魔法を解析しよう—カミラ
「ってなわけで魔法を使って見せて欲しい」
翌朝帰ってきたオーナーが頼んだのはシオン様とクオン様だ。昨日オーナー以外で話し合った内容を伝えたところ選ばれた二人はこころよくオーケーしてくれた。ってかユニエール様が裏で糸を引いてるのは分かってるけどね
まぁみんな、まだロクな魔法は覚えてないし、教師役二人も乗り気だし、私、恵、ユーリカ以外の他のメンバーにはコルの必要な道具や冒険者ギルドのアイテム収集状況、商人ギルドでの契約の締結等で出払っていったからってのもある。修行も大事だけど準備もねって事。秘密の移動法(転移?)でいつの間にかいなくなっていた。屋敷から出た気配はなかったからきっとそう
余談だけどコルが商売のノウハウを持っていて助かった。私達にはそんな大きな話を勝手に決めれないしこんな感じでって纏めるのが限界であと詰めで騙されたりしそうだし。本当にコルがいてよかったな。
オーナーに合わせた遅めの朝食後、庭に出る。見物人は恵、ユニエール様、アルフレッド様だ。護衛の人達も近くにいるけど屋敷の陰だったり窓から見える範囲で我慢している。ユニエール様の【シールド】があるかららしい。
「さて、どんな魔法でいきますか?」
「風系か炎系がいいな。まずは下級で可能なのか試してみたい」
「わかりました」
「では私も準備しますね。」
昨日聞いたフルーの力、それは魔法でも魔法陣でもない。本人からチラッとだけ聞いた精霊召喚だ。まだ見たことのない力。私がいない間に得た力なんだって。エルフだけの固有の力だろうか?とはオーナーのセリフ。フルー以外に見たことがないからわからないね
「『ドリアード』お願いします」
あ、始まったらしい。手に持っていた何かに魔力を込め地面に埋めるフルー。あ、昨日のフルーツの種か。結局食べてるじゃないか
そうそうフルーの力を発揮すると服は破れてしまう為、フルーは今裸にシーツで庭に出ている。オーナーの目が何も見ていないふりをしながらシーツの隙間を見ているのが初めて会った時を思い出すな。あの時もチラチラ見てたっけ
種を植えて土を盛ったフルーはその上に立って魔力を解放した。すると植えた種に向かってどんどん魔力が流れていく。芽が出て、葉が伸び、フルーを巻き込み成長して完全に包みこまれ緑の球体になった。みんな驚いて声が出てない
緑の球体のてっぺんに花が咲いて散った。残ったのは実みたいだ。これで完成だったらフルーは動けないんじゃ?
「おーい、大丈夫なのかフルー」
言ってみたけど反応はない。中の様子を探ってみるけど、内側から焦ったり助けを求める声はない。これがデフォなのか?
「大丈夫です。今出ます」
そう言うと巨大な子房が割れ中から虹色の髪、蔦のブラに隠された巨乳とスラリとした腹部に大事な部分を隠す…隠す……すっぽんぽんかい!!
「ライトさんみちゃダメ‼︎‼︎」
恵が訓練の汗を拭くために持っていたタオルをフルーの腰にまわした。オーナーといるとこういうの多くなったなぁ。そのオーナーは目を離さずがっつり見てるけど恵に怒られた事で目を逸らした。逸らした先でユニエール様がニヤニヤと笑っていたので反対側に目をやるオーナー。ユニエール様の手でアルフレッド様の目を隠していたのにはさすがだった。子供にはまだ早いもんね
「あ、別に裸ってわけじゃないですよ。ドリアードを着てるって感じです。いくら夫に迎えたいとはいえ裸を見せるのはちょっと」
まさかの着ぐるみ?たしかに丸出しだったのに恥ずかしくはなさそうだったけど。それでもダメだという恵に従って予備の服を着たフルー。昨日は無かった膨らみがこれでもかと主張していた。だから昨日コルや零華様の胸を見てもショックを受けなかったのか
「ライトさん…どういうことですか?」
「フルーが言ってるだけだ。俺は恵が大好きだぞ。」
とか宥めてなんとかやり過ごしてたけど……
なんでみんな俺なんだろう?恵と付き合っているのは知っているはずなのに。一夫多妻制だからだろうか?なんとかして欲しい。とかブツブツ言ってる。諦めたら?
