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持ち物検査

母『へえー、部活見学してきたの。』


私『うん。公子と一緒の部活に入りたいんだけど、中々、意見が合わなくて保留中だけどね。』


母『そう。美知、お姉ちゃんのお皿持ってきて。』


私『いいよ、私が持っていく。・・・皿洗い手伝おうか?』


母『なによ、今日はやけに優しいじゃない。お小遣いは増やせないわよ。』


私『そんなんじゃないよ。その・・・休みの日くらい、ゆっくりしたらいいのに。』


母『私が仕事のときは色葉が文句を言いながらだけど、家事をこなしてくれてるでしょ?色葉こそ休まなくちゃ。』


私『なーんか変だなぁ・・・もしかして、再婚とか考えてる?』


母『しーっ。』


なんだ、そういうことか。主婦に戻る準備をしだしたのか。


私『今日は美知からお風呂に入っていいよ。』


美知『やったー!!今日はお母さんもお姉ちゃんも仲が良いから、優しいね!!』


私って、優しくなかったのかな。ほぼ、毎日ご飯を作ってあげてるのに。


私『で、お相手はどんな人?・・・まさか、とうとう首が回らなくなって、店長さんに色目を使ったとかじゃないよね。』


母『店長さんは結婚してるでしょ。』


私『あ、そんなもんか。』


母『それと純愛だから。』


私『・・・私は恋愛しちゃダメなのに、母さんは恋愛していいの?』


母『恋愛じゃなくて純愛よ。色葉が小学生の頃から付き合ってたんだから。』


私『おえっ、付き合ってたとか言わないでよ・・・あれ・・・時々あった朝帰りは、その・・・そういうこと?』


母『まさか(笑)ほとんど文通だったから、まだ数えるほどしか会えてないの(笑)』


うわ、にやついてるよ。


私『水道代がもったいない。』


母『そうね。水道代を気にするなんて、主婦に近づいてるわね。』


あんたが仕込んだんだろ!!料理の腕や知識も無駄に付いてきてるし・・・掃除や洗濯も無駄にこなせる様になってきてるし・・・ああ・・・無駄な青春時代にならなきゃいいけど。結婚したからと言って主婦一筋に生きるとは限りませんから。そもそも結婚出来るかもわかりませんから。


翌日・・・


私『母さんが再婚するかも。』


公子『おばさんが?美知ちゃんはまだしも、思春期の色葉にとってはキッツいよね。』


私『吐き気がするよ。』


単純に母が恋をしていたと言うことが腹立たしいのと、気持ち悪いのと、再婚相手の人が子供嫌い人だったら、どうしようとか思っちゃって胃が痛いんだ。


ガチャ・・・


麻里『・・・。』


私『・・・。』


麻里『・・・そこ、どいて。』


私『あ、すいません・・・。』


公子『藤浪さんって、意外と近くに住んでるんだね。』


私『はあ、怖かった・・・心臓のバクバク聞こえる・・・?』


公子『私たち、何もしていないじゃない(笑)』


私『だって、目からビーム放ってるんだもん!!』


公子『なんでだろうね。転校生だから寂しいのかな。』


私『寂しいからって、ガンつけながら歩く?』


公子『わかんない。遅れちゃったらマズいから、早く行こう。』


私『そうだね。』


教室に入ると、なんだかいつもと空気が違う気がした。


ガラガラガラ!!


飯塚『お前ら、全員席に着け!!今から、生活指導の一環として、持ち物検査を行う!!』


えーっ!!


