深夜
「何!? あのイケメン!! みさ、いつの間に 知り合いになっちゃってたの!!?」
るみは興奮した声で言った。
「るみが 男性とダンスしてた頃に、声かけられたの。 でも かなり強引で、凄く遊び人って感じの人なの」
「そうな風に見えなかったけど、、、
だって、みさが襲われそうになったのを助けてくれたんでしょ??
凄く良い人じゃない! それにイケメンだし VIPルームに戻ったって事はお金持ちじゃない??!」
「解らない」
私はそっけなく 答えた。
るみは 携帯を取りだし時間をチェックした。
「もう 3時半だよ。そろそろ帰ろ。今日は疲れたし 始発もまだ だから タクシーで帰ろ。 トイレ行って来るから ここで待ってて」
そう言って、るみは足早にトイレに行った。
るみと私は一緒に Aquaをでた。
るみと私の帰る方向は一緒で、るみは都会から 10分程の所で一人暮らしをしている。
私は 20分程の所で家に着く。
二人は 道路で走っていたタクシーをつかまえ すぐに乗った。
「今日の助けてくれたイケメンの彼。連絡先、交換したの??」
るみはタクシーに乗るなり 聞いてきた。
「交換はしてない。彼の名刺はもらったけど」
「名前は?? 会社はどこ??」
るみは興味津々で前のめりになって言った。
「確か カンザキグループとかで、
代表取締役社長って載ってた」
「えっ!!? あのカンザキグループ!!?」
るみは驚いてる顔をしている。
「そう、その人の名前 神崎雅弘って言うの。 るみ 知ってるの??」
「神崎グループって 不動産業を主に扱っている会社で、不動産業界では トップを争うぐらいの会社よ!!
みさ、知らないの??この街では 知ってる人がほとんどなのに。」
「えっ!!? そうなの?そんなに凄いの?」
「凄いに決まってるじゃない!不動産王と知り合えたんだから!」
「でも、それって大袈裟じゃない??」
「何言ってるの!みさ、あの都会の街の土地はほとんど 彼の物なんだから。凄い人と知り合えたわね♪ チャンスよ」
「そんなケタ違いなお金持ちと知り合いになれても、意味ないし」
「じゃあ お金抜きで 顔とか身なりはタイプだった??」
「確かに 格好良かった。しかも私を助けてくれた」
私は素直に答えた。
「じゃあ 絶対 連絡するべきよ! 少なくとも 彼はみさの事を気にいってるはずだから。名刺くれたんでしょ?? 彼は連絡、待ってるはずよ」
「連絡してくれって言われた。」
「じゃあ 明日 してみたら??」
「考えとく」
「みさの幸せを願ってる!」
そう言って るみはタクシーの座席にもたれ、目を閉じ 眠った。
10分程 タクシーで走って るみの自宅前に着いた。
「るみ、 着いたよ」
私は るみの肩を 揺すって起こした。
「もう??、、、 わかった、、みさ また連絡して。眠すぎて限界」
るみは bagから財布を取り お金を私に預け タクシーから降りて、フラフラしながら 自宅マンションへ帰って行った。
私がタクシーに一人 残されてから、さっきのクラブとは 真逆の静けさの中で、
私は目を閉じた。
彼の事が頭から 離れない。
彼の強引な所。
彼の優しさ。
彼の手の温もり。
彼の胸の暖かさ。
彼の香り。
彼の瞳。
彼の唇。。。。。。。
今日は なんだか 別世界にいるみたいな1日だった。
「 お客様ー… お客様ー… 着きましたよ」
ハッと 目を覚ました。
少しの間、眠ってたみたい。
「はい。ありがとうございます」
私はタクシーから 降りて 今にも閉じそうな瞳を なんとか無理矢理 開けて
家の中に入って行った。
すぐに寝たかったので 顔を洗い、歯磨きをし、 寝室へ一直線にダイブした。 ベッドの上の棚にある 目覚まし時計を取り、明日は11時半出勤だから 目覚ましは10時にセットし、すぐに布団に潜り込んだ。
今日は色々な事があった。
楽しい 1日だった。