嵐の前
前回と同様、かい目線でご覧下さい。
目線が変わる際は、文章中でお知らせ致します。
それでは、ごゆっくりどうぞ。
俺たちは学校に着いた。
なかちゃんとは登校中いろんな話しをした。
恋愛の話しも出してみたけど、鈍感なのか反応が
いまいち...。りょう、苦労してんな(笑)
でも・・・好きな人の話を出したときに見せたあの
顔は一体―!?
俺は、その謎を知りたかったがとりあえず
りょうを見かけたので話しかけてみる。
なかちゃんも、中野んとこ行ったみたいだし。
「りょう、おは。」
「おう」
「なあに、暗くなってんの?高校生活は
まだ始まったばっかだろ?・・・恋愛もな^^」
「・・・。俺、先に教室行くわ。今日の那華
おかしいし。」
「あ、そう・・・。」
やぱりょう、気づいてたんだな。さすが幼馴染・・・とでも
言っとくか。
・・っと、もうすぐ予鈴だ。
マツセン(担任)の大きい声でHRは始まる。今日のHRは
席替えみたいだ。そうだよな・・・名前順だったしな。
くじを引き黒板に張ってある番号表を見ると・・・窓側の1番後ろだ。
別にそんなのはどうでもいい。ただ・・・
「なかちゃんっ!!席どこになったの?」
「え-と、窓側の1番後ろだよ。隣のコ誰だろう・・・。」
「・・・っ!!隣のコ、俺だよ。」
「嘘っ!!よかったあ。意外と緊張してたんだよ。
かいくん、よろしくね。」
「おう、なかちゃん誕生日って―「りょうーっ席どこ?」
・・・・・りょう、ここでも邪魔するか。しかも
なかちゃんから話しかけに行ったなんてな・・・。
盗み聞きしてみる。
「窓側の後ろから2番目。」
「あ、やったあーっ!!あたしの前だね^^」
「那華の隣は誰なんだ?」
「えーっとね、か―「俺だよ。」
「か、かいくん・・・」
「かいか。」
「そっ♪俺^^」
「・・・」
「・・・かいくん。」
席替えをして、一通りの授業を受けて今日は幕を閉じる。
席が隣になったのもつかの間。
1ヵ月後、りょうとなかちゃんの間に小さな
亀裂が入り始める。
そういえば、りょうとかいが知り合ったのは
中学時代です。かいが転校した学校にりょうがいて
仲良くなったわけです。転校と言っても隣県にある
中学校で、高校生になる前にまた地元に戻ってきました。
偶然か運命か、その頃 りょうの父親も隣県に転勤が
決まりかいの後を追って那華たちの通う高校へ入学が決まりました。