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第7話 試作船テスト飛行、そして核戦争、地球と人類再生に向けて

 ニールセン家のガレージから引き出された反物質エンジン搭載反重力試作船ベータ(ベータとなずけた)は、汚染された鉛室を牽引して自動操縦用のパソコンに駆動されてニールセン家の庭から離床、大気圏外に出る。カメラOK、実験用マウスOK、異常なし。このベータ船は、反重力や中間物質の状態では米軍のレーダーに引っかかることはない。なぜなら反物質状態では電磁波を吸収し、中間物質状態では電波を反射しないからだ。まず太陽に向けて航行、汚染された鉛室を慣性航行で太陽に落とす。ついで地球に戻り、地球1周を開始、約1時間で1周してくる。


 さて、次いで地球から充分離れた所で火星に向けて、反物質エンジンを反物質化した水素ガスで緩加速で吹かす。1分30秒で0.8光速になったので反物質エンジンの吹かす方向を逆向きにし、減速、3分で火星に到着した。すばらしい成果だ。ベータ船は、火星に着陸、そして再び火星を離床し、太陽系各惑星の軌道円からほぼ垂直に反物質エンジンを吹かして、鉄プラズマ放射に切り替え、全力加速を行う。約4分後に光速に達し、例のPWM制御のDUTY49.999%⇔50.001%で超高速ゾーンに突入、以降順調に加速、ほぼ1時間後に1000倍光速に達する。


 ここで噴射方向を逆方向とし減速、地球と相対速度0となった所で同様の経緯で太陽系に帰還した。太陽系の現在位置はアステロイドベルト、分光式材質判定にて金の含有量ほぼ100%の、20m^3の岩石にアンカーを打ち込み、この金の岩石とともに地球に帰還する。無事、ニールセン家の庭に着陸した。実験マウスは無事だった。そして燦然と輝く金の岩石だ。


 エレン「これでこの船に乗れるね。」

 僕「そうだね。乗ってみようか。」

 エレン、アッシュ「うん、乗ってみよう。」


 実験船ベータに乗り、金の岩石共々、反物質化させて離床、宇宙空間に出る。


 その瞬間、第3次世界大戦、大規模核戦争が起きてしまった。

 米国各地、英国、日本が突然、最大級の水爆が爆発したのだ。北朝鮮が密かに潜水艦で持ち込み、工作員が米国各都市と米国核兵器ミサイルサイトに陸送して仕掛けた160個の水爆が一斉に爆発、そして反撃を封じる為にロシアと中国の潜水艦が米国の核を搭載する戦略原潜を攻撃する。が、米国の核ミサイルサイトと戦略原潜数隻が生き残り、報復核攻撃を、北朝鮮、中国、ロシアに撃ち込む。ロシア、中国も忠地に応撃、酷いことになった。


 それを見ていたイランとパキスタンが、イスラエル、ヨーロッパ各地、インドに水爆ミサイルを撃ち込む。すると米国、イギリス、フランス、イスラエル、インドの生き残った核ミサイルサイトからイラン、パキスタンに報復核ミサイルが撃ち込まれる。かくして地球は人類どころか生物さえも生き残れない荒廃した惑星となってしまった。


 僕、エレン、アッシュは、放射能の心配のない、宇宙空間より拡大して覗き込むも、北半球に人類の痕跡を見出すことはできなかった。オーストラリアですら、放射能嵐によって人々が次々死滅していく。地球の緑は失われ、赤茶けた死の荒廃にとって代わっていった。


 僕、エレン、アッシュは泣いていた。主に互いの父母の死が原因だ。食料補給の見込みも立たない。他の恒星系であてもなく地球の代わりを探すのも、もしかしたら一生かかってもできないかもしれない。僕「大丈夫、お父さんと母さんは、昨日に戻って助けよう。」エレン「え、そんなことできるの?」僕「おそらくこの船は超光速飛行時、正物質の戻すことでワープもするし、過去に遡ることもできる。」アッシュ「それはすげ~。」僕「まずその為の準備が必要だ。」


 僕「もうこの時間の地球は駄目だ。過去に時間を遡るしかない。とりあえず昨日へ戻り、我々の父と母を救おう。」

 エレン、アッシュ「そうだね。」「お父さんとお母さんを救った後はどの時代に戻る?」僕「次は1年前かな。まずあの金の塊を現金化して、全ての文献、全ての科学技術を最も性能のよいコンピュータにぶち込む。その後は、もう2度と核戦争が行いよう、第2次大戦の終戦間際に言って我々の力で世界を救おうか。」アッシュ「そいつはいい。」

