0.人生は有限、後悔は無限
僕は
僕は!
僕は?
僕は
…なんなんだ?
あぁ…。なんとなくわかった。下手に頭がいいせいで余計なことに気づいてしまった。いや、もっと早く気付くべきだった。
僕は特別じゃないのか。
はは。
よく考えたら、今までに起こっていた特別な事。すべて僕と同じクラスの人、同じ年に生まれた人にも言えるような特別なことだ。それに、僕が中心になってやったことなんて一つもない。さっきだって僕は危機に瀕したときまったく動けなかった。今だって自問自答で自傷して、これからの解決策を見つけようとはしない。
じゃあ…今までの僕は?これからの僕は?
いや。
今までも、これからも。僕には何もないのか。人生という猶予期間を空費していたんだ。
はは、滑稽だ。荒唐無稽な今までを思い返しただけで笑いが漏れそうだ。いや、実際のところ走りすぎで嗚咽が漏れているが。いやぁ、それにしても死の間際って怖くないんだな。さっきは殺されるのが怖くて、死にたくなくて、あの場所を離れたのに。今までの人生を鑑みてみて、自分の命は周りの誰よりも不要だとわかってしまった。
ほら。もう頭の後ろまで手が伸びているのに、実感がわかない。僕も布切れになってしまうのだろうか。もし精神の強さが布の大きさに反映されるなら、今の僕は跡形も残らないのだろう。それはそれで面白いかな。一世一代の自虐ネタも終わったところで、ここで人生からお暇することとしようかな。
目を閉じる。
足が止まる。
思考が止まる。
心臓が強張り、止まった感覚。いや、躍動しすぎて動きを感じられないのかもしれない。
疲れた。
転ぶ。
そして、
最初インパクト足りないなって思って挿入した途中のお話。
読んでも読まなくてもこの物語は楽しめます。