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不安

佐村『良かった!!話し合いに応じてくれるのか!!』


私『でも、気持ちは変わらないと思う・・・こんなはずじゃなかった・・・幸せを掴んだのに手放したくなるなんて・・・』


佐村『だから手放す必要なんてないんだよ!!俺が悪かったのなら改善するから!!』


私『じゃあ、クリームパスタ作って。』


佐村『へ?』


私『溜めに溜めた洗濯物を洗濯機で回して、一人で干してみて。』


佐村『溜めに溜めたのはお前が・・・。』


私『葉と私のわがままに、たまには付き合ってよ!!』


ズダダダダダ!!!!


佐村『マ、マシンガン!?』


私『蜂の巣にしてやるぅ!!』


佐村『うぎゃあああ!!』


しゅるるるるる・・・


佐村『この前の夢の続きかよ・・・ノイローゼになりそうだ・・・。』


一方、日本では。


サムはいないと寂しいけど、いないならいないで友達を呼んで大騒ぎ出来るから割り切りが大事。


私『連絡出来て良かった。サッチ久しぶり!!』


すりすりすり


佐知子『助けて〜公子〜色葉が酔ってる(笑)』


公子『今日、3回目の『久しぶり!!』だね。きっと、おんなじ話を繰り返すよ。』


私『サッチの子供は?』


公子『ほら。』


佐知子『二世帯住宅だから、お義母さんに預けてる。』


公子『葉ちゃん、5歳だよね?』


葉『うん。』


公子『私、優が葉ちゃんと同じ歳の頃に離婚したから色葉は大丈夫かなって、勝手に心配してるんだけど、大丈夫?』


私『学生時代から性格は知ってるし、それに惹かれて結婚したから腹立つ事はあるけど割り切ってる。サムの職業も理解してるよ。』


佐知子『それに惹かれたって言っても、変化はあるでしょ?』


私『妊娠中にやめた煙草をまた吸い始めた。』


葉『プカプカーって、輪っか作ってくれるんだよ。』


私『あーそうそう。リビングでも喫煙するようになったんだよね。だから、葉が煙草をおもちゃと勘違いしないか心配なの。』


まあ、煙草も大人のおもちゃだけど。ロンドンは早朝かな、さすがにこの時間に吸ってはいないだろうけど。


プカプカ〜


佐村『はあ・・・。』


ガチャ・・・


仲谷『おはよう。早いじゃん。』


佐村『最近、変な夢ばかり見て頭が痛いんだよ。』


仲谷『時差のせい?私も眠れなかったもん。』


佐村『あ、何すんだよ。』


仲谷『こんな早朝から一服して1日に何本吸うつもり?』


佐村『色葉みたいなこと言うなよ・・・。』


公子『結婚して子供が生まれたんだから、長生きしてあげないと。』


サムに長生きしてもらいたいか、否か?


私『そんなの私が長生きしたいに決まってるじゃん!!』


色々、間違いも犯してきたから、結果がどうなるかはわからないけど・・・。


佐知子『そうだよね。ということは、今、幸せなんだ(笑)』


私『あ・・・長生きしたいと思えるって幸せなことなんだ・・・。』


公子『佐村くんの方は長生きしたいと思ってくれてるかな?男と女じゃ考え方が違うかもしれないし。』


二人目の子供が欲しいって言ってみても、3年間くらい、なんとなーく、はぐらかされてるんだよね。長生きどうこうよりも、そっちが気になる。


佐村『長生きなんて考えてないよ。人・・・男って、いつ死ぬかわからないものだろ?』


仲谷『カッコつけちゃって、そんなキャラでもないじゃん(笑)』


佐村『・・・。』


仲谷『・・・ホントに疲れてるんだね。夫婦喧嘩中?』


佐村『夢で・・・。』


仲谷『夢?』


佐村は数日続く夢の話をした。


仲谷『現実で何もないなら大丈夫だよ。』


佐村『色葉(あいつ)はもう一人、子供が欲しいんだってよ。俺は金の問題を理由に逃げてるけど、実際は色葉(あいつ)の負担が増すだけじゃないかと思って・・・。』


仲谷『危ないよ、それ。今日みたいに海外出張だと浮気とか・・・。』


佐村『う、浮気!?・・・電話してみる。日本って今何時だ?』


仲谷『21時から22時くらい。』


プルルルル・・・プルルルル・・・


私『あ、電話。サッチ、名前出てる?』


佐知子『・・・パパだって。ということは佐村くん?』


私『ああ、サムか。ちょっと待って。』


ガチャ


私『はい、どうしたの。』


佐村『えーっと・・・今夜は葉と二人きりだっけ・・・。』


私『・・・はい?』


佐村『今、お前と葉だけかって聞いてるんだよ!!』


私『うるさいな。こっちはこっちで楽しくやってんの。もう切るよ。』


佐村『楽しく・・・や、やってる・・・。』


私『公子と佐知子が来てんの。レコーディング頑張ってね。ロンドン土産よろしく。』


ガチャ


佐村『・・・。』


仲谷『どうだった?』


佐村『早く家に帰りたい・・・。』


佐村はゆらゆらとベッドに寝転がった。その横に仲谷は腰掛けた。


仲谷『二度寝したら、今度はレコーディングの時間に起きられなくなるよ。』


佐村『どうすればいいんだ・・・。』


仲谷『夫婦仲?』


佐村『どうせ俺は厄介者なんだよ・・・葉からはママの方がいいって言われるし・・・色葉からは電話を切られるし・・・。』


仲谷『葉ちゃんはしょうがないよ。自分の子供の頃を思い出してごらん。お父さんよりお母さんっていうのは、どうしようないじゃない。ただ、奥さんの方は改善出来るかもよ。』


佐村『だから、どうすればいいんだよ!!』


仲谷『二人きりの時間を作ってみたら?母の日も近いし。いや、母の日は家族で祝わないとね。母の日のあとに旅行でもさ。』


佐村『その間、葉はどうするんだよ。』


仲谷『実家に預けるとか出来るじゃない。』


佐村『俺はそれで構わないんだけど、色葉(あいつ)が・・・。』


仲谷『やっぱり話し合わないとダメだね。レコーディングは5日くらいで、済ませて帰ろう。』

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