忍び寄る悪意
バトル成分多めです
僕の前には今レミリアという吸血鬼がいる。見た目に反して恐ろしいまでの強さを感じさせる…ただし見た目がなぁ。何故か可愛らしい少女…いやもはや幼女か…なのだ。これなどうしても雰囲気に欠けるなぁ
内心ボロカスに思っていると
「…本当にあなたなの?」
突然聞いてきた。
「ええーと…何がですか?」
隣の咲夜さんが怖いからとりあえず敬語
「あなたなのよねぇ?あの時博麗神社の方向から感じた力を出してた人間。…確かに少し似たような感じはしなくもないけど、力が弱すぎてよくわからないわ。」
そんなこと言われてもなぁ。
そこで咲夜さんが
「お嬢様、私もそう思いましたが霊夢達がそう言っているので間違い無いかと。」
「うーんそうねぇ、今のままじゃ判断がつかないから…咲夜、あなた戦ってみてくれる?」
いや…いやいやいや、無理だから!絶対勝てないって!善戦どころか抵抗もできんわ!
僕はそう抗議しようと思ったが…
「わかりました。」
と、咲夜さんが先に言う。
「え!?ちょっと勝手に…」
そう言う僕に耳打ちする昨夜さん。
「大丈夫、あなたが抵抗できないほど弱いとわかればお嬢様の興味もなくなるわ。」
そんなこと言われても…霊夢たちを見ても頷かれるだけだった。ちっくしょうやるしかないのか。
「…わかりました、極力頑張ります。」
もうなるようになってしまえ!やけくそ気味に立ち上がる。
「ここでよろしいですか?お嬢様。」
「ええ、でもちょっと待って。パチェ!」
パチェと呼ばれた紫の髪に紫の服を着た女の人が前に出て紫の光でよくわからない模様を描く。
え、ちょなに?
次の瞬間キンっと金属を打ちつけたような音がして僕と咲夜さんを囲うように半透明の壁ができていた。
なにこれ!?
「ちょっとなんですかこれ!?」
「お嬢様これは?」
「念のためよ、もし前回感じた力を出した場合その結界が作動して、自動的に攻撃するようになっているわ、もちろん咲夜には当たらないようになってるから安心して。」
「それなら良かったです。」
いやちっともよくねぇよ
「扱いがおかしいよ……」
僕の呟きを無視するレミリア
「それじゃあ弾幕勝負で、落ちた方が…」
まてこら
「僕その弾幕っていうの出せないから!」
「出せないの!?」
心底驚いた風にいうレミリア。出ませんよ悪かったな。
「なのでお嬢様、普通の肉弾戦にした方がよろしいかと」
「そうね、じゃあそうしましょう。勝敗は…そうね、どちらか根を上げた方が負けで。もちろん何もしてないのに負けたふりとかはなしね?」
釘を刺された。本当は僕が弱いって知ってるんじゃねぇなこの人。
「はぁ……ボコボコにされるのが確定の喧嘩とか萎えるわ…」
「それじゃあ始めましょうか。?どうしたの?」
僕は咲夜さんが構える寸前に何か体に刺さるような視線を感じ、そっちの方向を向く。そこには
「何楽しそーなことやってるの?」
赤い服に金髪の小さい女の子が、ぬいぐるみを持っていつの間にか結界のすぐそばまで来ていた。
「フラン?どうしたの?遊びたいの?」
「うん、私お姉さまに言われた通り遊びに来たの」
お姉様?ってことはレミリアの妹?全く似てないな。そして妙だな、レミリアがあれ?みたいな顔をしてる。それにこの妙な感覚はなんだろう。すごい嫌な予感をする。
「私?私は何も…」
フランと呼ばれた少女はこっちを向きながら答える。その瞳は焦点があっていないように、生気が感じられず死んだ魚のような目をしているのにもかかわらず、歪な笑みを浮かべている。
そしてフランはレミリアの言葉を遮るように言う。
「新しいおもちゃが来るからそれで存分に遊びなさいって…ね!」
瞬間、ぬいぐるみの頭部が弾け飛び、結界にヒビが入る。
突然のことに驚き、その場からただ茫然と僕は見ていた。
「フラン!?私はそんなこと言ってないわよ!」
フランはレミリアの言うことに耳を貸さずに結界を破壊する。その時咲夜さんが僕を庇うように立つ。
「妹様…」
