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#07 結婚をした日から諦めてました
結婚がどうしてもしたかった。
だから、あまりよく知らない男性のプロポーズを受けてしまった。
もちろん印象が悪かったわけではない。
悪い人という印象はなく、イマドキの青年といった感じの男性だった。
でも好きなタイプではなく、幸福に量を求めることはしなかった。
幸福になることはもう、半ば諦めていた。
あらゆる占いに行った結果、今年しか結婚のチャンスはないと言われた。
そしてその運命は、今後一切変わることはないと言われた。
もし断ったなら、不幸になるような予感がした。
だから、思い切って結婚を決めた。
少しチャラい人だったけど、一緒に暮らしてみると、とても家庭的だった。
私の苦手な家事は、教えてくれながら全部一緒にやってくれた。
夫が苦手な計画やリードは、私が全て請け負った。
出会う前、ずっと悲しくて流していた涙は、嬉し涙へと変わっていった。
結婚前に、結婚や子育ての苦しさは、友達に色々と聞いていた。
でも、その話とは真逆で、そこには楽しさしかなかった。
諦めていたあの日の私を、とても恥ずかしく思った。