中途半端と幸せ
どうも、新米小説家です、基本的に読み専なんですけれど、なんとなく書いて見ました、可笑しな展開ですのでお気をつけを、それでも読んで頂ければ幸いです
ジュッという音共に背に受ける熱、そして痛み
どうやら煙草を押し付けられたらしい、
もう、何度もやられた事だ。
身体中に火傷の痕や痣が散らばっている。
家族は、一人、父親のみだ、産まれた時から、
どうやら、母親には逃げられたらしい、
腹いせか、僕に不満がある時この人は決まって僕に暴力を振るう理由に僕が関係なくてもイラついたからという理由で。
僕は転生というのもをしたらしい、無意識に道路に飛び出し最後に見たのは道路の先に居た人間の唖然とした表情だった。
僕の前世は一言で言えば中途半端。
何にしても中途半端、努力して勉強しようが苦労して運動しようが、何もせずに過ごそうが、授業でしかしない多少の運動をしようが、上の中途半端か下の中途半端になるだけだ。
僕は恵まれた方だろう、兄弟は居たが、僕程甘くして居ないと何度も親に言われた記憶がある、それでも、段々と僕は何もしなくなった、中学三年で不登校に至り、高校は通信を受けて、一様合格し、適当にバイトしながら学校行って、そんな毎日を二年と半年過ごし、気付くと赤信号の中、青信号を渡る様に歩いて居た、兆候は一様あった、ふと気付くと赤信号なのにそのまま横断歩道を渡ろうとして居たり、それでも、赤信号と理解すると止まって居たのに、あの時はもう遅かった、でも中途半端な人生だ気にすることもなかった
虐待なんてないし、イジメなんて見た事すらなかったけれど、人間が怖く嫌になったから、彼氏彼女と騒いでる人達の気持ちが理解できなかった、理解力が乏しく相手の気持ちを察する事が酷く苦手だった、だからかも知れない、SNSというやつで人と関わったりもして見たが余り変わらなかったな、でも、自分が如何に中途半端なのかは、嫌という程理解出来た、落ちられるのなら何処までも落ちたと思う程に理解もなにも中途半端な僕には少し難しかったのかも知れないし、勇気も度胸も努力も中途半端な僕には自分の力で落ちるというのは高過ぎる難易度だった。
だから、今こうやって背中に煙草を押し付けられ、罵詈雑言を浴びながらうつ伏せになり体重60キロは少なくてもある父親に馬乗りになられているというのは、ある意味僕が望んだ事だ、これは感謝すべき点であると言える、幾度も聞いた、死ねやお前さえ居なければという言葉、幾度も折ってきたこの身体、何度涙を流したか分からない瞳、いつも通りだ、
これでよかった、あんな中途半端に恐ろしい生活より、僕にとっては、此方の方が幾何万もマシなのだ。
父親からのDVという奴が終わり、今日は寝る
今日はいつもよりマシだ、夜だった事もあるのだろう、仕事がある為夜は比較的早く寝る父親だ、休みの日は買い物をさせられたり、殴られたり蹴られたりが一日続く、平日は僕は学校父親は仕事という理由で夜にしか顔を合わせない父親は朝早く出る僕はそこまで急がないので父親が出た後に起きる事が多い為だ。
朝御飯を一人で済まし、登校する、学校に近づくにつれ聞こえてくるのは子供の喋り声、それと、大量の視線、未だ小学二年と低学年だが、何処に目をつけたのか上級生から同学年の生徒まで僕をイジメの対象にしているらしく、この間は花の水遣りで手を滑らしたと大量の水をぶっかけられた、かけられた事よりも5リットル近くの水を手を滑らしたという言い訳でかけられる事に思わず感心した、因みにそんなことを考えている事を違う風に思われたのか、そんな所に立ってるお前が悪いと言われた、思わず笑ってしまいそうになりその場を離れたが、人目につかない所に着いた瞬間に吹き出してしまった、はしたない、学校に着くと上履きの中に画鋲が入っているか、無くなっているかが通例だ、今日は画鋲が入っていた、適当に取り出して中を軽く確認した後、画鋲入れに戻す。
ある意味テンプレと言えるイジメを一通り受けた後に下校する、いつも通りだ、これも僕が望んだ事だ、奇意の視線、聞こえていないつもりの喋り声、こんな気分なのかと実感して感心する、これを耐え抜くには相当な精神力が必要だな、耐えられなくなるのも無理はないと、分かる、僕にはこんな苦痛なかった、如何に楽に生きていたのか分かる、普通過ぎた故に中途半端な結果に終わったのが僕だったのだ、それが今や立派な虐待被害者のいじめられっ子、完全なる弱者だ、これでいい、もう中途半端でない、例え痛みがなくなろうとも、僕はもう、中途半端な人生を生きなくていい、何処までも下で入れる、
落ち切れないのは案外辛いんだ、
下にいられないのは案外怖いんだ、
それでいいんだ、僕に恵みではなく苦痛を与えていればいい、
僕で快楽を得ればいい、僕がどんな理由でも必要となるのならそれでいいんだ。
中学二年になる、あれからもイジメは続いく
と思われたが、小学六年の時転校生が来た、その転校生がイジメをピシャリと否定すると驚く程簡単にイジメは消えた、転校初日から大人気だっただけはある、一日でスクールカースト一位に登る程のカリスマ性だ