「なーに?咲夜も遊んでほしいの?でも咲夜は頑丈だから後回しね?先にこの壊れやすそうなおもちゃで遊ぶから!」
無邪気な声で意味のわからないことを言う。明らかに様子がおかしい。
その瞬間フランが飛びかかってきたが、咲夜がそのまま僕のことを押し倒して、なんとかかわす。
「妹様!落ち着いてください!何をしているのですか!?」
フランは笑いながらこっちを見るだけだったが、すぐにその顔が違う方へ向く。そう、光で出来た槍を持つレミリアがいる方を。
「お姉様も、遊んでくれるの?でも待ってね?すぐに終わらせるからね?」
そう言ってすぐにこっちに向き直るフラン
「咲夜、フランを抑えなさい!」
「承知しました!」
咲夜が一瞬で間合いを詰めてフランのすぐそばまで移動してナイフを投げる。
「あは!」
フランはほぼゼロ距離のナイフを手で払うとすかさず弾幕を撃つ。しかし咲夜さんではなく僕に。
「しまった!」
「え?」
僕は反応できずにその場に座り込んでいた。明らかに僕が視認できるような速度ではないのだが、はっきりと僕は捉えていた。避けようとするが、体の動きも遅い。確実に避けきれずに当たるだろう。僕は他人事のように分析する。これ、当たったら死ぬのかな…そう思っていると、今までの光景が次々と浮かび懐かしい情景などが脳裏をよぎる。そしてその間にも光弾は迫り、もう視界そのものを覆い尽くしていた。もうダメだなと思った矢先
「翔さん!」
と、僕を呼ぶ声が聞こえたと同時に横から何かに飛ばされるような感じがして、すぐに轟音と爆風で視覚と聴覚が遮られる。
「ぐっ!ゲホゲホ!」
「僕は舞い上がった瓦礫の粒子を吸ってしまいむせて、それと同時に感覚が戻ってきた。そうすると左の横腹に何かが抱きついてるような感じがする。そして煙が晴れると、霊夢が僕にしがみついていた。どうやら霊夢が助けてくれたようだった。
「うう…ぐっ」
何かを堪えるようなうめき声をあげる霊夢。
「霊夢!?大丈…!?な…それ…うそ……」
心配で声をかけようとした僕の視界に入ったのは、霊夢の両足の膝から下がなくなっている光景だった。
「うっ…そだろ…。霊夢!霊夢!?」
僕は必死に呼びかけるが、返ってくるのは堪えるようなうめき声だった。意識は既に朦朧としているようだった。それもそうだろう、さっきから傷から血が止めどなく流れているのだから、このままでは失血死の可能性もある。
「死なないでくれよ霊夢頼むから!」
僕はそう言いながら、自らの着物の一部を割いてそれで、霊夢の足を縛ってなんとか血を止める。
なんで………なんで霊夢がこんな…僕が…僕を庇ったせいで…
そう思っていると
「……翔……さん?」
霊夢の意識が、戻ったようだった。
「霊夢!?霊夢!ごめん!……僕のせいで…足が…」
最初に出てきた一言は、それだった。
「…いいのよ…翔さんが……ぐっ!無事で…よかった…」
霊夢は痛みに耐えかねたのか、気絶する。
「霊夢!」
向こうから魔理沙たちが来る。そして上の方から轟音が聞こえる。
「れ、霊夢!?嘘だろ!?」
魔理沙が霊夢を見ていう。
「うそ……霊夢!」
華扇さんも気がつくなら駆け寄ってくる。
そして、手当てをしながらパチェと呼ばれていた少女に聞いていた。
「そこの魔法使いの人!あの吸血鬼は!?」
「今レミィがあしどめしているわ!」
そう…と答えて僕の方を向く。
「翔も無事でよかったわ…翔?」
華扇が僕の様子がおかしいことに気付く。
どうして霊夢がこんな目に?どうしてだよ…なにもしてないだろ?僕のわがままについてきてくれただけだろ?なのに……僕のせい?僕がここにくるなんて言わなければ…いや違う。それもあるが一番の原因は…
瞬間上から轟音と共に凄まじい衝撃が発生し、あたりの土埃を吹き飛ばす。上空で戦っているフランとレミリアがいた。二人とも光の剣とやりのようなものをぶつけあっている。
僕はそれを見た時、あの時のように視界が赤に染まる。
「翔?どうしたの?」
明らかに普通の状態じゃない彼を見て嫌な予感が込み上げる。まさかまたあの状態に!?