それはそうと巨乳の知り合いがまた増えてしまったのはいいことだな。目の置き場にも困るけど……なんて言っちゃダメじゃん。恵の目が鋭くなってるよ
後ろでぐすぐすと聞こえてきたので振り向いてみるとクオン様が涙目だ。さっきまでは仲間だと思っていたのに裏切られたような面持ちでフルーを見ている。それに気づいたフルーが取り繕おうと慌てだした
「ド、ドリアードは豊穣と搾取を司る精霊なのでこういう…」
「う、うわぁぁぁぁぁぁん!!!」
慰めようと近づいたフルーの揺れる胸にクオンが逃げ出してしまった。ご愁傷様
「私としては早く実験がしたいので放っておきましょう」
まさかの妹放置とは…
「それにしても精霊持ちと会えるなんて」
そういえばシオン様は精霊について知ってるとオーナーが言っていたな。まあ精霊本人がいるからわざわざシオン様に聞いたりしないみたいだ
「じゃあ始めるか」
「じゃあ上手くいったんだ?」
昼過ぎに戻ってきたコルとリビングで今朝の結果について報告しているところ
。今シオンとフルーは魔力の使いすぎでぶったおれてるから座っているのはオーナーと恵、帰って来たクオン様とコルの四人。他の騎士団は午後からの訓練をしている。
「ウフフ…巨乳は滅びればいいのよ」
あの……クオン様?
黒い笑顔を撒き散らして空気を重くしてる。ダメだ。帰って来たのは別人みたい。氷で作った巨乳の像の胸を様々な方法で削ったり砕いたり溶かしたりと狂人っぷりを発揮していた。みんなも触れる事なくいないものと対応している。触らぬ神に祟りなしってね
「ああ、これが今回の成果だ。大体攻撃系でまとめてある。これで属性付与武器の開発はいけそうか?」
プリントアウトしてきた魔法陣の束をコルの前に投げる。ざっと300枚の紙で20枚分の魔法陣が描かれている。魔方陣の概要としては中央に円が描かれた三角形や四角形、五角形 (星型じゃないんだ?)の形になっている。さらに詳細に突っ込むとその円と角の間に何らかの文字が書かれてて、そのいくつかを書き出し分別する
1、消費魔力。2、形状。3、射程。4、制御5、付与効果などとフルーが教えてくれたけど紋章の効果で読めちゃってるんだよね。紋章って便利。ちなみに1〜5を理解せずにすると無詠唱の初級なら1〜3。下級なら1〜4ってな感じで詠唱によって自動的に魔方陣が生成されるんだって。普通に詠唱して使う時はその魔法のイメージを込めた詠唱の文言で設定されるそうな。……頭がこんがらがるなぁ……
続いて初級は三角形、下級は四角形、中級 は五角形、なので上級は六角形となるはず。まぁ初級でも魔力の込め具合じゃ下級を超える事なんてのもあるから一概には言えないらしいけど。そういえば恵にバルクティンの時に使ったらしい【エクスプロード】を使わせたら七角形で魔力が3、形状1、射程が2、制御が1だった。そろそろ常識に目をやってほしい
「たぶんね〜。なんだかんだ言ってもまだ試作品の域はでないよ。今の段階じゃ一回使えば壊れると思うしさ。な〜んか一個要素が足りないんだよね。」
プリントを一枚一枚余すことなく観察するコル。私も横から見たけど、どう使うかさっぱりわからない。武器に刻むだけってことは無いよね?
