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パーティーキュキュクラブ結成

ギルドに入ると受付嬢が大げさに驚く。


「まあ!ハルト君モテモテね!」

ワザとみんなに聞こえるように大声を出す。


「その通りですわ!ハルトはモテモテですの。」

リコも乗っかる。

勉強の時もそうだったけど、二人ともからかうの好きだよな。


「色男のハルト!」

「私も抱かれたいわ。」

と周りもからかってくる。


このままだとしばらく続くな。

「パーティーの結成だったか?」

俺は話の流れを変えるため、話題を変える。


「そうですわね。パーティー名を決める必要がありますわ。」

あ、これ時間かかるやつだ。


「ちょっと3人で考えてくる。」


「ごゆっくりお楽しみくださいませ。」

「ハルト君。ゆっくりいちゃいちゃして来てね。」


俺達は反応せず、ギルドのテーブルに腰かけ、ストレージからケーキと果実水を取り出す。

エステルとメイは俺の隣に座り、片腕を俺の腕に絡ませたまま、ケーキを食べだす。


「ずるいですわ。私にも下さいませ!」

俺の対面にリコが座る。

俺はストレージから同じものを取り出してリコに渡すとリコは黙って食べだす。

リコはお菓子をあげるとおとなしくなるのだ。


エステルはすぐに食べ終わると、意見を出す。

「ハルト英雄旅団が良いと思うよ。」


「ダメだ、自分から英雄って名乗るやつにろくな奴は居ないだろ。」


「ハルト隊長の団にしようよ。」


「俺の名前は無しにしようか。」


「天才料理人の救世パーティー。」


「メイのもちょっと無しにしたい。」


「俺はキュキュクラブにしたい。」

キュキュとは、丸くてもこもこした可愛い生物だ。


「キュキュをテイムしてないのに?」


「今後、仲間にする予定だ。」


「私はキュキュクラブで良いですよ。」


「それにしておこっか?」


「決まりだな!」


俺たちは受付に行く。


「はい、ハルト君のパーティーはキュキュクラブのパーティーランクはEね。」

冒険者ランクはF~Sまである。Sが一番上だ。

Fランクは冒険者の研修期間、初心者マークようなものなので、実質Eランクが最低ランクだ。

俺はEランクのまま頑なにランクを上げるのを拒否し続けた。

Cランク以上になると、国から強制的に招集されたりと面倒ごとが多くなる。


一回でも上げてしまうと後はなし崩し的にどんどんレベルを上げられてしまう。

Eランクをキープする事で、意地でもランクをキープする。


本来は鉄のプレートの番号を確認する手続きが毎回あるのだが、俺は顔を覚えられているので、そういう面倒な手続きは一切不要だ。



「次は買い出しだな。」

キュキュクラブは販売所へと向かう。


「二人とも服がボロボロだよな。買い換えるぞ。」


「まだ使えるよ。」


「いや、ホワイト学校の防御魔法付きの制服に変える。それ以上ボロボロになってくると防御魔法の効果が切れる。」


「しかし、お金がありません。」


「俺が出すぞ。全部の装備を買い替える。」


二人ともブラック領の黒い制服を着ていたが、メイはホワイト領の学校制服、エステルは学園の制服に変えた。

エステルは俺やメイと同い年だが、見た目18才ほどに見える。

犬族で体の発育が良すぎて学校の制服が体に合わなかったのだ。

武器も靴もすべて買い換えた。


「お金を出してもらって大丈夫なんですか?」


「なんか悪い気がするよ。」


「同じパーティーを組んでるんだ。普通だろ。」


後は塩、野菜、穀物と買い揃える。


キュキュクラブはダンジョンの前まで移動する。



「後は、みんなのステータスを見せて欲しい。」

相手に開示の意思を示すことで見ることが出来る。


「わかったわ。」

「分かりました。」


エステル 女

レベル7

職業 中級木こり 

ノーマルスキル

健康        レベル10

回復力アップ    レベル10  

職業スキル

斧         レベル3

採取        レベル3

木材加工      レベル3

テイム       レベル1


健康スキルと回復力アップの力で、状態異常に強く、回復力が高い。

ある程度のダメージを無視して攻撃できる狂戦士っぽい能力だな。




メイ 女

レベル5

職業 中級メイド

ノーマルスキル

睡眠学習      レベル10

ショートスリーパー レベル10

職業スキル

短剣        レベル3

メイド       レベル4

操作魔法      レベル1

生活魔法      レベル3


睡眠学習の効果で寝ると勉強やスキルの経験値が増加して、ショートスリーパーの能力で睡眠の質を高めてあまり寝なくても大丈夫になるな。

短剣使いか。



ハルト 男

レベル 27

職業 中級料理人

ノーマルスキル

経験値上昇・超 レベル10


職業スキル

包丁    レベル6

料理    レベル7

ストレージ レベル5

感知    レベル3




うん、なるほど!


