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prologue
「俺はお前が好きだから!何があっても絶対守るから!」
なんて言ったのに。
あの時そう言ったのに。
今少年の目の前にいるのは、一糸纏わぬ姿で腹部から血を流して倒れているあの時守ると誓った少女だった。
「……君のせいじゃ……ないから……私が……悪いんだから……」
「違う!お前は何も、何もしてないじゃないか!なのに、なんで……」
「違うの……これは……あの人たちを説得できなかった……私が悪いの……だから……」
だから、泣かないで。
その言葉を告げることなく、少女の目は光を失った。
少年は再び誓った。
「……お前を殺したあの国を、この世界を、人間を!俺は一つ残らず消してみせる……絶対に!!」
そして少年は『魔王』となった。