12話
一体なんだったんだ??スライムにショットガンをかました次の瞬間、無機質な声が聞こえてきた。
確か、魔物の初討伐がどうとか、レベルの解放とか言ってたが一体なんだっただろう??取り敢えず1つずつ解決して行こう。
スライムはどうなった??
・ゴールドショットガンの弾の衝撃により死亡。
スライムは倒せていたらしい。
さっき聞こえた声は?
・システムアナウンス。
恐らくは1000年前の《これよりアースにシステムを導入する》というのと同じやつだろう。だとすれば、
さっきのアナウンスは俺以外にも聞こえていたか??
・《アースでの魔物の初討伐を確認。これよりシステムの改変されます》この文言のみ地球上の全ての生物に伝わっている。
やっぱりか、タカツムリとかも分かってんのかな??んな事はどうでもいいか。
システム改変前と後の変更点は?
・魔物の生息がダンジョン外でも可能になった点。能力を持たない存在も一部のダンジョンを認識出来、入る事が可能になった点。一部能力の入手方法が追加された点。
この3点か。待てよ。もしかしたら俺はとんでもない事をやらかしたんじゃないだろうか??
俺が魔物を倒した事によって魔物がダンジョン外に蔓延る可能性があるって事か!?一般人が遭遇でもして見ろ。普通に殺されるだろう。ヤバいよ。世界的な新手のテロだろこれ。
どうする??警察に事情説明する??いや、信じて貰える訳がない。精神病院を紹介されて終わりだろう。
おっけい。一旦落ち着こう。先ずやっちまったもんは仕方ない!後悔先に立たず!前を向いて歩こう!取り敢えず残りの確認が先だ。確かレベルシステムの解放とか言っていた筈だ。俺の予想が正しければ、
・名前:安藤 匠
・年齢:15
・種族:人種
・Level:0
・能力:強制閲覧、錬金術、テイムマスター
やっぱりステータス的な表示にLevelの項目が増えてる。念の為に確認しておこう。
Levelって何?
・存在の魂の強さを数値化したもの。
要は良くあるゲームのレベルシステムと同じで魔物を倒すと経験値を得てLevelが上がり、Levelが上がると強くなるって事だろう。分かり易くていい。
まだ気になる事は山程あるが、今は取り敢えず気にしないで早速Level上げを始めよう。強くなれて魔物の数も減らせるなら一石二鳥だろう。
再びゴールドショットガンを構えて前に進んで行くと、先程スライムがいた辺りに何かが落ちていた。
・スライムの魔石
スライムの魔石・・・ですか。薄い青色の綺麗なビー玉だな。どこに需要があるのか分からないが取り敢えず拾ってリュックのサイドポケットにしまう。
スライムの魔石を拾ってから真っ直ぐ進む事5分。再びスライムを発見した!今回は前回のように慎重にはいかない。バッ!と近付いてズヴァンッ!作戦だ!
スライムまで100mの所で一旦止まり、地面を軽く蹴る。
シュンッ。ボンッ!!!
100mくらいの距離なら迅速の羽衣の効果で1秒程度しかかからない。正直ヌルゲーである。ぷよぷよしていた物は消え去り、スライムの魔石が残る。それを拾ってから進む。
その後30分程掛けて遭遇したスライムを駆除しながら進んで下へと繋がる階段に辿り着いた。途中で別れ道もかなりあったが、強制閲覧の能力でダンジョンの構図は把握出来ているので、迷わず進めるし迷わず帰れる。
スライムとの戦いも殆ど時間を掛けていないので、ペースは徒歩だが最短ルートで30分かかった事になる。想像以上に広い。しかもこのダンジョン地下100階まであり、下に行くに連れて階層は広くなり生息する魔物も強くなっていくのだ。
「次の階層からはペースあげて行こう」
次の階までの最短ルートは分かっているので取り敢えず魔物を発見するまでは走る事にしたのだが、余りにも移動速度が速いので次の魔物は直ぐに発見した。
・名前:なし
・年齢:1000
・種族:ストーンアント
・Level:0
・能力:なし
50㎝くらいある岩??遠目では完全に岩なんだが、種族名から予想するに蟻なんだろう。蟻にしてはデカイな・・・。俺昆虫は嫌いなんだよなぁ。まぁ岩と考えればいいだろう。
スライム同様、バッ!と行ってボンッ!作戦で行こう。
シュンッ。ボンッ!!!
今回も一撃で終了。
ストーンアントがいた所にはまたもや薄い青色の魔石が転がっていてスライムの魔石より少しだけ大きい。ほんの少しだけ。
・ストーンアントの魔石
この階層にはストーンアント以外の魔物はいない。仕留めるのは簡単なので見敵必殺(サーチ&デストロイ)作戦で行こう!
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