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2話




「ただいま。って誰もいないけど」



舞との重い空気に耐えきれずありもしない洗濯物を理由に急いで帰って来た所だ。



舞と健太とはずっと一緒だったから舞がこれからも。と言いたい気持ちは分かる。けど、俺にその選択肢は無い。今頑張らなければ俺は住む場所すら守れなくなるのだから。



「はぁ、寝るか」


一つ溜め息をつき、2階の寝室へ行こうと思ったが、喉が渇いていたので一旦冷蔵庫から麦茶を飲む事にした。


ガシャッバシャッ!


「うわぁ、やらかしたばい」


気が抜けているのか麦茶を零してしまった。雑巾で零れた麦茶を拭いて再度コップへと麦茶を注ぎソファに腰掛けコップをテーブルに置く。



ブンッ



「ん?」



目の前に薄い板状のモノが現れた。



うーん。


とりあえず振り返って見たが全くもってこの非日常的な現象の原因が分からない。10分程悩んだ後でとりあえず触れてみると普通に触れる事が出来た。質量をまるで感じない。紙にでも触れているかのようで、紙のように折れたり曲がったりはしない。俺が触れる事ができると言う事はあくまでも物理的な物だと思ったんだが、テーブルに置く事は出来ず、スレスレで浮かんでいた。投げても壁にはぶつからず踏んでも床にはつかない。一体なんなんだろう?。


ここで一つ思いついた事があった。

この薄い板状のモノ、可視液晶型個人端末と言う名称であると言う事は、恐らく一種のステータス画面的なモノなんではないかと。


もし俺の予想が当たっていればゲームのメニューのように押せばもっと細かくいけるんじゃないかと。


名前、年齢、種族は見てもしょうがないので能力の強制閲覧を押してみる。


・能力:強制閲覧


・強制閲覧:ありとあらゆる情報を可視液晶型個人端末を通して記憶、閲覧する事ができる。



よし、いけた!が。なんか凄い事書いてあるな。ありとあらゆる情報を記憶、閲覧できるか。パッと使用用途が思いつかないがこの情報社会で、もしも、文字通りの事ができてしまうのであればとんでもないモノを見つけてしまったのかも知れないな。



早速実験してみよう。


まずはどうやって使うのかだが、端末を通して。と書いてあるので、言葉の通り先ずは、端末越しに社会の教科書を読んで見た所。びっくり仰天、230ページある社会の教科書の内容が一語一句違わずに思い出せるのだ。


今から受験も迎えようとしている俺にとってこれ程嬉しい物はない!何せ何回も書いて隠して暗記する必要が無いのだ!


更に、教科書を閉じた状態で端末越しに見て閲覧するように念じてから記憶すると教科書を開く事も無くその教科書の内容全てを記憶する事ができた。家にあった教科書や資料集等をたったの5分で全て記憶してしまえた。


本当にとんでもないモノを手に入れてしまったようだ。全国模試模試1位なんてのも簡単に出来てしまいそうだ。


興奮冷めやまぬままだが、家でこれ以上できる事は無さそうだったので今日は寝る事にした。

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