囚われの〇〇ブレイカー
運営のミスで魔王を倒すとゲームのデータが消滅してしまうシステムを作ってしまった。
サービスを終了しようにもサービスを開始してから一週間でサービスが終わってしまうと大赤字になってしまう。
そこで運営はとある組織に依頼して瀕死状態の少女の意識をゲーム内にインストールし、魔王を倒そうとするプレイヤーのアカウントとそのゲームでの記憶を消去する『アカウントブレイカー』という存在を作ってもらった。
どんなにいい装備を揃えても、いくらレベルを上げても彼女の前では無意味だった。正直、魔王より強かった。そのゲームが終わったのは、それから三年ほど経った頃だった。終わった理由は魔王が倒されたから。
今までは魔王の体力が残り三割になるとアカウントブレイカーがどこからともなく現れ、プレイヤーのアカウントとそのゲームでの記憶を消去していたが、ゲーム内に存在している彼女の無意識が運営の目が届かないところでプレイヤーたちに助けを求めていた。
プレイヤーたちは彼女が入院している病院を突き止めると同時にたくさんの人たちの力を借りて運営とその関係者全員を刑務所送りにした。
解放された少女はゲーム内になった彼女の情報を彼女の体にインストールすることで奇跡的に意識を取り戻し、今では元気に暮らしている。
やれやれ、人間ってやつは追い詰められると何をしでかすか分からないな。恐ろしいや恐ろしいや。