コナーの能力を知ろう—カミラ
「それではオーナー。オーガロードをお願いします」
「ん、わかった」
長屋の裏側に向かって見えない位置に入るとなんらかの魔力反応が……ってか【アイテムボックス】を使ったようだ。すぐに戻るオーナーの後ろには心臓部が消し飛んだ三メートルはあるオーガロードの死体が。逆の手には柄で重ねたハルバートとグレートソードが
そんなの普通に引きずってこないでよ
「オーガロードの死体だ。ハルバートかグレートソードどっちにする?いるんだろ?」
「はい。ではグレートソードを」
そう聞いたオーナーは剣を地面に突き刺すとハルバートを持って下がっていった
「オーナーにはネタはばれてるかと思うので早速やりますね。【影傀儡】」
コナーが紋章を起動、指に魔力を集めオーガロードに差し込む。後ろに引くとオーガロードの背中から黒い糸が伸びた
「魔力装填……影の支配…………完了。起きなさい。ガロド」
『ガァァァ!!』
コナーに応え立ち上がり吼えるオーガロード。あ、オーガロードだからガロドなんだ?
ガロドの失ったはずの心臓部には真っ黒な影が入り込み塞いでいる。真っ赤な目は完全に裏返っているのにそれでもあたし達を見ていた。やっぱ死体は死体。不気味だ
「あ、死体の顔はちょっとアレなんでこれ。」
青い水玉の鉢巻きを巻いた男の面だ。何故か口先が尖っていて何処かひょうきんな感じがして力が抜ける
「なんでひょっとこのお面なんて持ってるんですか?」
「俺にもわからん。コナーはこれな」
「狐のお面?私は犬なのですが……」
おいなりさん?という狐の神様らしいお面をつけさせるオーナー。ガロドもひょっとこのお面を……ぷっ。顔がデカすぎてはみ出てんじゃん
「ではガロド、私を護りなさい。」
「じゃあそろそろいいな?始めっ!!」
開始と共に突っ込んでくる恵とワーグ。少し出遅れてガロドも動き、コナーをその巨体で隠し直線ルートを塞ぎ走ってくる。
「「【ヒートドライブ】!」」
あたしと恵は同時に【ヒートドライブ】を発動させ互いに組み合う。組み合うなら柔道だ。組み合った恵の左手を払い一気に襟を掴んで投げ技に
「させないよ」
そう言うと左腕に飛びつき脚を絡め腕の関節を極めにかかる恵。態勢を崩しにくる
「それは無駄だよ。【ストレングス】!」
強化魔法をかけ恵の体ごと持ち上げ拳を向けると一瞬で腕から離れ、ついでに伸ばした足で肋骨を蹴られた。急だったからダメージは大した事ないけど相変わらずすごい反射神経だ
「危ない危ない。お尻がなくなっちゃうとこだった」
「それは困るな。カミラ、恵のお尻への攻撃は禁止な」
「はいはい……っとぉ!!」、
横からオーガが殴りかかってくるので後ろに飛び退く
「ダメよ。カミラ。一対一が3つじゃなくて三対三なんだから。ワーグ、あなたもちゃんと行きなさい」
コナーがガロドに手を向けたままあたしに話しかけてくる
「そうだったね。」
「カミラ嬢、一人で出すぎだ」
「ごめんごめん。」
こちらに追いついてきた味方二人とワーグを確認し仕切り直す
「恵は紋章強化だけになさい。十分でしょう?」
「わかったよ。」
剣を抜き置くと鞘を構える恵。こちらも剣を抜く。刃引きされてる物だしこのままでいいよね。
「運動量の多いあたしとダグラスで恵とガロドをなんとかする。ウォルト様は戦い慣れしてないワーグからお願い」
「わかった」
言い終わると三人が一斉に動き出す。まずは初手だ。ナイフの代わりに銅貨をコナーに投げつける。切れたりしないけどかなり痛いはずだ。まぁ予想通りガロドが腕を出して止めたけどね
「ダグラス!」
「おうっ!」
ガロドの剣を持つ手を狙い突き刺しにかかるダグラス。オーガの怖いところはその異常な腕力だ。しかもオーガロード。見た目通りの筋肉から繰り出される攻撃はかなりの威力だろう。だから攻撃そのものも怖いけどまずは攻撃の範囲を狭めようとダグラスは動いた
「させないよ!」
