26.バックボーンと人力人感センサ
「さて、はっちゃんは僕に任せてもらって構わないから、君たちは暇でも潰しておいてよ」
「わかりました。初代をよろしくお願いします」
「まかせてよ。何のためにこの部屋があると思ってるの?」
「心強いです。じゃあ、俺は葦名にここの説明してきますよ」
「あ、ありがとうございます」
「んじゃ、行こうか」
会議を行う部屋や、運動部屋など様々な部屋を紹介してもらった。そして最後に部屋紹介。
「んで、ここが葦名の部屋になる予定の場所。急だったからまだいろいろ用意し終わってないんだけど、まぁ大体好きなもの置けるからほしいものがあれば間間さんに言っておくといいよ」
「なんでも?」
「あぁ。俺は特別に筋トレの道具と防音室を作ってもらった」
「防音室?」
「筋トレをするときに限界を超えようとするとどうしても大きな声が出ちゃうんだよね。だから普通の運動部屋と別に作ってもらっちゃった」
防音室が必要なほどの大声を上げる筋トレって。どれだけストイックに鍛えてるんだ。
まぁそれだけ鍛えないとあんな身体能力にはなれないだろうけど。
そう考えたら類まれなる身体能力なんて、結構失礼なこと言っちゃってたのかもしれない。
「…すいません」
「何が?」
「学校で話したときに、類まれなる身体能力なんて言ってしまって」
「ははっ。そんなこと気にするなって!今まで助けた人たちに何度言われたことか。数えきれないぞ?」
「そうなんですね。まぁ、でも謝らせてください」
「まぁ謝りたいならいいけどよ。んじゃ、許した!これで良いだろ?」
気持ちのいい感じの性格。本当に優しすぎる。
初めは「No-nameに入れ」と強要してきたのであまり良い感じの印象ではなかったのだが、もちろんそれも僕の事を思っての言葉だったし。
僕もここに居れば、そんな風に変われるのだろうか。
根っこごと引き抜いて置き換えることができるだろうか。
「ってことで、とりあえず紹介はこんなもんかな。ほかに聞きたいことってあるか?」
「…そうだ、これが部隊っていうのはわかるんですけど、それならどこに属する部隊なんですか?」
「…俺も気になって聞いたことがあるんだけどさ。部隊って言ってるだけで、別にどこに属しているとかないらしいぜ?」
「え、そうなんですか?」
それならここを買うお金はどこから出ているのだろうか。
これまで回ってきた部屋もブランドっぽい重厚な雰囲気で、明らかな高級感が出ていたので、きっとビッグネームがバックに付いているものだと思っていたのだけれど。
「まぁ、ただの意味のないウソかもしれないけどな。間間さんって人の事をからかうの大好きだから」
「ふふ。そうかもしれないですね」
「私もそう思う。きっとFBIとかが後ろについてるんじゃないかな」
「あ、無二さんもそう思います?」
「え、無二さん!?」
「ちっ。頑張って気配を消して近づいたのに、すぐにばれちゃった。凡の警戒範囲広すぎない?」
「頑張ったんですよ。これだけ警戒範囲広げられれば、基本的に攻撃される前に反応できますから」
びっくりしたぁ。無二さんに気づいてなかったのは僕だけだったらしい。
っていうか、凡さん人に気づくの本当に早いな。人感センサでも入れてるんじゃないかと錯覚してしまうほどだ。
あ、もしかして間間さんってゆっくり動いて、凡さんの人力人感センサを無力化したりしてるのかもしれないな。
…んなわけないか。