 僕「うん、問題は、また核戦争が再発しないようにしないといけない、と言うことだね。核戦争を始めたのは、北朝鮮、ロシア、中国だ。そしてイランとパキスタンも追従して核を発射した。この五カ国は、絶対滅ぼさなければならない。とまた核戦争を始める。またヒットラーのドイツ、日本の軍国主義も当然滅ぼさなければならない。そして世界平和の為には問題は歴史のある時点、統一地球政府を作るべきだと思うんだ。」

 エレン「そうね。その通りだわ。」アッシュ「うん、そうだね。」

 僕「どうすればいいと思う。」

 アッシュ「米国の大統領に言って、米国しか核兵器を持っていない時に攻勢をしかける。」

 僕「それは無理だと思う。もう世界は第2次大戦で疲れ果てていて、殺し合いはごめんだろう。通常兵器で戦争をするとは思えないよ。ましてや共に日独伊三国同盟のファッショ国を一緒に倒した同盟国に急に核兵器を使うなんざ、米国は絶対しないよ。」

 エレン「そうね。朝鮮戦争で核兵器を使うことを進言したマッカーサーは、トルーマン大統領に解任されていたわ。」

 僕「どこかの国でクーデターを起こして政権を我々が乗っ取り、世界を圧倒的な科学力で統合するしかないと思う。基本誰も殺さない。そして世界に理想的な社会を作り、地球人の支持を得る。」

 アッシュ「やっぱりそれは米国しかないでしょう。」

 僕「君は母国にクーデターを起こし、政権を奪取できるの?」アッシュ、エレン「あっ!?・・・・それは、、、無理だ。」僕「だったら、やっぱりルーズベルト、トルーマン、アイゼンハワーと続く政権は続き、中国、ロシア、朝鮮、イラン、パキスタンは核戦争を繰り返すと思うよ。」

 アッシュ「クーデターなんかしないで米国政府に未来の核戦争が起きる話をして、戦ってもらおう。」エレン「無理でしょ。米国の政権は代わるし、私達が未来から来たって話をしても誰も相手にしてもらえないし、それに第2次大戦が終わってよかった、もうこれ以上戦争なんかごめんだ、って思うよきっと。」


 僕「ひとつ提案がある。僕が終戦ま近の日本をクーデターを起こして乗っ取る。そして誰も殺さず、全世界を相手に戦い、勝って地球のリーダーとなるよ。あの腐った軍国主義の国なら遠慮なくクーデターを起こすことにやぶさかではない。」

 エレン「誰も殺さずってどうやって?」

 僕「まず、原子分解して再構築でき、何でも試作する、反重力で空を飛ぶ試作ロボットを作り、ねずみ算式に増やして、過去に遡り、この試作ロボットが太陽系の惑星を全て宇宙戦艦に改造する。同じく反重力で空を飛ぶ戦闘ロボット、睡眠剤を注射をする反重力で空を飛ぶ極小戦闘ロボット、同じく極小スパイロボットを作り、終戦ま近の日本に行って、腐れ軍人を拘束、近隣の米軍基地の兵士を拘束、武器は全て破壊、次いで米国本土の武器破壊、米国民を拘束、さらに中国、ソ連も同様に占領し、次いで、ヨーロッパ、世界も同様に統一する。拘束した国民は、全て惑星を改造した宇宙戦艦の居住区に人種の別なく混同して収容、地球から人類を切り離して、地球を守る。また罪のあった人類は過去に極小スパイロボットを送り、その罪を犯した時のその国の法律で罪を償ってもらう。第2次世界大戦の戦犯とかね。まぁそんなところかな。」

 エレン「う~ん、なんか、米国民を拘束する、とか気に入らない。そんなことをしたら米国民はあなたを許さないわよ。日本をクーデターで手に入れた後、米国にはこれこれの国を作るから停戦して同盟を結んで欲しいな。」アッシュ「あ、そうだね。」

 僕「あの時の日本は世界の悪者、何を言っても信用してもらえない可能性が高いね。でも付近の米軍基地を無力化した所で、停戦、同盟と言う流れをトライしてみるさ。その辺は柔軟にやるさ。」

 エレン「うん、お願いね。ソ連、中国には徹底的にやっちゃって。」アッシュ「それなら僕も納得だ。」エレン「いずれにしても圧倒的な科学力を身につけないと駄目ね。」アッシュ「でも、さっき理想的な社会を作り国民の支持を得る、ってどうやるの。」

 僕「うん、それは次の通り。」

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