恋敵
かい目線です。
那華とりょうが喧嘩をする、少し前の
話しからです。
ー・・・
「なぁ、今日ゲーセン寄っていかねー?」
「ああ俺、無理だわ。」
そう言って俺は、なかちゃんの方を
チラッと見る。今日一緒に帰れるかな・・・。
「りょうっ」
なかちゃんが、りょうに話しかけてる声が
聞こえる。
その声を遮るかのように、俺は友達と
また話し出す。
この声を聞くまでは・・・。
「―お前とはおさらばだな。」
ふいに、りょうが言った言葉。
那華ちゃんは、目に涙を浮かべ、教室を出て行った。
は?どうなってるんだよ。
「おさらば」?お前はなかちゃんのことが好きなんだろ?
「おい、りょう!!」
「何だよ、かい。」
「今のなんだよ。」
「ふっ、那華を振ったまでだ。」
何でだよ・・・。そんなこと言ってるけど
お前・・・。めっちゃ落ち込んでんじゃねぇか。
「なかちゃんは、お前に告白すらしてねぇのに、
んなこと言ってんじゃねぇよ!!」
そう吐き捨て、俺もなかちゃんのように、教室を飛び出し
屋上へ行った。
ー・・・
そこには、案の定なかちゃんの姿。
黙って、ぎゅっと抱きしめると、もっと
泣き出したが、安心したらしく、
なかちゃんは泣き止んだ。
「今日は授業、サボろっか♪」
泣いて、腫れた顔をこちらに向け、首を縦に振る。
りょう・・・。お前は自分で自分の大切なものを
傷つけた。今さら後戻りしようったって
この俺が許さねぇ。
この後、俺となかちゃんは下校時 マツセンに
こっぴどく叱られた。