恵がダグラスの突きを横から蹴り軌道を逸らす。
「ふんっ!」
「わっ!」
空いた手で恵の足を掴み即座に投げると態勢を整えたガロドがダグラスに斬りかかろうとする。もちろんさせる気はない。一人でも欠けたらまず勝てないからね
ダグラスの背中を飛び越えガロドの首に足をかけフランケンシュタイナー。地面に頭を突き刺し——
「ダメよカミラ。ガロドも見てるけど操ってるのは私なんだから」
地面を喰らうように前のめりに首を突っ込んだまま、正確にあたしに拳を向けるガロド。魔力強化されたガロドの拳を受けあたしは吹っ飛ばされた
「ちぃっ!ダグラス!ウォルト様!」
「「ああ!」」
態勢を整えながら周囲を確認。今着地した恵と首を突っ込んだままのガロドにそれにワーグ。誰を狙うか。それはガロドを操るコナーとワーグだ。
「あっ!え」
「ふんっ!」
「ひっ!」
ワーグに向かったウォルト様が一閃。寸止めで剣を止める。ダメだこりゃ。冒険者向かないね
「ワーグ戦闘不能。ダグラス、コナーの攻撃が直撃、戦線離脱」
え?ダグラスが?オーナーのセリフに慌ててコナーをみるとまず見えたのは仰向けに倒れたダグラス。その奥にはガロドが持っていたグレートソードを持ったコナーがいた
「な、なにそれっ!」
「何って、私のチカラの一つですよ」
そう言ってグレートソードを振り回すコナー。近接戦闘をするつもりはなかったのかスカートだから裾がはためく。華奢であるはずのコナーの力では考えられない。そうすると……
「ガロドの影」
そう。いつの間にかコナーの魔力で繋いだ影じゃなく、ガロドの影の方が伸びていた。ガロドも首を突っ込んだまま動かなくなっている。
「【影法師】の進化系【影喰】。流石にガロドの巨体では半分しか掌握できませんでしたが半分もあればまあまあ十分な力ですね。」
「コナーさんは獣人なのにダークエルフ並みの適正がありました。昨日覚えたばかりなのに今では身体を動かすのではなく影を動かして運動するくらいなのだから恐ろしい」
「こ、ここにも規格外が」
あ、これじゃ【ウォルフコート】の実験にならないじゃない。
「ワーグ。メダルをコナーに。ダグラスはあたしにちょうだい。恵とウォルト様には悪いけど一騎打ちでやらせてよ」
「やれやれです。私は戦闘型ではないのですが……」
そういうとコナーはグレートソードを手放し手から真っ黒な棒を取り出す。【シールド】から作られたものらしいね
っと、工房から猫獣人のディアナと何人かの女性獣人が走ってくる。手には光沢のある生地でできた何か
「コナー姉、こちらを履いてください」
「ディアナ、ありがとう。気がきくわね」
ディアナが持ってきたのは白のショートパンツだ。他の女獣人達がコナーの周りを布で覆う
「ドラゴン革のパンツです。【プロテクト】がかかっていますのでオーナーとする際は邪魔になりますが他の人間から襲われても貞操の危機は避けられる女性用の服ですよ」
「そうですか。では履かない方がよろしいですか?オーナー?」
「そこは素直に履こうよ。」
本当は照れ屋の癖にそういうからかい方するの好きだよね?オーナーもからかい甲斐のある人だから分からなくもないけど。ってかみんなコナーをオーナーの妾に推してるんだね
「オーナーは着たままが好き、もしくは破るとか剥ぐのが好みなのですか?」
「コナー君、いい加減に」
「ひそひそ」
「やはり英雄は色を好むのですね」とユニエール様
「変態性もあり、と。ストッキングを多めに用意しておきますか」とシオン様。クオン様は顔を赤くしながら自分の服を見てる。いやクオン様とそういう展開には多分ならないでしょ
「スケベ。恵さん、セーラー服とか着さされてない?大丈夫?ナースとか婦警とか言い出したら言ってね?息の根止めるから」と店長。自分のお兄さんをなんだと思ってるの?
「エロキング。メイドさん。恵の服に破れやすい細工をしといて〜」……絶対楽しんでるよね?そういうことしてると自分もいつか同じ目に合うよ?
