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9話




家のリビングでBBAを待っていると18時半に漸く来たみたいだ。


ピンポーン。


ガチャッ。


「じゃ、要件は移動しながら話すから車出して」


「相変わらずの態度だね〜、少しは年寄りを労わるって事を覚えたらどうだい?」


「いいから早く出せよ」


「はいはい、最近の若いもんはおっかないね〜」


このBBAベンツなんか乗ってるからな。そのベンツ売って俺に金返せよ。


「それで、アンタからわざわざ連絡寄越してまでやりたい要件はなにさね?」


「純金を売ってほしい」


「っは!?」


ブーーー!


「変な所で止めんなよ、事故るばい」


「ってアンタが元凶だろうが!それでどうゆうこったい?純金なんて何処で手に入れたのさ?」


金の匂いがすると目つきが変わる。こうゆう所は昔っから変わらんBBAだな。


「出処をばぁさんが知る必要はない。ただ今俺は純金を50g約25万相当持ってる。だが、俺では売れない。未成年だからな、そこでばぁさんの出番よ。印鑑ぐらい持ってきてるだろ?」


「ふ〜ん。いけ好かない小僧になったもんだね〜。昔は純粋で可愛いかったのにね〜。まぁいいよ、それでこの私を使うんだ。匠君は私が安くない事くらい知っているだろう?」


60間近のBBAが。気持ち悪い。


「そんなもん勿論無しだ。ばぁさん、俺の父さんと母さんが遺してくれた金で何やったか忘れた訳じゃないだろ?言っとくがやろうと思えば取り返せるからな」


取り返せるのは事実だ。ただ俺にもリスクがありリスクの割にはリターンが少ない。その辺りのマネージメントの結果、今はやっていないのだ。


「。。はぁ。本当、可愛いくなくなったね〜」




来たのは有名チェーンの質屋。少し行けば他にもあるんだが、まぁ恐らくは問題ないだろう。


「いらっしゃいませ」


開口一番に中学生が語るのもおかしいのでBBAに目配せする。


「ふん、物を売りに来たのよ、見て貰えるかしら」


「かしこまりました、ではこちらへどうぞ」


案内されたのは仕切られたカウンター。


「本日はご来店ありがとうございます。当店ではなんでも買取させて頂くのが売りでございまして、本日はどういった物をお持ちいただいたのでしょうか?」


「別に大したものじゃないわ、金よ。量は50gあるわ。幾らで買い取っていただけるのかしら?」


「お預かり致します。ほう、これは純金ではありませんか。しかもこの質。量もちょうど50gですね。そうですねこの質の金であればg辺りこのくらいでどうでしょう?」


店員が電卓を打ち込んでこちらに見せてくる。そこには5200とあった。強制閲覧で見た数字の中でも高い方だな。


「あら、思ってたよりもいいじゃない。それでいいわ」


うん、値段は問題ないだろう。


「ありがとうございます。ではこちらの書類に必要事項をお願いします」


「はい、どうぞ」


「ありがとうございます。こちら買取金額の26万円になります、お確認下さい」


「えぇ、大丈夫よ」


「はい、それではまたのお越しをお待ちしております」


BBAの不正を見張る為について来たが案外呆気なく終わったな。


「はいよ、これでいいかい?」


「あぁ、問題ない」


BBAから封筒を受け取る。


「そうかいそうかい、次は報酬も期待したいもんだね〜」


「もうねぇよ」


「ふ〜ん。どうも信じられないね〜。ちょっと前までピカピカの坊主だった奴がここまで変われるもんかね〜。アンタには何かあるって私の感が言ってるんだよ」


「あっそ。ばぁさんがそう思うならそう思ってればいい。俺には関係ない」


「ほんと、可愛いくないね〜」


その後BBAに家の前で降ろして貰い、別れた。


「正直もっとがめつく来るかと思ったが、今回はヤケにあっさり引いたな。侮れんBBAや、ほんとに。」


たが、現金で26万入手したのはかなりデカイ。今の所これと言って使い道は決めていないが、あって損する物ではないだろう。



そして時刻は19時。丸一日活動しっぱなしだが、全く眠気も疲労も感じない。改めて体力回復薬の凄さを感じる。次に何をするか悩んだ結果、強制閲覧で気になる事を片っ端から閲覧していく事にした。少し前に出た情報として、ダンジョンの事とか気になっていたし。麦茶を片手にソファで無言の作業を始めた。

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