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和菓子いりませんか?

作者: 石川 瑠佳

「和菓子いりませんか?和菓子いりませんか?

 和菓子いりませんか?」全然売れない。

 そりゃ、そうだ。私、洋菓子の方が好きだもん。気まぐれで、食べることは、あるけど。粒餡の大福。正直、ケーキやクッキーの方がいい。その方が、売る気持ちも、強くなると思うのに。それに、大福は、粒餡よりねり餡の方が好きだ。

 こんなんばっかり。

 神様に、転生するから、一つだけ凄い力を与えるって言われて。

 小学校一年生か二年生ぐらいの男の子の神様。

 神様「そうだな。和菓子……。大福、僕が好きなんだ。じゃあ、大福をいくらでも出せる能力でいい?」

「ええっ!?異世界って、西洋色強いんだから、どうせなら美味しいケーキ。でなければ、果物のリンゴとか……」

「ダメッ。僕が、大福が大好きなんだから大福。その代わり、異世界の人も大好きって設定にしとくから。流行らせてよ」子供じゃん、神様。子供だけど。


 異世界に行くと、赤ん坊からでなく。そのまま、自分スタートだった。

 元手はよこしたから、自分で自分を、養えってことだろう。


「うーん、やっぱり中世の西洋風だ。だけど、話し声は、日本語に聞こえるな。取り敢えず、勇気を出して…」

 二人の世間話をしていそうな男性に、話しかけた。

 大福は、事前に実験済み。念で、大福を出よってすると、お皿と共に、出た。もう少し、試してみると、透明の使い捨て容器にセロテープをつけて閉じられた大福が出てきた。

 今度は、トートバッグにいっぱいのパックに入った大福を想像すると出た。

 だから、それを二人の男性の前に、出した。

「これ、知ってますか?」

「知らんな。じゃあ、さようなら」と、この反応。

 これって、食べたことないってことじゃない。神様、どういう認識にしたの?

 どう、流行らせばいいの。

 そして、最初の「和菓子いりませんか?」に、戻る。


 ちょっと頑張れば…。ちょっとが果てしない。


 もう、食べ物屋という、食べ物屋を回るしかない。


 私は、マッチ売りの少女じゃ、ないんだから。

和菓子なのに、甘くはないね。

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