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#11 結婚をした日から煌めいてました
ずっとボヤけたような視界だ。
この世に生を受けてから今まで。
この人生に眩しさなんて感じたことはない。
裸電球ひとつの部屋に、ずっといるみたいだ。
ひとりは、嫌いではない。
むしろ、そんな自分に覚悟を決めていたのかもしれない。
何があっても明るくなんてなれない。
暗さはもう一生拭えないと思っていた。
ある日、告白されて付き合うことになった。
その時も暗くて、どんよりしていた。
いつ別れても、おかしくないと思っていたから。
不安が薄いグレーの幕として、目の前を覆っていた。
常にあなたと不安の両方と手を繋いでいる状態が続いた。
あなたは私に、怒ることがなかった。
ずっと、優しい笑顔でいてくれた。
私の低すぎるテンションや気持ちに、嫌な顔をせず、いつも寄り添ってくれた。
そして、プロポーズをされた。
それでも、そこまで視界は晴れなかった。
まだ、書類上は赤の他人だから。
二人で婚姻届に記入をして、出しに行った。
気が付けば視界全体に、煌めいた世界が広がっていた。




