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23.雑な描写と挑発的態度

 学校の廊下をとことこと歩いていく。正門から保健室まではかなり遠く、無言の時間に耐えきれなくなる。

 とりあえず何か話を振らないと…。


「凡さんってどうしてNo-nameに入ってるんですか?」

「俺?うーん、そうだな…。しいて言えば、何か得意なことを作りたかったからかな」

「え、いや、その類まれなる身体能力を使えば、スポーツ全般プロレベルになれそうですけど」

「ははっ。まぁそうか。そうだな!今からでもスポーツ選手目指してみようかな?」

「そんなことされたら金メダルマンも流石に打つ手がないですよ」

「金メダルマンって何?」


 凡さんはコロコロコミックを読まないタイプの人間だったらしい。というか、読んでいたとしても、かなり前に連載されていたものなので知らないのは当たり前か。


「凡さんってジャンプ派だったんですか?」

「ん?なんでわかったんだ?」

「いや、何となくですよ。凡さんはジャンプ読みそうだなって」

「あぁ。俺は確かにジャンプが大好きだ。特にあの三つの柱が大好きかな。友情、努力、勝利!このスローガンがあるからジャンプは輝いてるってところあるよなぁ」


 友情、努力、勝利か。実際に体験してみたいな。


「お前…えーと、えー」

「葦名です。葦名衣」

「じゃあ葦名。お前はジャンプとか読まないのか?」

「まぁ、そうですね。基本的には小説ばっかり読んじゃいます。でも幼いころはコロコロを読んでましたし、世界的に有名になったような漫画は読んでますよ」

「なるほど、頭よさそうだな」

「まぁ、そこそこですけどね。それなりに頭はいい方でしたよ」

「じゃあ葦名はテストで100点とか取ったことあるのか?」

「はい、一応受験前の模試で英語と社会は満点でした」

「はぁー。お前頭いいなぁ!テストとかどんなものでも一番になったことないぞ?何だったら平均点ばっかりだったし」

「そうなんですね…」

「おい、そんな少し笑いそうな顔するなよ」

「いや…ふっ」

「あー!お前笑ったな!?」


 小気味よく話続けていると、そのうちに保健室に到着した。いや、会話が楽しかったのは久方ぶりかもしれない。

 そして包帯と睡眠薬(無かったので睡眠作用のある薬)を見繕い、初代さんのいるところへと急ぐ。


「帰ってきたよ~って、うわ。こんなことになってるのか」

「確かに…。結構ひどいですね」


 改めて見ると悲惨すぎる。死体の山と壊れた机、血の海の広がる教室って。グロ要素の含まれた小説でももっとマシな描写をするだろ。


「はぁ、遅いよ。もっと早く来てもらわないと」

「すいません、睡眠薬が見つからなくって…」

「そりゃそうだ。こんな一介の学校にそんな大層なものが手に届くところに置いてあるわけないよ」

「…」


 辛辣過ぎない?いや、これは僕が悪いのか?イライラが沸々と湧いてくる。抑えないと…。


「あー、無二さん!とりあえず治しましょうよ!ほら、初代もそろそろ起きるかもしれないじゃないですか!」


 凡さんがフォローを入れてくれる。No-nameの人たちはみんな優しいなぁ…。


「ん?まだ起きるわけないよ。疲労で倒れたんだし、起きるまであと一時間半はかかるんだじゃないかな?」

「…そうなんですね」


 前言撤回。


 本当に人の心がわからないんだよな…?さっきも言ったが、わざと挑発してるんじゃないのか?

 流石に疑ってしまう。

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