「待ちなさい!一度抑えて…」
言葉の途中で、彼を中心に竜巻が発生する。まるで周りのものを集めるように。
上空から疑問の声が上がる
「私のグングニルが消えた?」
「レーヴァテインが…」
どう言うこと?なぜ彼女達のスペルが消えたの?いや…確か彼の能力は周囲の力を使うものだった…ということは!
バッと彼を見ると、同時に咆哮と衝撃波が放たれる。
「ぐっ!」
私はタタラを踏んだが、なんとか堪えた。
衝撃がなくなると、防御姿勢を解いて前を見る。そこに、前のような黒いオーラを纏った彼がいた。以前のような不気味な、まるで悪魔のような形ではない。しかし今回は手が獣の爪のような形になっていた。
「なに…今回は少し違う…?はっ!霊夢!」
前回との違いに戸惑っていたが、霊夢を庇えていなかったことを思い出す。
「霊夢!?どこ!?…!?なんであそこに!?」
なぜが霊夢は衝撃波が発生する前と位置が変わっていなかった。
しかしそんな事を考える余裕はなかった。
「ふっ!」
私は全力で飛びつき、霊夢を捕まえるとそのまま先程の魔法使いや魔理沙が吹き飛んだ位置まで後退する。
「魔理沙!無事!?」
すると足元からいてて、といつもの声が聞こえて安心する。
「なんとか無事だぜ…しかし、またあの状態になるとは…少し不味くないか?」
魔理沙は結界を張った魔法使いを抱き起こしながら言う。
「いいえ、少しではないわ。だいぶまずいわね」
私は皮肉を言いながら彼を見る。
「彼はそんなにやばいのかしら?」
「ええ、普段は空すら飛べないのに、あの状態になるとまるで羽毛か何かのように私たちを蹴散らすレベルよ。」
そこまで…と呟くが、今回は運がいいのかもしれない。前回は危害を加えた霊夢に怒りが限界値になりああなったかもしれないと話を聞いていた。今回は明らかに、霊夢に重傷を、負わせたフランドールに対して敵意を向けている。ある意味では味方というわけだ。ただ、その後どうなるかはわからない。倒した後目的を失い元に戻るのか、もしくは暴れ回るのか。もし暴れ回るのなら万事休すだ。
「ねぇ、今彼に意識というか理性は残っているの?」
「残っているように見える?」
「いいえでも、気がかりなことが…!」
上空で突然レミリアと戦っていたフランが翔に襲いかかる。その手にはもう一度作り出したであろうレーヴァテインが握られている。
「あはははあなた面白い…ね!」
フランは勢いをそのままに彼に振り下ろす。その寸前に彼は右手を振り切る。すると、レーヴァテインが五つに分断された。
「すごーい!じゃあこれは?キュッとして…」
フランが心底楽しそうに笑い
「ドカーン!!!」
瞬間彼の腕が吹き飛び血が噴き出す。同時に響く悲鳴のような咆哮。
「きゃははは!すごーいまだ形保ってるんだ!まだまだ遊べるわっ!もう〜。」
フランの目に返り血がはいる。フランが目を開けるとそこには…
「……え?」
フランは目を丸くする。それはそうだろう。だってたった今飛んだ腕が既に再生しているのだから。
「うそ!も、もう一度!きゅっとして…きゃあ!」
それをいう前に彼の足元が爆発して彼とフランが消えたと思ったら、右の壁に叩きつけられたフランに向けて手をかざす彼がいた。
「待って!!」
レミリアが叫ぶが…彼は手を振り下ろす。
「くっ…!!」
さっきまでの笑いはなくなっており、彼女は腕を重ねて防御の姿勢を取るそして、ひゅっと振り、爪がフランの腕に僅かに食い込む。
「くうううう!」
少しずつではあるが確実に深く食い込んでいく爪にフランは歯を食いしばる。そして彼が咆哮をした瞬間
。爪が貫通した。
「あっっっぐぅぅぅぅぅ!!!こ、この!」