「僕もこれからが腕の見せ所さ。解析して分析して、世界に無い武器を造る先駆者になって知らない人がいないくらい有名になってやるんだ」
そんな夢を語るコル。でも解析や分析はフルーの記憶を使えばすぐだとオーナーが伝えると死んだ魚のような目になった。
「ライトさん、推理小説読んでる人に犯人いうようなことは言っちゃだめですよ。」
「でもあまり時間が……いや、コル、二日間で理解してくれ。できないと記憶を植えさせてもらう。」
「わかったよ。ライトの事情もわかるからそれでいい。それからこれ。昨日作ったから早速使って見て」
と渡されたのは手の平サイズの四角い何か。何かの皮で補強されている細長い紐の先に丸い何かがついていた
「これ、通信機か?トランシーバーより小さいし……ってかスマホっぽいな。いや、まてよ?スマホを改造して魔法陣をデータにいれて……」
昨日ルナマリア様と会っている時にトランシーバーを見ていたので零華様にお願いして屋敷にある実物を借りてあげたら嬉々として部屋に飛んで行った。
こんなものを一晩で作れるくらいだしやっぱり相当な技術者だな。フリーでいてくれてよかった。
オーナーに渡したインカムはトランシーバーに使った魔力が籠っていた部品を受け継いでいるためにすぐにでも使えるけど他のは魔力がないからだめらしい。その場でゆっくりと魔力を込めていく。調整の終わったものから通話を開始し調整していく。ダイアルの色に合わせて通話先を変える事ができるみたい。オーナー達騎士団で6つ、私達従業員三人で1つ、ルナマリア様で1つ、城用としてリアン様に1つ、フルーとコルで1つ。古いトランシーバーは新規従業員が持つことになった。
「それからライトから紹介してもらった宮大工にルナマリアに頼んで話しつけてきたから投石機の量産体制…っていっても四機だけど持っていけるよ。組み立てる手順もメモっておいたから物さえあれば素人でも組み立てられるからね。ルナマリア様も眠いだろうに頑張るよねぇ」
「いきなり凄すぎだろ。っていうか昨日ちゃんと寝たか?あとルナマリアを寝させてやれ」
「いやぁ!こんなチャンスないじゃない。1分だって無駄にしたくないんだよね。ライトのおかげで魔法陣の研究が大幅に進むし、ライトの協力があるうちに進めとかないとね」
「何死ぬような感じに纏めてるんだ。勝つ為の準備をしてるんだよ。その後も役に立ってもらう」
へへへと笑うコル。
「まいど、じゃあ研究は続けられそうだなぁ。ふあぁぁ……」
「ほら、これ飲め」
眠気が取れるぞとオーナーが小さな小瓶を渡してやるとキャップを開けて飲んだ
「にゅあぁぁぁぁあああ!!!!!!目がシャキーン」
おおっすごいリアクションだな。
「んじゃ夕方にでも工房に来てよ。魔法陣の組み込みと魔導義体のテスト機の話がしたいからさ。」
わかったと返事をすると瓶も持って行った。瓶も研究するのかな?ってか魔導義体って何?
「ライトさん。今日は二人で訓練しましょう?バルクティンの性能も知りたいですし。【瞬火蹴刀】の評価もして欲しいですよ」
オーナーに気があるクオン様の手前、遊びに行くとは言えない恵の気持ちを読み取り二人で部屋をでる。なんとなく私も一緒に出る。私はどこに行こうかな?
「そうだな。たまには湖でゆっくりしようか?」
「え?訓練するんじゃないんですか?」
……失敗。本気で訓練する気だったのか。まだまだだな〜。
そうしてオーナー達は付き合う事になった湖に向かって戦闘訓練をして寝てからコルの部屋に向かった。恵は立ち直ったクオン様と訓練するようで外に出て行ったので今はいない。代わりに庭先で必殺技でも思いつかないかと思索していた私が呼ばれた。どうやら一人で女の子の部屋を訪れるのは困るらしい
「コル〜」
ノックをして声をかけるオーナー。なんか面白い事になる予感がする。
「入るぞ」
工房が広いのは当たり前だけど歩くスペースは既に半分になっている。コルは長屋を使わずに工房にベッドを持ち込んでいるらしくこちらで寝泊まりを始めている。全く遠慮ないな
コルは見える場所にはいない。何か巨大な鉱物、木材を纏めて置いてある場所がある。その奥は倉庫でそこにベッドがあったはず。そこかな?
