「おさらばだな。」
約2ヶ月放置で、すいませんでした。
今回は那華目線です。
ガラッ
あ、りょう戻ってきたんだ。告白の返事...どうしたんだろう。
あたしはふと時計を見る。この高校は毎休み時間が15分ある代わりに、
授業時間が長い。下校時間も、もちろん遅くなるが
高校生だからと、授業時間 共に休み時間を長くすることを真っ先に
許したのは、紛れもない。我が担任だ。
次の予鈴まであと10分ある。りょうは1人で外を眺めているみたいだし、
聞いてみるとするか。
「りょうっ」
「おお、なかか・・・。」
ぼんやりを外を眺めてるりょうは、一向にこちらを向いてくれない。
「女の子に告白されたんだってねー?」
「・・・。」
「りょう。」
どうしたんだろう。
「もうあたしとは話してくれないのか、あはは。
彼女さん、嫉妬深いのかな。」
いつの間にか、涙声になってるあたしの声を聞き
やっと振り向いてくれたりょう。
目に涙も浮かべてるんだから、驚いちゃうよね。
でも、何でだろう・・・。すごく悲しいよ。
「!! んなわけじゃ・・・。」
「りょうにはもう、可愛い彼女がいるもんね。
さっきの告白もOKして、リア充になったりょうに、
ただの幼馴染のあたしは必要ないね・・。」
作り笑いをした、あたしに気づいたのだろう。
うつむき、気まずそうな顔をしたまま彼はこう言うんだ。
『そうだな。那華も可愛いが、あいつの方が俺は
好みでな。前々から気になってたし、告白されて
OKしたんだ。
お前とは、もうおさらばだな。』
「っ!!」
ガラガラッ・・・ダダッダダ....
ー・・・
無我夢中で走り続けたあたしは、大きな屋上のドアを開け、
ど真ん中に寝転がる。
期待してた。りょうなら、「お前は大切な幼馴染だ」って
言ってくれると思ってた。
オ サ ラ バ ダ ナ
あれ・・・何でだろう、どうしてだろう。
りょうのこと祝福してあげたいのに、涙があふれ出る。
「おめでとう」って。
「よかったね」って。
言ってあげたいよ。
どうしてこんなに苦しいの。
自惚れてた。りょうの一言、一言があたしの気持ちを弾ませて
りょうはあたしのことが好きなんだろうって思ってた。
今日、かいくんとあたしが2人きりでいたことについて、何も言って
来なかったのはあたしのことが好きじゃないからなんだね。
「・・・ふぇっ・・ひっく・・うぅ・・・。」
「悲しいよ。うわああああああんっ・・うっ、ふぇっ・・・。」
ガタッ!
そのとき、ドアが力強く開いた。
かいくんが、あたしのことを思い切り抱きしめてくれて
あたしはもっと泣いた。
そのまま2人で下校まで、屋上で過ごし帰るときマツセンに見つかって
こっぴどく叱られたのを覚えている。