散歩
街を案内された翌日、異世界3日目が始まる。雲一つない良い天気。とても清々しい。顔を洗い、歯を磨く。さっぱりしたところで散歩でもしに行こうと玄関へと向かう俺に声がかかる。
「どちらにいかれるんですか?」
「ちょっと散歩しにいってくるよ。」
「わかりました。朝食を作って待っておきますので、冷めないうちに戻って来てくださいね。」
「わかった。ありがとう。いってくるよ。」
この街の中心部は露店を含めて大量の店が立っており、人がすんでいる場所は、中心から少し離れた場所にある。ニーナの家は外とこの街を隔てる木の壁の近くにあるため、この街の外がどうなっているのか知りたい自分としては、とてもいい場所にたっているのである。
「さて、モンスターってどんなのがいるのかな?」
わくわくしながら外へ出ようとする俺に、声がかかる。
「おいおい、どこへいこうってんだ?」
若い兵隊のような格好をした男が少し呆れたような顔をしている。どうやら武器をもっていないことについてなにか言いたいようだ。
「外へでるなとはいわんが、武器をなにかもっていきな。自衛手段がなけりゃ死ぬかもしれないんだぜ?」
まぁその通りだな、何も考えずにきた結果がこれだからまぁ仕方ない。
「はい。今度は何かもっていくことにします。」
「おお、そうしてくれ」
素直に帰る俺を見て驚く兵士。それもそうだろう。俺でもなにかめんどくさいことになると思うはずだからな。さて、腹がへった。ニーナの家に帰ろう。