無意味に貸したのは中学上がってから、学区が違う為中学はそのカリスマ君(仮称)と別れた、僕が行った所は他校の有名なイジメっ子がいたようで僕の痣を見て僕を標的にした、また始まると思うと少しワクワクした、どんな事をされるのだろうかと、別段僕は被虐嗜好は持ち合わせていない為痛いものは痛いし辛いものは辛いのだが、それでも、どんな手で、どんな暴論で僕を貶めるのか、それを考えると不思議とワクワクした、もっと下へと至れると考えると酷く嬉しかったのだろうか。
最初はカツアゲ、余り金持ちが良くないと分かると、暴力に移る、リンチにサンドバックは当たり前、どれだけ殴られても折れる事は愚か痣が少ししか出来ないことをつまらないと思い始めたのか、バットや角材を持ってくる事もある、君が悪いと言われるかと思ったが案外僕は有名な様で、昔から僕が痣だらけだった事を知っている為か気にした様子は余りなかった。
最近はパシリやらリンチやらは勿論、顔が気持ち悪いからという暴論で殴られたりするのが挨拶のようになり始めている、なんでもいいから理由が欲しいというのは前世の知識で理解しているが、やはり人間ってのは面白いな、それが本当に理由となっていると思っているのだから。
下校すると簡単に制服を綺麗にしてから風呂に入る、
特別貧乏という事はないので普通に風呂に入れる、シャワーを浴びると全身がズキズキと染みる、何度も感じた感覚だ、痛みのない日はなかった、改めて顔を鏡で覗くと、前世の醜い容姿からは想像もつかない、整った顔立ちだ、よく考えたら、僕って今世の顔をまともに見た事なかったな、よくもまぁこんないい顔立ちで生まれた事が、キリッとした美しい顔立ちをしている、きっとこの綺麗な顔立ちを好き勝手に出来るという優越感も少し入っているだろうな、こんな顔ですら負け組なのかと、思った人間はいるだろうな、
それでも僕は、心配されれば大丈夫と笑顔を向け
何事も無いように笑顔で他人と接する
元気に健気に笑顔を浮かべ、
苦痛を顔に出さず
幸せそうな笑顔で
純粋な言葉で
前世では全然持っていなかった、痛みと嘘の匂いを嗅ぎ分ける鼻と嘘をつく才と口
僕が前世生きたかった生き方を全力で生きる
今が好きだ
この不幸に塗れた人生が
誰かに縋ねばならない様な人生が
誰にも縋らない
縋る相手もいない人生が
誰にも何も求められない
誰からも与えられない人生が
誰に否定されても
僕はこの世に再度生まれてよかったと思える
今、目の前で好意を向けられてさえいなければ、
要らない、僕に与える人間は
僕に気持ちを向ける人間は
負ではなく正を向ける人間は
恋人なんて要らない
僕は救われたいんじゃ無い
だから君は、"必要ない"
と言っても特別何かする訳ではない、
唯普通にごめんと言ってその場から立ち去るだけ、さっさと家へと変えると風呂を済ませ、夕食を済ませると、自室で寝る。
父親は最近ある女の人に入れ込んでいるのか、家を空けることが多い。
どうしてだろうか、何故あの女生徒は僕に告白だなんて、あれに嘘の匂いは感じなかった、だからイジメの線は薄い、そして何より、あのキラキラとした瞳と少し不安気な雰囲気純粋な言葉と真っ直ぐな目線は、は例え演技でも演技一筋でやっていないと出せるようなものではなかった、イジメなら多少嘲りや下に見た何かが目線や雰囲気に纏わりつく、
人間は本当にわからない、自分が何故人間に生まれたのか酷く分からないが、今日は、もう…ね、よう…
高校三年夏、あれから毎年告白してくる女生徒、どうやら彼女がイジメを排除してしまったらしい、最初の告白の後から知ったが、家が大金持ちで大分権力者らしい、彼女が段々と狂気を体に帯び始めたと思ったら、イジメがなくなっていた、まぁもう充分だ、父親は相変わらず暴力を振るうしな、それに、幾らイジメがなくなったとしても、生徒や近所の人間が僕に向けてくる視線は変わらず、嘲りや哀れみの含んだ目線は向けられる、不愉快だがもう慣れた、そして、腫れ物のように扱われるのは酷く気分が良くないのだと、初めて理解出来た。
そして、僕は殺されかけている、腕と腹を切られ、頭を殴られた、足も多分折れている、引きずりながら壁伝いに歩く、遊ばれているな、別にいい、このまま、このまま、僕がしたかった人生を死ぬまで続ける、
逃げる振りをして、僕は死ぬその瞬間まで、この楽しい時間を過ごす、価値観は狂っているのだろうか、それでもいい、中途半端じゃなかった事が大事なんだ、僕にとっては。
後ろから狂気の乗った声と、殺意の目線、そして、腹に伝わる、熱、刺されたようだ、異物感がする、すごく熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いそして寒い、意識が遠のく、眼に映るのは一人の少女、笑っている、ハイライトのない目で影のある顔で頬を赤らめ、恍惚とした表情で僕を眺めている、良かった、例え不幸しかない人生でも、それが中途半端でなかったのなら、それが僕にとって、一番の幸せだ。
まずここまでお読み頂き誠にありがとうございます。
どうだったでしょうか、ツッコミどころ満載な話だったでしょう、突発的に書きたくなって書いてみた小説です、それに書き手にしては僕は知識が足りてないので、こんな小説に仕上がる次第です、情けない限りですね。
良ければ感想を、駄目出しでもなんでも歓迎です、そして、最後に本当にここまで読んでいただきありがとうございます、大変嬉しく思います。
それでは、失礼致します、ありがとうございました。