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4話





新たに大きな発見をした冬休みも終わり、始業式の日。



俺は結局、神端末を持て余していた。図書館に行って10万冊の本を記憶した日から神端末を使っていないのだ。これはべつに意図して使わなかった訳では無く、使い所が無かったのだ。


適当に投げたりして遊んでいたところ、別に持っていなくても操作できる事がわかった。

要は手を使わずに端末は自由自在に浮かせられるし、端末内の操作もできた。がそれだけだ。入手し効果を知った当初は激しく興奮したが、案外そうでもないのかも知れない。


まぁ、入試の勉強をしなくて済むだけでもかなりの儲けものだが。



学校の教室でクラスメイトがおひさ〜とかあけおめ、ことよろ〜している中、俺はかなり動揺していた。何に動揺しているかって?見えちまったんだよ。


他人の能力が。



・名前:火神 健太

・年齢:15

・種族:人種

・能力:なし



・名前:茅野 舞

・年齢:15

・種族:人種

・能力:なし



俺は取り敢えず仲のいい奴と挨拶を交わしながらクラスメイト全員の能力を確認したが、何か能力を持っている人は1人もいなかった。


まさか他人の能力まで閲覧出来るとは思っていなかったが、能力ってのは手に入れにくい物なんだってのは分かった。そもそもなんで俺にこんな能力があるのかすら分かっちゃいない。先天的な物なのか、後天的な物なのか。

後天的だとしたら何が条件なのだろうか?分からない事は沢山ある。



「たっくん〜、さっきからなんでそんなにキョロキョロしとぉと〜?」


「んー、いや特に理由は無いんだが皆なんか久々だなと思ってさ」


「2週間ぶりだもんね〜、たっくんとケンちゃんは1週間ぶりやけどね〜」


「ハハ、そうだな、ちゃんと宿題終わったか?」


「んげっ。たっくん〜女の子には聞いていい事と悪い事があるばい〜」


「これはいいだろ」


「よっ!たっつん!カノン!俺は宿題終わってないぞ!」


「おー、早速遅刻カマして更に宿題してない事を高らかに宣言するとは、カナちゃん先生が赤鬼見たくなっとるばい」


カナちゃん先生は俺らの担任で小鳥遊タカナシ カナミ

名前で苗字にも名にもカナが入るから愛称としてカナちゃん先生と呼ばれている。


「おい、火神。テメェ中々舐めた真似してくれてんじゃねぇか、おい。」


「ぅわぁっ!びっくりした!カナちゃん先生いきなり声掛けられたらびっくりするばい!」


「問答無用。後で職員室集合な」


「いやだ!」


「黙れ!」


「はい!」


「来い。分かったな!これは命令だ!」


「サー!イェッサー!」


「着席!」


こんな感じでスイッチが入ると面白い先生である。言葉だけは威圧感あるが、容姿が幼く見え、身長も150無く、体型も小学生並なので、怒ってる姿にも愛らしさを感じるので全然怖くないのが玉に瑕だ。



その後、体育館での始業式もつつがなく進み、再度教室に戻ってからカナちゃん先生のHRが終わり今日はこれで下校となった。



「たっくん〜かーえろ〜」


「うん。おい、健太!カナちゃん先生とのデート楽しんでこいよ!」


「うるせぇよ!俺も早く帰りてぇばい!」


「ハハ、じゃまた明日な」


「ケンちゃん、またね〜」


「おう!またな!」


「おい!火神!いくぞ!」


「ほいほーい、カナちゃんおまたー」



健太が連行されるのを見送ってから舞と帰る。


舞は元旦の日のような雰囲気は一切見せず明るく振舞っていた。それが空元気なのは付き合いも長いのでわかる。わかるが敢えてそこには触れない。舞が頑張っているのだ。見守ってあげるのが親友の務めだろう。



「んじゃ、明日、部活行くけど舞も行くか?」


「ん〜、ウチ明日は用事あると〜」


「りょーかい、んじゃまた明日な」


「またね〜」



そのままたっくんの背中が見えなくなるまで舞は見送っていた。


「用事なんかないやん。ウチのバカ。」



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