それにしても近くの村だけなのに午前中だけで良くこんなに買い込んできたもんだな。とか考えながら倉庫の扉を開く。
「なっ!なんで服着てないんだよ」
ベッドに行くとそこには全裸のコルがいた。不釣り合いな胸を持つ健康的な12歳程度の体ががオーナーの前に立ってこちらを見ていた。
「何でって、今脱いだからだよ。」
確かにベッドの上にはコルの服が脱ぎ捨てられてるけど。これは何か?オーナーにアレを要求しているんだろうか?ってかオーナーもなんだかんだいって女好きだよね。なにも言わない割にがっつり見てるし。オーナーってロリもいける口か?ちょっと引いちゃうぞ
「ライトのエッチ。僕は構わないんだけどね。来てもらったのは採寸を取りたかったからだよ。流石に誰かに頼むのは無理と思ったから自分の体でテスト機を作ろうと考えだんだよ」
「フルーに頼んだらいいじゃないか?恵だって言えばやってくれるはずだ。なにも俺を窮地に立たせる必要はないぞ」
「フルーの身体の方が良かった?恵さんは恋人だし愛玩用でかな?ライトはそっちも凄そうだね。なんなら陛下の作ってみる?」
クスクス笑うコルにオーナーは苦笑いしかできなかった。とにかく下着くらいはつけてくれないと困ると真摯に説得することでなんとか採寸も終わった。
「この質量を基に基礎を組み立てていくから後から減らしたりできなくなるかもしれないけどいい?」
「この質量でって事はロリ巨乳って事か?それはマズイぞ。俺の趣味なんて思われたら大変だ。そこはやっぱり俺の採寸にしとこう。いろいろ面倒な事になるからさ」
コルに服を着せてから恵を呼んで採寸してもらった。ただコルの使ってる部屋だったので恵、コル、一緒に入ってきたクオン様にパンツ姿をマジマジと見られたオーナー。あたしもがっつり見てるよ
コルに下着まで取られそうになったけど死守していた。恵はともかく他国の女の子に見られるのはちょっといただけないもんね。あたしはオーナーのを見たことあるけどね〜。あと三人とも残念な顔をするってどうなの?恵とクオン様の二人は真っ赤なくせによくやる
「これじゃこの義体にはアレがつかないけど構わないかな?ハニトラ対策にはいると思ったんだけど。毒を盛ってもナイフで刺しても死なないとわかった時の相手の顔、面白そうじゃん。まぁコレはコレでアレのない男がいるなんて知ったら…ククッ。カメラ機能でもつけてみようかな?」
悪趣味なことだな。
「ただいまぁ!」
「ただいま戻りました」
「疲れたぁ」
「みんなお疲れ様、これからすぐ報告会としましょう。ライト君はどこかしら?」
メンバー達が帰ってきたみたいだな。素材だからこっちに直接運んで来たみたい。報告会って言ってるし探しに来るだろうな。早く服を着ないと瑠衣様辺りがこっちにきちゃうよ
「皆帰ってきた。表に行くぞ」
「アレは勝手に付けとくからね。測らないから自分より大きくても文句言わないでよ?」
オーナーについて工房の入り口で待つと荷馬車が入り口を囲むように停車。皆が降りてくる。商人らしき人に荷を降ろすように言うとえって顔をしていたので従業員を貸してあげたら喜んでいた。どんだけ買ってきたんだよ……
「みんなおかえり。成果はどうだ?」
と言うと馬車の方を見るように言われて視線を向けると荷馬車がさらに二台停まった。中にはフルーとコルの注文の品があった。コナーやオーナーのも。これで使う量の半分いかないと言うから恐れ入る
後は2人のフォローをする人材だけど従業員の中からコナーが選出した。まぁあたしは選ばれないから気にしない
「レギス、カリン、ウィロー、ディオナ。あなた達にフルー様、コル様の助手及び戦闘員の装備を作る業務を申し付けます」
レギスは狼獣人の男22歳。獣人っていっても顔は人の物。耳や尻尾があり、腕は覆う程の毛がある。顔は……まぁ普通かな。本人の名誉の為に言っておくと不細工ではないって感じ。罠や矢を作るのが上手く、獲物を捌いたりするのも上手い。無口だけど仕事はしっかりやる。短髪で筋肉もそこそこ。奴隷になる前は森で狩人をしていたそうなので納得。デルクリウス戦でも参加する意思を見せている
カリンは羊獣人の女15歳。編み物や裁縫が得意。常に両腕を胸の前に構えて不安そうにしている。オーナー曰く、ゆっくり慣れればいいとの事なので基本人族は近づかず従業員同士で接するようにしている。だけど今日からはそうも言ってられない。頑張って貰おう。ちなみに可愛いとは思うけどユーリカには敵わない。デルクリウス戦では輜重隊及び食事の用意などをする事になってる。羊獣人は巻き毛が基本なのに何故かストレートな頭髪をしてるのが特徴だ。もう一人の羊獣人の女の子のポーラとは仲がいい
ウィローは鍛治師見習いの犬の獣人男だ。何故そんなのがここにいるかというと彼は借金を重ね過ぎた借金奴隷だ。金属を扱う事はできるけど素材集めが苦手な彼。その為素材を購入し製作、販売するのだけど採算が合わなくなり最後は自分を販売する事になった。その後は戦闘奴隷として売られここに来た。彼としては拾ってくれたオーナーに感謝してるらしい。ホントは素材も一級品だし作りたい放題なのが嬉しいだけなんじゃない?コナーがいるから無駄遣いはさせないよ?