「全員近接戦闘系で魔法攻撃と遠距離攻撃が一切無いな。パーティーのバランスは、良くない。」


「待ってください!」

メイが手を上げる


「メイ君、何かね?」


「確かに全員近接戦闘しか攻撃手段がありません。ですがこのパーティーには可能性を感じます。」


「うむ、言ってみたまえ。」

俺はブラック学校の校長先生の真似を続ける。

同じブラック学校なので、伝わりやすいだろう。


「エステルの回復能力とハルトの料理スキルブーストによって、継続的な戦闘を行えます。さらに私のメイドスキルとハルトのストレージスキルにより、長期間無理のないダンジョン生活が実現可能です!」


「確かにそうだな。」


「さらに、採取スキルとストレージの相乗効果で高い次元の採取を行えます。そして私の操作魔法を鍛えることで、短剣による遠距離攻撃を実現出来る・・・かもしれません。」


「ねえ、早く行こうよ。」

エステルは待ちきれないようだ。


「そうだな。」

おふざけはここまでだ。


ダンジョン1階


「手始めにここの魔物を狩ってみようか。」


エステルはキックラビットに斧を振り下ろすと、キックラビットは真っ二つに両断される。

明らかにオーバーキルだな。


メイは短剣を突き刺し、危なげなくキックラビットを狩る。


「うん、3階まで行こうか。」

1階だと敵が弱すぎる。


「え?薬草があるよ。」


「俺、低階層の魔物を狩りつくして、厳重注意を受けているんだ。1階の魔物を倒しすぎると、すごく怒られる。それに、俺達より年下の子供が薬草採取をしてるから、1階にとどまるのはダメだ。」


「分かりました。上に行きましょう。」





3階


エステルは問題ないけど、メイは少しきつそうだな。


「ここでレベル上げしようか。ちょっと魔物をおびき寄せてくる。」


俺はキックラビットの群れに石を投げておびき寄せる。


そしてエステルとメイにぶつける。


「いっぱい来たよ。」


「これちょっとですか?多すぎます!」


「メイには少しきついかもしれないな。頑張れ。」


「かなりきついです!」


こうして、メイが動けなくなってくるまで魔物を二人にぶつけ続けた。


俺は、下に石を敷き、ストレージスキルで家を石の上に出す。


しばらくすると、メイがエステルにおんぶされて家へとたどり着く。


メイを椅子に座らせるが、一切しゃべらない。


「メイ、頑張ってこれだけ食べてくれ。」


サンドイッチとスープを差し出す。

もごもごとゆっくり嚙むが、中々飲み込まない。


「魔物と戦わせすぎたか?」


「次はもっと少なくした方が良いよ。」

そうか、次はもう少し甘くするか。


こうして微調整を重ね、キュキュクラブはレベルアップした。


エステルは大量の素材採取を行い、大量の素材を確保する。


メイは序盤こそ魔物狩りだけで精いっぱいだったものの、途中からメイドスキルによる家事作業を行い、短剣以外のスキルも上げて行った。


「しばらくダンジョンにこもりっきりだったな。これ以上ストレージに物を溜めすぎるとギルドに怒られる。一旦帰ろうか。」


「いっぱい素材を集めたよ。」


「魔物もたくさん狩りました。」


「結構な金額になると思うぞ。納品しに行こう。」


エステル 女

レベル12

職業 中級木こり 

ノーマルスキル

健康        レベル10

回復力アップ    レベル10  

職業スキル

斧         レベル4

採取        レベル4

木材加工      レベル3

テイム       レベル1



メイ 女

レベル10

職業 中級メイド

ノーマルスキル

睡眠学習      レベル10

ショートスリーパー レベル10

職業スキル

短剣        レベル4

メイド       レベル4

操作魔法      レベル2

生活魔法      レベル3



ハルト 男

レベル 27

職業 中級料理人

ノーマルスキル

経験値上昇・超 レベル10

職業スキル

包丁    レベル6

料理    レベル7

ストレージ レベル5

感知    レベル4

最後までお読み頂きありがとうございます!ここまで少しでも、ほんの少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!

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