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32話




月曜の朝にかなちゃん先生に連絡を入れてから、直ぐにダンジョン攻略に戻ってきた。


地下77階、78階、79階、80階。


・名前:なし

・年齢:1000

・種族:ファイアエレファント

・Level:3

・能力:威圧、剛力、火魔法


・名前:なし

・年齢:1000

・種族:ウィンドエレファント

・Level:3

・能力:威圧、剛力、風魔法


・名前:なし

・年齢:1000

・種族:サンダーエレファント

・Level:3

・能力:威圧、剛力、雷魔法



強さはどれも変わらない。クリアタイムは19時間、20時間、21時間、22時間。



地下80階のボスはこいつ。



・名前:なし

・年齢:1000

・種族:キングエレファント

・Level:3

・能力:高威圧、怪力



・高威圧:自身と同等以下Levelの存在を恐慌状態にする。眼を合わせる事で効果を発揮する。


・怪力:筋力に強力な強化補正がかかる。



高威圧は威圧の、怪力は剛力<豪力の強化版能力だな。キングベアとの戦いを思い出すような能力構成だ。今回はLevelが同じなので、あの時程苦労しないだろうけど。


門へと手を掛け、ゆっくりと開く門の先にキングエレファントの姿が見えてくる。


分かっていた事なんだが、デカイ。高さ20m近くある。マンション6、7階くらいの大きさだ。確かどっかの実物大ガンダムが18mあるとかクラスメイトのオタクが言ってたのを聞いた事がある。少しだけ[魔穿]で倒せるのか不安になる。



「まぁ、ダメだったら武器変えよう。よし、せーのっ!」



シュンッッ!ヴァンッ!!



《第6ダンジョン地下80階層ボスの初討伐を確認。初討伐報酬【投擲術】を獲得》



・キングエレファントの魔石



先ずは体制を崩す為に足を撃ったんだが、あれだけの巨体が物の見事にその一撃で消えた。代わりに濃い翠色の魔石、ソフトボール大の魔石が落ちている。


「やっぱ[魔穿]バケモンだな・・」


改めてとんでもない武器を作ったもんだと思う。しかも上位武器まである。使う事あるんだろうか??



・投擲術:物を投げるのが上手くなる。



そうですか。投げるの上手くなるんですか。だからなんでしょう??他の能力が便利過ぎてこの程度の能力で喜べなくなって来ている。


「あー、でもシュートの確率上がるのは嬉しいか」


バスケでこの能力が活かせるのならまぁまだ使えるだろう。高校入っても続ける予定だし、丁度いいかもな。ただ、身体能力が一般の人とはかけ離れているのでシュートが得意になるとか些細な事だが。



・名前:安藤 匠

・年齢:15

・種族:人種

・Level:3

・能力:強制閲覧、錬金術、テイムマスター、鑑定、投擲術




◇◇◇◇◇◇◇




地下80階ボス部屋で食事と水浴びをして、下へと降りる。



地下81階も外観は変わらず、また道幅は少し広くなった。



・名前:なし

・年齢:1000

・種族:ストーンマンモス

・Level:3

・能力:威圧、豪力、牙貫



・牙貫:牙による攻撃に貫通補正がかかる。



うーん。上の象達とあんま変わらない。特徴的なのは大きな双牙。アフリカゾウの様な曲線を描いた貧弱そうな牙ではない。最早ドリル。先端は明らかに殺傷性を秘めた鋭さをしている。


ただ、今の俺にとっては関係ない。大きな図体は狙い易い的で寧ろ都合が良いくらいだ。[魔穿]の攻撃力が魔物の防御力を下回らない限り、苦戦の苦の字も出てこないだろう。予想に違わず戦闘は戦闘とは言えないレベルで一方的で、この階は25時間でクリアした。



地下82階、83階、84階、85階。



・名前:なし

・年齢:1000

・種族:ブロンズマンモス

・Level:3

・能力:威圧、豪力、牙貫


・名前:なし

・年齢:1000

・種族:アイアンマンモス

・Level:3

・能力:威圧、豪力、牙貫


・名前:なし

・年齢:1000

・種族:シルバーマンモス

・Level:3

・能力:威圧、豪力、牙貫



姿形だけでなくパターンも上の象達と同じだ。厳密には違うのだが、ほぼ変わらないと言っても過言ではないだろう。


地下85階は総集編で、クリアタイムは27時間、29時間、31時間、33時間。


一階攻略するのに一日以上かかり始めている。階段には魔物が来ないので毎回階段で水浴びをしているが、脱いだり着たりするのが少々億劫になり始めている。

まぁダンジョン攻略中に水浴びが出来ている時点で贅沢な悩みである事は理解しているのだが、どうしても今よりも楽をしたくなる。ただ、人間程欲深い生物など存在しないのだから仕方のない事だろう。