ディオナは白猫の獣人女性だ。元冒険者という私と同じ立ち位置でランクは下から三つ目でDランク、駆け出しだったそうな。彼女自身冒険者以外に特に何かをしていたわけじゃないけど割と器用だった為起用された。デルクリウス戦にも出るそうで陰ながら期待している。武器は短剣と鞭で近、中距離をメインに鍛えていたそうだ。獣人度合いでは耳、尻尾、髭以外に背中に獣の毛が生えている
「……了解」
「は、はぃ……」
「うっす」
「わかりました」
自己紹介の間に合流したフルーの記憶を女性に、コルの記憶を男性に【ハートリード】で転写するオーナー。女の子はフルーに、男はコルについて工房に入っていく
「さて、絶対間に合わせるから。そっちも死なないでよ?」
コルが離れ際ちょっと真剣な顔で言った。彼女もオーナーを死なさないように頑張ってくれている。みんなの為にも勝とうね
「頼むよ。俺も俺のできる事をする」
コルは満足気に頷くと工房に姿を消した
「差し当たって何をなされますか?」
「そうだな。新しい魔法でも考えるか」
「いい感じな事を言ってた割に何も考えてないんだ」
店長からの厳しい一言に苦笑いをするオーナー
「仕方ないだろ。神獣モードに【魔法構築式強制連結】する以上の強化方法がないんだから。新しい魔法で戦術の幅を広げるくらいしかないんだよな」
「新しい魔法って兄さんみたいな強化する魔法作れないの?他人を強化するみたいな」
「できなくは無いと思うけど、フルー的には自分の魔力が届く範囲しか無理そうだし、魔力も膨大にいると予測しているみたいだ。何か接点があればもしかしたらとか考えるけど……」
「んー。それってその接点が忍ちゃんっの魔力って認識できればいいのかな?」
「さあな。やってみないとわからない。忍の細胞でも埋め込んだ何かを作るとかか?」
「細胞って……他にいい方ないの?爪とか髪とかさ。あとは……血かな?」
でも他人が自分の髪とか爪とか持ってるのは気持ち悪いよねぇ
「コルの視点でまともなやつは龍の鱗の粉末を魔法を増幅させるミスリルに混ぜて合金化、メダル状にしてそこに魔方陣を彫り込み龍の血液と術者の血を混ぜた染料を埋め込んで繋がりを持たせるって感じだな」
「……それが一番まともなんだ?」
「他には……いや、止めとこう。」
うわぁ……他のを聞くのが怖い。コルの事だしやるってなったらどんなマッドな事でもしそうだもんね
「とにかく魔法の道具を作るのには賛成だ。強化余地のない俺が担当するから忍はユニエール様に協力してもらって新魔法を作ってくれ。それまでは試作品でも作っておくから」
「ん、わかった。クオンさん。お願いできますか?」
「は、はい。なんなの?魔法の道具……常識が崩れていく音がするわ……」
まだ残っててよかったじゃん。まぁ店長が残っていた常識もこわしそうだけどさ。屋敷に戻る二人を見送りながらショックを受けるクオン様に同情した
「んじゃ、俺は適当な山でミスリルでも探してくるわ。全然売ってないんだぜ?」
「それはそうです。貴族の方が買い占めていますからね。いつもの二倍の値がついていますから。武器の作成に使えば三倍の値で店頭に並ぶでしょう」
無駄な足掻きをするねぇ。使う人間が使わないと宝の持ち腐れになるのにね
「さて、私も行こうかな。そうだ。ライト君。ルナマリアにお願いがあるから鍵貸してよ。【シールド】で行くのもいいけど早い方がいいからね。今日は泊まりかもしれないからごはんはいいわ。」
「はいよ」
鍵を投げ渡すオーナー。受け取るとすぐに屋敷に向かって歩いて行った
「えーっと、私はどうしよっかな?」
「瑠衣ちゃんは私と戦闘訓練しよ。強化のみでタマに勝てるように頑張ろう?」
「アホかっ!あんなS級に二人で魔法無しで勝てるかぁ!んなことするくらいなら私も城に行ってルナマリアに回復魔法でも教わるっての!」
「あ、そうだ。回復魔法のデータをルナマリアからコピーしたんだった。ほれ」
瑠衣様の頭を鷲掴みにして紋章を起動。【ハートリード】を使ったみたいだ
「これで回復魔法も使えるだろ?ほらタマと戦ってこい。回復魔法だけはありにしたらいけるって」
「じゃあ行こう!」
「ちょっ!あっ!いやだぁぁぁ!!」
「……もうやだ」
「グルル……」
「さぁ立て。ここからが本番だだって」
「文字数とセリフ全然あってないけど、あんた、ちゃんと意思疎通できてるの?」




