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プロローグ

 いい加減な人生を送ろうと思う。五分前行動なんかしない。一度失敗したことは二度、三度と繰り返してやる。メールの返信だって、三日後くらいにしてやるんだ。勉強は平均点くらいを目指す。部活も最後まで体力が持つように手を抜く。それから……、それから……。

 「いい加減な人生を」って言っているそばから、厳密に何をいい加減にしようとしているのかを私は考えている。こんなの変だ。もっといい加減に。もっと、もっと、いい加減に。

 そう。書いた文章を一切推敲せずに書きなぐったままアップしてしまうような、そんないい加減さ。

 完璧なんかいらないしなれっこない。矛盾なんか気にしないし、知識が間違っていたとしても構うもんか。誤字脱字? しーらない。

 私はこれ以上何もしないでいることが困難だった。海に溺れないように必死に息継ぎをして、なんとか生命を保っているようなこの人生にすこしでも抗いたかった。

 

 ダレカワタシヲミツケテ。

 

 とっさに浮かんだ言葉を書きなぐる。

 いま生まれつつある言葉。しかし私の指先から出て来るのはどこかで聞いたことのあるフレーズばかり。

 それでも構わない、と私は言った。

 これからはいい加減に生きるのだから。

 私がこれまでに見たあらゆるものをツギハギして、私は私の世界を歩こう。

 その世界が私にとっての空気なのだ。

 

 私はいまだ海の中。

 どうか、沈んでしまう前に。

 誰か、誰か……。

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