「色欲魔なのですね。大変な方に目を止めてしまいましたね……大丈夫でしょうか?」と肩を抱くフルー。フルーは面白いからそのままにしておいて、さらに煽っておこう
「いい加減にしないか?」
顔を俯かせプルプルと震えだしたオーナー。でも否定できないよねぇ。オーナーの小部屋から持ち出したエロ本には看護婦ってやつあったもん
「色欲魔王、つまりエロ魔王か……ふっ」
「わ、私も何か言った方がいいのでしょうか?」
アルフレッド陛下がいつの間にかオーナーの横に立っていた。コルとニーナも一緒だ。ニーナ、無理に空気読もうとしなくても大丈夫だよ〜〜
「エロ魔王様。ボウガンできたよー。」
「よし、行こう。姫巫女様早く。ルナード、ユディスも。ニーナも行くぞ」
コルからボウガンと矢のセットを受け取るとニーナの手を引きみんなから離れていくオーナー。みんなクスクスと笑いながらオーナーが離れて行くのを見てる。
戦闘中だという気配の欠片もなくなってしまったな
「ら、ライトさんエッチな気分なのですか?」
「ちが……わなくはないけどこの場から移動するのが先だ。恵、後で。出来るだけ検証よろしく!それじゃ」
違わないんだ。おおかた恵のお尻でも妄想していたんだろうな。オーナーも思春期真っ只中だからなぁ。昨日も恵とよろしくやってたみたいだしね
「ライト殿!いえ、え、エ、エロ魔王!一度教会で色欲を清めて貰いなさい。この女の敵」
「……娼婦街でもお供するかい?」
「ドラゴンの牙でもくれたら女くらい紹介してやるぞ」
「勇者共、やめろっ!そんな時分じゃないし行かんし、やらん!行くぞ!みんな覚えとけよっ!」
【シールド】の魔法の絨毯で一気に山の方へ飛んでいくオーナー。変な性癖あろうと好意がある女の子が好きならそれでいいと思うんだけどなぁ。オーナーが変わらなくても女の子が受け入れればいいだけだしね。それにしてもエロ魔王は笑えるね
「では、カミラ?行きますよ」
「なんだろうね?このやる気の削がれ感は」
メダルを腕に付けるとショートソードを構え走る。これが店長の【ウォルフコート】の効果か。身体が羽根の様に軽くなり身体に溜まっていた熱が少し引く。冷える程じゃなく動くのに適度な温度に変化したみたいだ。それに周りで話す声も敏感に聞こえるし匂いで距離感まで把握できる。まさに狼の加護を得たかの様な状態だ。後で報告しよう
心の中でメモりながらコナーを見据え跳ぶ。真正面からコナーの額を目指して振り下ろす
「【シールド】」
コナーが振り下ろされる剣に向かいじょうごを半分にしたような形の【シールド】を展開。剣がそこにぶつかり強引に剣筋を変えられる
【シールド】の出口には真っ黒な棒の先が。剣を止められずそのまま衝突。手が痺れた
「ダメよ、カミラ。ばか正直に切っちゃうのは」
あたしが手が痺れるくらいの衝撃があったのに、けろっとしてるコナー。あ、反対側の棒の先が地面とくっついていた。少し埋まってたけどあたしの剣の衝撃で埋まったんだろう。戦い慣れしてないのに上手いな
「はっ!」
怯むあたしに振り払いの攻撃。もちろん当たる気はない。しゃがみかわすと足払いをかけると転ぶコナー
「んっ」
「もらっ——」
あれ?コナーの持っていた棒はどこにいった?あ、やばっ
コナーの瞳があたしを捉える前に追い打ちを中止、ほぼ反射的に【ミラージュアイドル】を展開して後ろに下がる
「あら、惜しかったわね」
コナーがそう呟くと次の瞬間【ミラージュアイドル】でできた蜃気楼の像に全方位から黒い針が突きつけられた
「【ウォルフコート】は便利ですね。匂いで距離感が分かるから視認の必要が減るので感覚を魔法の制御に割けるようです」
【ミラージュアイドル】からは匂いがなかったから黒い針を突きささなかったんだろうな。蜃気楼の像を攻撃すると熱波のカウンターが来るのはコナーも知ってるし
「よく分かりましたね」
「棒が無くなってたからね。不自然だったしエルフのフルーやあのオーナーから手解きを受けてるなら過剰な反応の方がいいと思ってね」
「なるほど。次は棒を消さないように気をつけますか。」
ふむ、と思案顔のコナー。恵の所に行くと話しかける。あの……戦闘中じゃないの?
