28.特殊体質を集める体質
「…そこまで。これで全教科終わりかな。どうだった?」
「範囲大きくないですか?これ多分小学生から大学生ですよね?」
「うん。それくらいできてもらわないと困るよ」
「じゃあ俺には困ってるってことですか?」
「うん。結構困ることがあるよ」
「辛辣だ…」
「そう?思ったこと言っただけなんだけどね」
さて、昨日は新しく用意してもらった自分の部屋のベッドの上で寝たのだが、寝心地が良さすぎる。なんだあれ、オーダーメイドレベルで僕の好みと体にフィットしている。
聞いたところ、見た目で分かったから勝手にオーダーメイドしたらしい。よく数時間で出来たな。
そして、間間さんに欲しいものを言っておいた。壁一面の大きさの本棚と本。今朝起きるとすでに設置されていた。本の中にはジョジョの奇妙な冒険の一部から三部までが用意されていたのだが、とんでもない威圧感を感じてしまってまだ手が伸びない。
「さて、採点終わったよ。これもだいぶ良いんだけど、一つだけ何か足りない感じだね」
「そういうのも2位どまりなんですよね…」
「君はそういう体質なんだね。まぁ、特殊な体質の人が集まるのは仕方ないか」
?
どういうことなのだろう。
やはり顔に出ていたのか、無二さんが説明を始める。やっぱり僕って顔に出やすいんだな…。
「唯一は特殊な体質でね。【特殊な体質の人を集める】特殊な体質なんだ。君は【1位を集める】体質。はっちゃんは【角が立つような人を集める】体質。凡君は【自分が平均になるような人を集める】体質。私のは違うんだけど、【初めから全てを諦観してしまう】特徴なんだよね」
「そんな体質ってあるんですか?正直信じられないんですけど…」
「あるよ?君は昔は努力して生きてきたのに、努力しても勝てないと知ってから努力してないでしょ?それなのに2位を取り続けている。人生が簡単なものだと思ってるでしょ?」
「…そうですね。最近はその簡単なものって考え方を完全否定されたんですけどね」
「そうなんだ。まぁそれは置いておいて」
人生の転換点を置いておかれてしまった。結構悲しい。
「例えば、身の回りにいわゆる不幸体質の人はいないかい?まぁいてもいなくても良いんだけど、そういう人って不幸をもたらす人を身の回りに集めてるんだよ。ほかの体質もそう。幸せ体質は幸せをもたらすような人を身の回りに集めてるんだ。少しづつ周りに人をそういう人を集めて、最後には全員一気に離れていく。これはなぜなのかわからないけどね」
「…?」
「まぁ、気にしないでよ。私は説明するのが苦手だし、わかる時が来たらわかるさ」
「無二さんの言う通りだ。俺も最初はわからなかったんだけど、ここの部隊に入ってしまったし、こうなったら嫌でもわかることになるよ」
…正直な気持ちをここで一つ。
ここの部隊で分かる事ならなおさらなのだが、嫌でもわかるようなことは大概いいことではないので、正直解りたくない。