飯塚『鞄を机の上に置け!!』


まあ、私は煙草も持ってないし、大丈夫か・・・。


室伏『センセー、俺たち鞄持ってきてねぇよ。』


人見『ということで、俺たちセンセーの指導が終わるまでトイレに・・・。』


飯塚『待てコラッ!!スボンのポケットの中を見せろ!!』


飯塚先生は人見のスボンのポケットに手を入れた。


飯塚『なんだ、コレは。』


人見『俺の玉、おわっ!?』


飯塚『ふざけるな!!煙草とライターじゃないか!!』


人見『ちょ、ちょっと待った!!室伏と増岡のも調べろよ!!』


室伏『おい、人見!!』


増岡『室伏はともかく、黙ってた俺もかよ!!』


結局、二人のポケットからも煙草とライターが出てきた。


飯塚『没収だ。』


人見『ふぅ、没収くらいなら・・・。』


飯塚『今日はお前ら、昼抜きでトイレ掃除だ。』


あらら、昼抜きでトイレ掃除はキツイよ。飯塚学(いいづかまなぶ)先生は恐ろしいなあ。


その後、煙草、ライター、雑誌、漫画、ウォークマンなんかが出てきて、それぞれ罰が与えられていった。本もダメだったなんて知らなかった・・・マズい、次は公子の番


飯塚『出せ。』


公子『はい。』


飯塚『ん・・・これはなんだ?』


公子『左から、偉人名鑑、数学の問題集、国語辞典です。』


飯塚『まあ、勉強に使うものだから、いいだろう。よし、次。』


先生、よく見なきゃ・・・左から、オジン名盤、豊作の団塊臭、国語辞典だよ・・・オジン名盤は60年代の名盤集、豊作の団塊臭はナンセンスな駄洒落集、国語辞典は国語辞典だよ・・・私の本は大丈夫かな・・・。


飯塚『次はお前だ。』


来た。私は鞄の中身をすべて出した。


飯塚『これはなんだ?』


私『キン肉マンとキャプテン翼です。どちらも熱い友情が描かれていて・・・。』


飯塚『没収だ。』


私『ま、待って先生!!次から持って来ないから!!』


飯塚『没収だ、没収。あと、校庭5周な。』


私『少女漫画だったら許してくれた・・・?』


飯塚『許すか!!校庭5周追加!!』


とほほ・・・。


飯塚『出せ。』


麻里『・・・。』


飯塚『出せって言ってるのが、聞こえないのか!!』


麻里『・・・勝手に出せばいいじゃん。』


飯塚先生は麻里の鞄の中身を出した。


飯塚『煙草にライター、それと・・・。』


麻里『いつ、彼氏に求められるかわかんないじゃん。対策してんの。健全でしょ?』


飯塚『高校生のくせに、なに考えてるんだ!!全部、没収だ!!』


麻里『それを没収して、今夜、彼氏との子供が出来たら、責任取ってよ。』


飯塚『んん・・・。』


麻里『煙草の箱はいらないから、それ返して。』


飯塚先生は”それ”を麻里に返した。


飯塚『よし。検査は終了だ。放課後、罰を言い渡された者は罰を遂行するように。煙草以外を没収された者は生活指導室に取りに来い。以上!!』


ガラガラガラ!!


私はすぐさま公子の席へ向かった。


私『公子、ズルいーっ。』


公子『先生が気づかなかったのが悪いんだよ(笑)それにしても、良く正直にキン肉マンとキャプテン翼って言ったね。』


私『表紙のせいで誤魔化しようがないじゃない。それよりも藤浪さん、すごいの持ってたね。』


公子『ああいうのって、女の子が携帯するものなの?』


私『普通は男が、アレをチラつかせて、いいだろ〜いいだろ〜って、近づいてくるんじゃないかな。』


公子『ドラマの知識?』


私『映画の知識。』


麻里『・・・。』


ガラガラガラ・・・


私『あれ?すぐに授業が始まるのに、藤浪さん、どこかに行ったよ。』


ガラガラガラ・・・


公子『人見くんと、室伏くんも付いていったね。』


麻里は屋上に向かった。教室は居心地が悪いから。


麻里『はあ・・・コンドームのはずないじゃん。』


麻里はコンドームの中から煙草とライターを取り出した。


麻里『生活指導の先生って大体男だから、責任取ってよ、とか言うと動揺するんだよね。』


プカプカ・・・プカプカ・・・


麻里『昼寝しようかな・・・。』


人見『よっ。』


麻里『うわっ!?』


室伏『びっくりすんなよ。さっきのさ、アレ。今、使えない?』


麻里『は?』


人見『大量に持ってただろ。いつでもOKなんだろ。』


麻里は真っ赤になった。


麻里『ち、違うよ。ほ、ほら。』


人見『ん・・・煙草?』


室伏『煙草を隠してただけ?あの箱は・・・。』


麻里『あれは空箱。』


人見『へえ、考えたな。・・・そうだとしても、ダメ?』


麻里『ダメだって、今日はダメ。』


室伏『今日は?』


麻里『・・・。』


麻里は二人を睨み付けた。


人見『それ、俺たちにガン飛ばしてんの?』


室伏『俺、この顔で何回逝けるかな。』


麻里『(あれ・・・全然、効いてない?なんで?)』


人見『すげえ、美人だよな。』


麻里『(び、美人!?)』


室伏『無理すんなよ。その顔で逃げ出すのは女子くらいなんだぜ?』


麻里はさらに顔が真っ赤になった。


人見『ははは(笑)』

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