「恵、私が勝てばオーナーと一緒に寝る権利をくれませんか?」
「あ、カミラさんに勝つ気なんだ?」
【ウォルフコート】の効果で二人の声が聞こえてくる
「当たり前です。やるからには勝たなければ。」
「えっと……寝るってそういう意味の方?」
「いえ、まずは単純に近くで寝るって意味ですよ。恵もいてもいいし、私はソファで寝ても構いません。要は私が近くにいる事をオーナーに慣れて貰おうかと。流石にいきなり同衾は照れますね。オーナーから誘われれば喜んで飛び込みますが」
「それくらいなら……いいか。でもまずはカミラさんに勝ってからだよ?」
「はい。もう仕込みは終わりましたから。カミラからから揚げも貰えるし、いい日になりそうですね」
え?
「チェックメイトです。カミラ」
コナーが言った瞬間あたしを中心に地面に黒い蜘蛛の巣が現れた。
「えーーーー!!!」
外側が宙に浮き空に向かいながら螺旋状に捻れる蜘蛛の巣。内側には棘がびっしりと
「コナー!ズルい!」
「私は中断を宣言したりしていません。油断したカミラが悪いのですよ。大体棒も【シャドウニードル】にした後から手元に戻していません。警戒が足りなかったのですよ」
ズズズっと近づいてくる棘。一気に攻撃しないのは降参を待っているからだろう
「くっ…………参った」
「はい、お疲れ様でした。まぁから揚げを賭けていましたがなかった事にしておきます。太っては事ですからね」
「コナ〜〜」
「でも【ウォルフコート】の実験はあまり出来てないかも」
「「…………」」
店長の言葉にコナーと目を見合わせる。結局あたしとコナーは自分の属性で戦っちゃったし
「店長ごめん。もう魔力あんまり無いや」
「申し訳ありません。私もです」
「そうですか……ではウォルトさん、ワーグさん、ダグラスさんで恵さんと対戦でお願いします。お疲れ様でした」
しまった!役に立ててない!
「では私は【ウォルフコート】の報告書でも作ってきます。ディアナ、行きますよ。カミラはガロドを倉庫にお願いします」
「はい。カミラも後で工房に来て下さい。カリンちゃんがお三方の服装関係は終わったから着てみて欲しいって言ってました。後は微調整だけらしいので」
「はいよ〜。わかったよ。ったくコナーも手伝ってくれたらいいのにね」
ディアナに近づいて耳打ちするとコナーが振り向く。
「なにか?」
「べっつにぃ。倉庫に持ってくからね〜」
動かなくなったガロドを地面から引き抜き倉庫へ運ぶとついでに貯蔵庫に寄っておろな◯んしーを六本頂戴する。倉庫管理を担当していた兎獣人のミュゼットが困ってたから銀貨を三枚渡す。いまオーナーの領でも物価が二倍ちょっとの増加。少し多めに渡したらオーナーへの借金が増えますよって焦ってた。一応支払いは終わってるから問題ないよ〜〜って教えてあげるとしぶしぶリストに書き込んでいた
ふへへ、このおろな◯んしーってしゅわしゅわ〜〜ってするのが楽しいんだよね。元気も出るしね。工房に到着、扉を開けるとカリンとディアナがコナーの服を点検していた。レギスとウィローは奥の倉庫かな?
