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episode5『Let's go to the school』

ユースがアークと出会った次の日の早朝。

レイは一人高台から街を見下ろしていた。

この高台はユースの家からかなり離れた丘の上にある。もともとは景色が綺麗で観光地として有名だったのだが、今は魔物が出てから立ち入り禁止になっていた。

レイがなぜそんなところに来たのか。それはレイの悲しげな表情からは読み取ることができなかった。

ふと、レイが何もない空間に話しかけた。

「…ユースの様子はどう?」

すると、何も帰ってくるはずのない空間から、

『まだぐっすり寝ています。マスター。』

「そう、よかった。」

『本当にマスターはユースティース様が好きですね』

「ええ、だって…」



「だって私の、この世界の唯一の希望ですもの。」



☆☆☆


……眩しい。

部屋の窓から光が差し込む。

「……もう朝か…」

ユースは父親が死んでからレイと二人で暮らしている。年頃の男女がひとつ屋根の下で過ごすというのはあまり良くない状況かもしれないが、レイが隣の家から移ってきただけなので、そんなに変わらない。

ユースは二回から階段を下りて一回のリビングへ向かった。

「おーい、レイ!飯できたー?」

すぐにキッチンから声が返ってくる。

「もうできるー!ちょっと待ってー!」

…もはや結婚後の夫婦のそれである。

「はい、できた!食べて!」

「おう。じゃあ、いただきます!」

養成学校主席と落ちこぼれの同棲。他の学生が見たら呪い殺されそうな現状。しかし当の本人たちは全く気づいていない。

「そう言えばユース、学校行かないの?」

レイが問う。

「行きたいけど……今更行っても…」

父親が死んで一週間以上学校を無断欠席したのだ。何言われるかわかったもんじゃない。

「大丈夫、私がいるから!一緒に行こ?」

「……」

すごいキラキラ(ウルウル?)した瞳でユースを見つめる。それにユースは……

「わ、わかったよ……」

「やった!よかったぁー。」

「明日からでいいだろ?」

「今日から!」

「え、えぇー…」

しばらく使ってなかった教科書をカバンに入れ、制服に着替え、玄関を出る。

「あぁ…あちぃ…」

今日は絶好の登校日和だ。

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