ってやつ?らしくて忙しくてあまり家に帰って来れないけどね。」


「ワイバーンが何でメッチャ丈夫なのかが良く分かった。」


「俺もなんでこんな常識外れの両親の元に生まれちまったんだろうって後悔してたところだ。」


「まぁ、結構色々割愛したけどざっとこんな感じ。」


「これ、冒険談として発表したら面白いかもね。」


「母ちゃん人間じゃねぇや。」


「さて、もうすぐおやつの時間だね、良かったら一緒におやつでも食べないかい?」


「あ、美味しそう。」


「あんなビックリ冒険談聞いた後だと食欲わかねぇ......」


「確かに、そうだけど......まぁ、せっかくだし食べようよ。」


と、そのままおやつをいただき、その後また市街地に出たのであった。

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