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#18 結構死体から溢れ出ていました
最初から、幸せではありませんでした。
結婚は、苦痛だけでした。
夢の中では、ずっと悪夢を見ていました。
そもそも恋愛結婚ではなく、親同士が決めた結婚。
夫の一目惚れから始まった、交際ゼロ日の結婚でした。
そんなの、うまく行くわけがありません。
自分勝手で、家では何もしないのに求めてくる。
もう、我慢は限界でした。
なので、私は夫を殺めることを決めました。
ソファでくつろいでいた夫の腹を、普通に刺しました。
赤いものが流れてきました。
それ以上に、やさしい笑顔と愛が、ずっと溢れ出ていました。
やさしい笑顔と愛が、ずっとずっとずっとずっと、溢れ出ていました。
良いものも、良くないものも、結構、死体から溢れ出ていました。
でも、良いものの方が、あきらかに多いように感じました。