地下86階、87階、88階、89階、90階。



・名前:なし

・年齢:1000

・種族:ウォーターマンモス

・Level:3

・能力:威圧、豪力、水魔法、牙貫


・名前:なし

・年齢:1000

・種族:ファイアマンモス

・Level:3

・能力:威圧、豪力、火魔法、牙貫


・名前:なし

・年齢:1000

・種族:ウィンドマンモス

・Level:3

・能力:威圧、豪力、風魔法、牙貫


・名前:なし

・年齢:1000

・種族:サンダーマンモス

・Level:3

・能力:威圧、豪力、雷魔法、牙貫



地下86〜90もやはり同じパターンだった。ただただ時間が掛かる。原因はマンモスのデカさとモンスタートレイン作戦がそのデカさ故にできない事だろう。せめて振り返って追いかけて来るくらいの事は出来てほしいものだ。


多少のストレスを感じながらも35時間、37時間、39時間、41時間、45時間でクリアした。


そして、地下90階ボス部屋。今回はこいつだ。



・名前:なし

・年齢:1000

・種族:キンググラビティマンモス

・Level:4

・能力:高威圧、怪力、牙貫、重力魔法



・重力魔法:自身を含めた一定の空間内の重力を自在に操る事が出来る。操作領域、重力操作量は存在のLevel依存。



威力はLevel依存である重力魔法。キンググラビティマンモスのLevel4だと自身を中心に半径2Kmまで操作可能で重力の加減は±100Gまで行えるらしい。単純に+100Gで重力は100倍。俺の体重は60kgだから重力魔法をフルパワーで使われると体重は6tにまで上昇する。


体重6tて動けるのか??その前に生きていられるだろうか??Levelが上がってるのである程度のGには耐えれるだろうが100Gは無理じゃないかな??使われたら即死も覚悟しておくべきだろう。


[魔穿]でやって耐えられでもしたら即死の可能性がある。ここは[撃魔貫穿]を使う。



門に手を掛け開けると見えて来るキンググラビティマンモスの姿。


「やっぱでけぇ。」


その高さ30m。キングエレファントの1.5倍の大きさがある。10mの差を目の当たりにするとこんなにも違いがある事に驚きを隠せないな。これは実際に見て見ないと分からない感覚だろう。


やっぱLevelが上の魔物を前にすると背中に嫌な悪寒が走る。敵が圧倒的な強者である事を体が理解しているのだろう。Levelの上昇に伴い感覚が鋭くなっているので否応にも理解させられてしまう。



「よし。ここ乗り越えれば後10階で攻略完了だ。頑張ろう」



ダンジョンの地面に窪みを作るかの様に足を擦り付ける。男ならやった事がある人もいるだろう。体育祭の100m走で砂の地面に踏み切り台を作る為、足をグリグリした事くらい。ただ、これは気分でダンジョンの地面に窪みは愚か傷も付かないのだが。



フッ。

シュンッッ!!ズヴァンッッ!!



《第6ダンジョン地下90階層ボスの初討伐を確認。初討伐報酬【欠損回復薬】を獲得》


《Level上昇》


・キンググラビティマンモスの魔石


・欠損回復薬



「よっし!」



ボス部屋に入って直ぐにマンモス目掛けて撃ったら一瞬で屠れてしまった。俺は戦闘狂でもないし、胸熱くなるような戦いなど全くもって魅力を感じない。楽であれば楽であるだけいい。それだけ命の危険性も下がる。


初討伐報酬は欠損回復薬で既に持ってるし、量産も可能なので正直残念だが何も貰えないよりはマシだろう。


キンググラビティマンモスの魔石は薄赤色の魔石だった。今の所、青→黄→翠→赤と来ている。色と大きさで魔石の価値が分かるのは有難い事だ。



「水浴びでもして進みますかね〜」



◇◇◇◇◇◇◇






2018年2月4日、午後13時。



私、中野 明美は警察署に来ていた。


別に何か悪い事をした訳ではない。広末 鈴香、すずの代わりにすずが発見したって言うダンジョンの報告に来ていたのだ。



「それは事実ですかね?」


「えぇ、知り合い偶々が登山に行った所で発見したそうで今は忙しいから私が代わりに伝えに来た次第です」


「そうですか、福岡県飯塚市の八木山竜王山でお間違えないと?」


「えぇ、その山頂にあるらしいわ」


「そうですか、では確認に向かわせましょう」


何よ。情報提供してやってるってのにその態度は。今時の警察は感謝を言葉や態度で表現出来ないの?それとも感謝なんてする必要無いとでも思ってるのかしら。



「ん?他に何か??」


「ふん。なんでもないです!」



あー、気分悪い。早くすずに会いたいわ。会って無垢な笑顔に癒されたいっ!!んはぁ!



「ハァハァ、いけない。私はマネージャーよ。やる事やらなきゃ。」



午後7時。



「お疲れ様、すず」


「中野さん〜、疲れたよぉ〜」


「昨日すっぽして病み上がりだからね。仕方ないよ。それでどうだった撮影は?」


「ァハハ〜何とかなったよ。。たぶん。。」


「今が一番大事な時期なんだからね!頑張ってよ、すず」


「ぅん。ありがとう」


ぐはっっ!!マジ天使っ!!


「じゃあまた、来週の水曜日に迎えに来るから、覚えといてね」



「はーい!中野さんばぃびん〜」


「お疲れ様」




お読みいただきありがとうございます。

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