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第2話 ニールセン博士の家庭教師

 エレンとアッシュ、僕の丁寧な指導が上手くいって2人共みるみる学力があがった。日本語の勉強の方もインターネットの漫画を元にこちらもぐんぐんできるようになってきた。そして自動調理装置はニールセン家で大活躍だ。日本で販売し、購入したお客が毎日新しいレシピをアップロードするので、たちまち凄い料理の宝庫になっている。ニールセン博士の家では美味しいものを簡単に調理できるので皆ハッピーだ。

 

 が、エレンとアッシュは2人とも何か問題を抱えているようだ。


 エレンの場合、

 エレンはお年頃の為、彼がいるらしく毎日長電話をしている。そして時々夜遅く帰って来ては、ニールセン博士夫妻に怒られている。どうも彼氏とうまくいっていないようだ。


 エレン「私、彼がいるんだけど、どうも彼の束縛が強すぎてついていけないの。高校受験だってあるのに。」

 僕「日本でインターネットの相性度マッチングを作ったんだ。大別すると、生活感、価値観、リーダーシップ性、金銭観、距離感、H面での相性等の大項目にそれぞれ100項目程度の設問に記入することで貴女にとってお相手は何点、互いにとってお相手はそれぞれ100点満点中何点なのかがわかる仕組みなんだ。この方式で大勢の相性度診断をしてみると、距離感が合わないケースがとても多い。距離感は虎型、猫型、犬猫中間型、犬型、オシドリ型のそれぞれのタイプの人間がいる。虎型は、発情しないと寄って来ないタイプ、猫型は自分の世界があり束縛されず自分の世界がありたまには一人で旅行でもしたいタイプ、犬猫中間型、犬型はいつもかまわれていないと駄目なタイプ、オシドリ型はいつもべったりくっついていないと駄目なタイプ。エレンの場合は猫型、彼が犬型なのかもしれない。犬型の猫型に対する反応は、「愛が足りない。」「俺を愛していないのか」と必ず文句を言うようになるんだ。だから合わない。」

 エレン「あ、それそれ、言う通りね。さすが頭のいい先生ね。目の付け所が凄い。で猫と犬の場合、どうなるの?」

 僕「だいたいは別れるね。距離感の我慢できるのは1ランク違い迄だよ。」

 エレン「なるほど。じゃぁ私の場合別れた方がいいのね。」

 僕「まぁ受験が終わるまでクールダウンしてみては。どっちみち勉強に悪影響を及ぼす彼氏は僕としても嫌だね。」

 エレン「なんか、彼氏、織田君だったらいいに。勉強教えてくれるし、頭いいし。物分かり抜群だし、お金もちだし、これ以上の男性っていないよきっと。」

 僕「君ならいいね。じゃあまぁゆっくり愛に発展するかもしれない友情を育てようか。」

 エレン「そうね。でも私、、、、織田君、もう好きかも。勉強教えてくれている時うっとりしちゃうの。」

 僕「ぐっ、そんなこと言われたら、ぐらぐらだよ。」

 エレン「へ~、じゃあもっともっと言っちゃうよ。ダーリン」

 とエレンは言うと足を僕の足に寄せて来る。僕「参った。降参だ。その彼とはどうするの?」

 エレン「別れた方がいいって今言ったでしょ。私、織田君とお付き合いしたの。」

 僕「よし。わかった。じゃあまずは高校受験が終わるまでは勉強頑張ろうか。愛が育つか、壊れるか、じっくり決めないとね。」

 エレン「わかった。よろしくね。えへ。」


 アッシュの場合、毎日暗い顔をしている。学校に行くのが嫌そうだ。

 僕「アッシュ、君、学校でなんか嫌なことがあるんじゃないか?言ってごらん。力になるよ。」

 アッシュ「実は、13歳の上級生が僕をいじめるんだ。こずくし、ズボンを降ろすし、ランチを食べていると変なものを入れたり。」と涙ぐむ。

 僕「ならアッシュ、君に忍術を教えてあげようか。僕は強いよ。戸隠流武心館忍術8段だし。」

 アッシュ「え、すごい。じゃ、じゃ~~頼むよ。」

 僕「よし、じゃあ今からだ。外に出ようか。」

 アッシュ「うん。」


 僕「それではアッシュ!!!全力でなぐるなり蹴るなりして来てごらん。」

 アッシュ「わかった。」と言うと殴りかかって来たので、僕は腕を旋回させてその殴りかかってきたアッシュの腕を横に払って受け流す。

 僕「さあどんどんおいで。」

 アッシュ「OK。」また同じようにする。

 僕「じゃあ今度は僕からだ。いいかいさっき見せたように相手の腕を払うんだ。」

 僕もさっきのアッシュの攻撃と同じ感じで殴り掛かる。それをアッシュが腕を旋回させて払い、受け流す。

 僕「よくできた。じゃぁ今度は、こういう風に相手の腕を払うと同時に、肘を中心に旋回させて裏拳で叩くんだ。さぁアッシュ、突っ込んでおいで。」

 アッシュ「わかった。だあーーー。」

 僕は、先程と同じ要領でアッシュの腕を旋回せて払うと同時に肘を返して裏拳のグーではなく開いてアッシュの顔をビシッとはたく。

 僕「わかったかい。これが裏拳だ。」じゃあこの技を定着させる為、この動作を何回も練習するんだ。それもこんな風に早くだ。「シュシュン」と風切り音がする。「それから相手の腕を払う練習として明日学校から帰ったら、この動作で窓拭き、車のワックスがけをするんだよ。」アッシュ「うんわかったやってみる。」俺「それでは今日はここまで。」

 アッシュ「ありがとう。」僕「おぉ。」


 こんな感じでアッシュの特訓は続いた。腕旋回防御からの裏拳の他、足払いで倒した相手の顎への肘討ちや喉笛チョップ、鳩尾みぞおち膝蹴り、殴りかかって来た相手の手首を返して空気投げをする技、その後の関節技、関節技中からの喉笛や鳩尾、顎と言う急所への打撃と、忍者特有の、合気道、柔道、空手の合わせ技をどんどん教えて行く。もちろん基礎体力のカリキュラムも実行させる。その後は忍者刀(練習はただの棒)を使った剣道、手裏剣技も教えていった。するとアッシュの親友達も僕の忍者教室に入ったて練習をそすることになった。一人見るも十人見るも大差ないのでその忍者教室でアッシュの友達を引き受けた。


 そんなこんなでアッシュは、いじめっ子を破り、二度と手を出さないことを約束させた。そしてアッシュは毎日明るい顔で学校に行くようになった。彼女もできたらしい。学力も体格も勉強も武芸もスポーツもできる男となったのだ。


 アッシュはその後どんどん大きくなって1年後には僕同様185cmになり、かなりのタフガイになったのだった。ちなみにアッシュは、エレンと僕の仲を彼氏彼女と認知して以来、裕司兄貴と呼ぶようになった。



 

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