「カミラが来ましたよっと〜」
「あ、カミラ。それ……」
「うん。実費で買ってきたよ〜〜。みんなで飲もうよ」
コナーは黒に染められた裾が短いショートローブにさっきの白のショートパンツ。龍革のブーツとドラゴン尽くしの装備になっていた。コナーの白い太ももが見えてなんかエロい
「ディアナ?もしかしてそういうつもりで作ったの?」
「もちろん。打算込みだけどオーナーって年上にも弱いと思うんだよね。だからコナー姉の色気で……」
「奴隷中は給与は増やしませんよ。いや……しかしいい出来ではありますね」
「しかも実は魔力の供給をストップさせるとすぐに脱げます。戦闘中は常時使用してください。無防備に腰に攻撃を受けると授かれなくなりますよ」
「よく考えていますね。来月から給与一割増で見直しましょう」
あとはマントをつけて終わりだ。ちなみにこれも龍革だ。魔法付与は後でだそうだ
「それから全員に支給する鎧龍の瞳から作り出した正式品マジックアイテム、『捕食者の眼』です。瞳を向け魔力を通すと正面にいる敵を一時的に行動を阻害します。ただ見えている魔物だけ……眼のある魔物のみですが。あと恐らく龍種やランクの高い魔物は無理でしょうが役に立つはずです」
「なんと。もうそんなことまで?」
「っていうか素材と発想が凄すぎて強くなりすぎるんだよね。こんな国宝級装備とか。オーナーも夜遅くに来てレギスとウィローになんか注文していたし。絶対異常な物だよ」
ディアナが視線を送った先には子馬くらいのサイズのなにかだ。シートがかけられていて見えないけど何だろう?
「高速移動用魔導機、だそうです。」
「マジックアイテムじゃなくて?」
「そう、ばいくって言ってたかな?」
「ボディはミスリルに龍の骨を混ぜた合金、外装に一枚ずつ【プロテクト】をかけた龍の鱗、タイヤは龍の革とサイクロプスの硝子体を使って作ったから耐衝撃性が高く振動を軽減してくれる。そしてトライヘッドの雷の牙をエネルギーとしたエンジンと使い手の魔力を燃料とする燃費のよさ。ガソリン?いらず、排気ガス?もでない完全エコ仕様?なのさ。かっこいいよねぇ。しかも左右から飛竜の鱗と飛膜が展開でき、風の魔法陣で少しの間なら空中を飛べるんだよ。すっごいよねぇ!」
コルが金槌片手に工房へ入ってきた。コルの仕事場なんだからくるのは当たり前なんだけど手元で金槌くるくるすんのやめてくれない?どっか飛んでいきそうで怖いよ?
近づいてシートを外すとそこには台に固定された緑をメインにした車体があった。タイヤは二輪しかないけどどうやって走るの?倒れない?
「跨ってこの棒……ハンドルっていうんだけどこれを捻ると走るよ。多分最高速度は【ウォルフコート】で走るのよりずっと速いと思う。んで車体前部だけどここにウェポンフィッシュの槍をつける。乗りながらも前方を攻撃できるように作ってあるんだ。【プロテクト】がかかってるから普通に体当たりしても当たり勝つだろうね。属性持ちが乗ると槍に属性が付与されるし特攻性も高い」
コルがハンドルを捻るとキィィィンと高い音が鳴りタイヤが凄い速さでまわり始める。確認するとハンドルを離す
「ライトがコナーは【シールド】あるし、ユーリカはそこまで急ぐ移動手段はいらないって言ってたし、だからこれカミラの物だと思うよ」
「うへぇ、また訳の分からないものを……」
うーん、これ一つで人生10回はやり直せそうな物なのにあっさりと渡すなんてやり過ぎだと思う。それよりルナマリア様に何かあげればいいのにね
「むー、オーナーはカミラも囲うつもりなのかな?」
「それは考えてない」
後ろから否定の声。あれさっき出て行ったよね?
「あら、オーナー。どうしたのですか?」
「弁当を忘れた。姫巫女様がお弁当お弁当ってうるさくって取りに来たんだよ。それでカミラ。ついてくるか?戦闘は勇者にやらせるから、馴れもいるだろ?」
あたしが頷くとコルがばいくを用意しておいてくれるらしい。その間に着替えに行く。
「私もよろしいですか?装備をならしたいので」
「あ、私は調整とか確認にー。」
カレンも小さく手をあげてる。結局留守番はコルとレギスとウィローに任せて残りは全員行くようだ。ちなみに彼らは徹夜だったらしく途中で寄った長屋の入り口で死んでいた。いや寝ていた。なんというか……お疲れ
「オーナー、本当にカミラに興味ないんですか?」
「………うーん。猫耳も悪くない」
「にゃっ!まさか私を?でもでもオーナーなら……でもカールが……どうしよ……」
「あ、冗談なのに……」




