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家を貰う

エステルは食べながらしばらく泣き続けた。


リコがエステルに近づいて背中を撫でる。


「はらぺこスキルが、スキル反転したよ。」


「おめでとうございます。今まで大変でしたわね。」

リコはしばらくエステルのそばで背中を撫で続けた。





その日の夜

エステルが俺に抱き着いてきた。


「え?どういう事?」


「エステルのはらぺこスキルが反転したのですわ。」


「おお!おめでとう。良かったな。これで楽になるだろ?」


「うん、ハルトのおかげだよ。」

エステルの尻尾がぶんぶんと音を立てて揺れる。


「これで難民の食事にシフトできますわね。提案なのですが、木こりと大工として働いている方に優先してハルトの食事を食べてもらいたいのですわ。正直に申し上げまして、1000人の難民は経済的に負担が大きいのです。ハルトの料理ブーストで早く資金を確保したいのですわ。」


「それは良いけど、俺はずっと料理を作り続けるから、人を選ぶ余裕はないぞ。」


「そこはわたくし共でやりますから心配はご無用ですわ。」


こうして、ハルトの料理ブーストは、大工と木こりに集中的に使われるようになった。


エステルは木こりとして仕事に参加する。






次の日の食堂


「ハルトの料理で体の調子が良くなりすぎる!」


「ちきしょー!どんどん働けるぜ!」


「あいつらどんどん大工の腕を上げやがる!」


「美味しい。またハルトの料理が食べられるよ。」


「す、すごい効果ですわね。さすが料理レベル7ですわ。」


ハルトの料理ブーストにより、ハウス工場とハウス工房は24時間稼働し、効率は飛躍的に上がった。


さらに難民への教育速度も上昇し、ホワイト領は過去最大の利益をたたき出した。


このことにより、ブラック領のハウス製造は壊滅的な被害を受けることになる。


大工と木こりの教育が一段落すると、ハルトはハウス工場の見学をしに行くこととなった。


ハルト・エステル・メイ・リコは、興味津々で工場内の家を見学する。


「ハルト、もし買うならどれがいいと思いますか?ハルトの好みに興味がありますわ。」


「買うなら、か。値段を聞きたい。」


「全部500万ゴールドだとしたらどれを選ばれます?」


俺は2階建てで小さめの家を選んだ。


「このくらいのサイズが良いな。ダンジョンに行くときに持っていきたい。」


「なるほど、分かりましたわ。」

リコはすぐにゲンの元へと向かう。


俺はしばらく家を見ていた。


良いな、買おうかな。


「ハルト、これが気に入ったのか?」

ゲンさんが後ろから声をかける。


「そうだな、欲しくなってきたぞ。」


「持っていきやがれ。」


「あと少ししたら買いに来るぞ。」


「金はいらねーよ!今すぐ持っていきやがれ!」

リコがにこにこ口に手を当てて笑う。


「ハルト、ただで貰えますよ。ストレージに入れるのですわ。」


「待ちやがれ、家具がまだだぜ。メイとエステルの分の家具も作るぜ。」


「家具ももらえますわ。ハルトの彼女二人の分も作っていただきましょう。」

リコはゲンさんの言葉を通訳するように話す。


「分かった。ただ、エステルとメイは残念ながら俺の彼女じゃないぞ。」


「まあ、相思相愛ですのに、まずは同棲から始めませんと。」


「いやいや、順番がおかしいよな?」

リコの冗談に周りのみんなが笑う。


エステルとメイだけは顔が赤くなった。


俺たちは家と家具、それに下に敷く用の石まで貰った。


「ゲンさんには助けられてるな。」


「ふふ、お互いに助け合っているのですわ。」


「俺一段落したらやりたいことがあったんだ。」


「何ですの?」


「孤児と難民に料理人の職業を持った人が居ると思うんだけど、その人に料理を教えてギルドの食堂で働いて欲しい。」


「すぐに動きます!人を集めてきますわ!」


リコが動き出した。


俺が料理を作っていると、リコが10人連れてきた。


「見習いとして給料はこちらで出しますわ。」


「わ、分かった。」


こうして料理人を10人育成した。


その後、


パン屋・燻製工房・チーズ工房・酒造工房・ケーキ屋と、立て続けに軌道に乗せた。


「うーん。これ以上は出来ることが思いつかないぞ。」


「お疲れ様ですわ。後は規模を大きくしていくことで、料理人の働き口を確保出来るでしょう。」


「これでもまだ仕事が無い人間が居るんだろ?」


「そうですわね。利益を農地などの開発に回していますが、まだ足りませんわ。」


そこに、メイが走ってきた。

「私もスキル反転しました!」

俺に抱き着いてくる。


「おめでとう!」


「おめでとうですわ!」


「リコ、やることが思いつかないから、メイとエステルのレベル上げをしてこようと思う。ただ、エステルとメイがどう考えてるか聞いてからだな。」


「一緒にダンジョンに行きたいです!」


「後はエステルですわね。聞くまでも無いとは思いますが、聞きに行くのですわ。」






「私も行く!」

エステルはすぐに決断した。


「これで決まりですわね。ギルドに行ってパーティーを結成するのですわ。」


エステルとメイが腕に絡みつき、リコには背中を押されながらギルドへと向かう。




最後までお読み頂きありがとうございます!ここまで少しでも、ほんの少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!

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