「フラン逃げて!神槍!スピアザグン…あ」
痛みに耐えかねたフランが、貫かれた腕を前に出して、彼を吹き飛ばそうとした時。彼は腕をもう一度突き出すような動作をして、そのままフランの腕が千切れ落ち、腹を貫通した。
「あっぐううぅお腹がぁぁ手がぁぁあいだいよぉぉぐばっおえ。」
血を吐き出すフランそれを見てレミリアが
「フラン!!!貴様ぁぁぁ!!」
グングニルを構え怒声を上げて彼に向かう。
「だ、だめ!やめて!」
と、声を出すが
「シネェェェ!!」
レミリアがグングニルを突き出す。しかし彼は
「グングニルを…掴んだ?」
レミリアが呆気に取られる。だが次の瞬間グングニルが消えて、レミリア本体が彼にぶつかる。
「翔やめて!」
私の静止の声など気にも留めず、そのまま残っていた手でレミリアを貫こうとするが
「あぐ…き、禁忌!フォーオブアカインド!」
「フラン!?」
スペルで生み出された3体のうち1体の分身体のフランが、レミリアの盾となり消えて、残り2人がレーヴァテインを持ち攻撃しようとするが、触れた瞬間消える。そして
「があああああぁぁぁぁ!!!!」
とてつもないほどの大きな怒号と同時に発生した衝撃波で消えて、レミリアも吹き飛ばされ、咲夜に抱きとめられる。
「ぐは………あ」
そしてフランの本体はその衝撃刺さっていた手が抜けて、より壁に深く食い込んでそのまま落ちそうになるが、これも咲夜が受け止めて走り出す。
「離しなさい咲夜!あいつを殺すんだから!離せ!」
「離しません!このまま行っても死ぬだけです!あなたはここで死ぬべき人じゃない!」
「どっちにしたってこのままじゃ追いつかれるわ!私が足止めを…」
「それについては心配いりません!私の能力で歪んだ空間に閉じ込めています、少しの間くらいは持つでしょう。」
「くっ………」
レミリアも行くだけむだとわかっているのか、耐えるようにはを食いしばる。
そして時を止めたのか一瞬でこっちに着き、波乱を寝かす。フランの怪我はもはや常人ならば死んでいてもおかしくない怪我だった。
「フラン!死んじゃダメ!死なないでよ!フラン!」
「レミィ落ち着いて、今巫女の応急処置が終わったからフランの手当てをする。大丈夫よ、フランも吸血鬼だもの、こんなんじゃ死なないわ。」
魔法使いがレミリアを諭す。
「………華扇」
霊夢が目を覚ます。
「霊夢!?大丈夫!?」
「ええ…ねぇこれどういう状況?」
私は現在の状況を伝えた。
霊夢はそれを聞くと能力を使い、飛ぼうとするが失血による貧血ですぐに落ちる。
「ちょっと!何してるのよ!あなた足がなくなってるのよ!?」
「わかってるわよ!そんなの!でも、翔さんを止められるのは私しかいないんだから!行くしか、ぐっ…ないでしょ!?」
「何してんだ霊夢!お前は怪我人なんだから寝とけ!」
魔理沙が言う。
「ちょうどいいわ。魔理沙、私に考えがあるの。だから私を翔さんのところまでつれてってくれない?」
「お前何言ったんだよ!そんなふらふらで大怪我もしてるのに何するんだよ!」
「お願いよ!私は…助けてもらってばかりじゃ嫌なのよ!彼があんな姿になったのだって私のせいなんでしょ!?だったら私が止めないと!!」
「気持ちはわかるけど、今は大人しく…」
「………勝算はあるのか?」
魔理沙が信じられないことを言う。
「魔理沙!?あなたまさか連れて行く気じゃ…」
「華扇…こいつがこんなに真剣になってるんだ、こんな状態になっても他人の事を心配してるんだ。本気で。なら私たちが止めても無駄だぜ。こいつは1人でもいく、絶対。それならお目付役が必要だろ?」
あーもう!
