プロローグ2
「ここはどこだよ……」
意識が戻った俺は自身の陥った状況を確認しようとした。しかし、分かったことと言えば、空には太陽らしきものが浮かんでおり、何故か全裸で森の中で倒れていたということだけだった。分からないことが多すぎる。意識を失う直前の違和感は何だ? ここはどこだ? 何故こんなところにいる?
途方にくれてその場所に座り込む。ひんやりとした感触が尻に伝わる。見上げると見たこともない鳥が空を横切った。
「寒い……」
そう呟いた時、後ろからガサガサと木の枝をかき分けるような音が響いた。
「ようやく、見つけたよ。サクライカズマサ」
ビクッとして振り返ると、そこには1人の女性が立っていた。年齢は俺より少し上だろうか、腰近くまで伸ばした銀色の髪と、青色の瞳が見る者にミステリアスな印象をもたらす。
「え……あなたは一体……」
いや、待て。この姿にはかすかに見覚えがある。確か……
「覚えていないか? 私の名前はクリスティーナ。お前には先代『転生神』と名乗った方が伝わるか」
あぁ、そうだ! 思い出した。俺の魂が『境界線』に行った時に1度会ったきりだったからすっかり忘れていた。
それで、なぜ彼女がここにいる? 見つけた、という口振りからすると、何かを知っているのは間違いないだろう。
そう俺が考え始めたとき、彼女が口を開いた。
「混乱しているところ悪いが、ひとつお前に提案がある」
「提案?」
「一緒に世界平和を実現させてみないか?」