「わかったわよ、もう何も言わないわ…でも霊夢も魔理沙も無理だけはやめてよ。絶対生きて帰ってきて。」
「わかったわよ。」「ああわかってるぜ!」
そして霊夢は魔理沙の箒に乗る。
「絶対私から離れるなよ!」
「ええ」
そして箒が浮き彼の方まで飛ぶ。
「それで作戦は?」
「え、ええ、魔理沙は彼の能力わかる?」
「いや、開幕見当もつかないぜ。」
「これは…あくまで、よそうだけど…彼は自分の中の力だけじゃなく、自分の周りにある力を使っているのよ。だから今回は…おそらくほとんどが、あの吸血鬼姉妹のもの…なら、そのほとんどは妖力のはず…だから、私の…巫女としての力で浄化できれば…あるいは…」
「なるほど、それでさらに今は空間に閉じ込められているからうってつけの状況だったことか…」
「そう言うことよ」
作戦を伝えてる間にも彼は空間を破ろうとしていた。
「それじゃあ行くわよ…」
私は札をかざし祝詞を唱える。しかしメキメキ音を立てて空間がどんどん歪んでいく。急がなきゃ、このままじゃ…
「霊夢!急ぎなさい!あまり持たないわ!」
咲夜が近くまで来た。だが、あまりの貧血に唱えてる途中で意識が飛ぶ。
「………あ」
「「霊夢!!!」」
もう……だめ……
瞬間ものすごい音がして、何かに抱き抱えられた気がして、そこで意識を手放してしまった。
まるで夢を見ているような感覚だった。視界が赤く濁り、僕の周りを土埃がまるで竜巻のように覆っている。そして、土埃がはれると周りには見知った顔が、皆一様に驚いて。そこで僕の体は僕の意思を無視して吠える。すると僕を中心に地面に亀裂が走る。しかし、そこで視界の端に霊夢を捕らえた。意志の力を総動員して、なんとか霊夢の周りに結界を張るようにイメージすると、結界が展開されて彼女を守る。
彼女が無事だったのを確認して、そのまま体の制御を手放す。だが、その瞬間あの赤い服の少女が上から、剣のような炎の塊を持ってこっちに向かってくる。その瞬間、僕の意思は弾けそうなほどの怒りを覚えるが、それを知覚する前に体が動く。彼女が振るおうとした剣を右手で破壊する。だが、彼女は怯むこともなく
「すごーい!!じゃぁこれは?キュッとして…」
彼女の力が高まるのを感じるが、僕の体は動かない。
「ドカーン!!」
ボンッ!!!と僕の腕が吹き飛んだ。だが、不思議と痛みを感じなかった。最初は噴水のように血を吹き出していたが、一瞬にして血が止まり腕が再生する。
彼女があっけに取られているようだが、僕の体はそれを気にせず彼女を吹き飛ばし、そのまま壁に叩きつけて、手で彼女を攻撃しようとする。しかし途中で彼女から妨害を受けていたが、防いでいた手をそのまま貫通して千切り、そのまま腹に刺す。すると後ろから声が聞こえてきた、すると僕の体はそのまま使っていない左手を抜き手の形にして声の主を刺そうとするが、槍らしきものを持っていたのでそれを掴む。するとその槍が消え、本人がぶつかりに来る。そしてそのままもう一度貫こうとするが、赤い服の女の子の分身のようなものがその前に出てきて、代わりに貫かれ、消滅する。そして同時に僕は怒号により、衝撃波を発して声の主、レミリアと貫いたままだった赤い服の女の子をそれぞれ吹き飛ばし、壁にさらにめり込ませる。だが、赤い服の女の子もレミリアも咲夜さんが一瞬にして回収したようだ。僕の体はそれを追おうとするが、見えない壁に阻まれる。
僕の体がなんとか破壊しようとしているが簡単には壊れていない。しかし、壊している最中突然霊夢が魔理沙の箒に跨ったまま壁の近くまでくる。僕が霊夢が生きていた安堵を感じると、より強い力を噴き出して空間に亀裂を入れ、それがどんどん大きくなってく。
だがその時、霊夢が箒から落ちた。その時僕も、僕の体も全力で叫び、空間を破壊して、そのまま意志の力で、体の制御をとりなんとか、霊夢を捕まえて霊夢を抱き抱える。そして僕の体は、やり方を知っているかのように力を流し始めた。すると、霊夢の足の切断面から光が溢れ始めて、血を止めてある紐と傷口を塞いでいた布が弾け飛び、そして、両足が生えてくる。ものの数秒で再生する。力を流し終えたと思ったらとてつもない疲労感を感じて、僕はその場で意識を失った。
次も頑張ります