正規雇用者二名——コナー
「さて、何処かな?」
ライト様が【探索】で城内を探すとルナマリア様は会議室にいるそうです。二階に行きましょう。堂々と城内を歩くライト様の後ろをキョロキョロと周りを見ながらついてくる二人。カミラはあまり来ない割に堂々としてますね
「今から女王陛下と会うから二人は俺についてきてくれ」
「わかりました」
「オッケー」
二人の亜人を連れ二階へ、城に入るのは初めてだからかあちこち見ています。お上りさんかと言われてしまいますよ。まぁ用事がない限り入る場所じゃないから仕方ないかもしれませんが
「旦那様、私達がいて迷惑はかかりませんか?」
階段を上がりながらフルーさんが言った。
「……。ライトと呼ぶこと」
「え?雇用主だからそれでいいと思ったのですがいけなかったですか?」
「じゃあご主人は〜?」
「どっちもだめだ。むず痒い。ライトでいい。っていうかもっとフランクに頼む。俺の周りはみんなそうだからかな。本当はコナーやカミラもそうしたいんだけど……」
どうだ?とばかりに私に目を向けてくるも答えはノーです。私達はあくまで奴隷。ライト様が侮られるような事はしたくありませんから。奴隷解放後は私の心の中でしか言っていないライト様と呼ばせていただきます。……二人きりの時はライトと呼んでいいでしょうか?
「わかりました。ではライト、どうでしょうか?」
「俺に同行してるなら問題ないと思う。ここだ」
会議室横の待合室の扉を開け中に入る。隣にはルナマリア様と他数名が話し合いをしているみたいですね。何を話しているのでしょうかか?作戦会議か何か?
「どうやら寄ってたかって一人を責めているみたいですよ」
フルーさんが聞き耳を立てているけど扉にくっついたりはしていない。素で隣の音をひろっている。凄い聴力
聞こえないので素直にバルコニーから近づこうとするライト様。バルコニーを静かに開き隣に移った。なんかストーカーな感じがしないでもないけど……あと二人とも変な目で見てはいけませんよ。カミラも指ささないの
ライト様がいなくなったのでバラバラにおらず四人固まっていましょうか。何を自由にさせていると言われてしまいますからね
——ちっ、チンピラ貴族が……
ん?いまライト様の声がしたような……?あ、もしかして紋章の能力ですか?身体能力の他に五感も強化されるのでしょうか?……推察するに私がフルーさんに近づいた事で影を踏んでいる為フルーさんの聴力が得られたのかもしれませんね。
ふむ、影から脚を離すと聞こえなくなったから後者のようですね。すると影をくっつけているだけで繋がった相手と同じか、もしくはそれなりの力を得ることができるのかもしれませんね。
魔力で影を操りながら部屋の反対側の壁まで行って耳をすますとまだ聞こえます。フルーさんがいる位置は壁から10メートルほど。少なくとも有効範囲はそれくらいはあるようですね。今後の調査が必要です。とりあえず【影法師】とでも名づけましょう。役に立つといいのですが
「コナー?なにしてんの?」
「いえ、少々きになる事が、それよりオーナーの方を気にしましょう」
【シャドウライン】を解除しライト様に繋ぎ直す。これでライト様の様子が伺えます
「陛下、今一度言わせて頂きますが、被害の少ないという予想だけで我が領土から徴収しすぎなのではありませんか?これでは我が地は廃れてしまいます!王都からももう少し物資を与えて頂きたい!」
バンっ!と隣の私に聞こえる程の机を叩く音が聞こえる。声を荒げ食ってかかるような態度をルナマリア様に向けていた
「我らは戦地にほど近いため治安が不安定になってきております。王都からもう少し人員を割いて頂けませんかな。その分の食料の融通も加えて申告いたしますぞ」
慇懃無礼な態度でルナマリア様を上から目線で言う貴族。まだルナマリア様が若いから軽視しているようです
「しかし王都とてかなりの出費をしています。皆にもこの苦境を堪えてもらいたいのです。これ以上王都から削れば治安は荒れ、物資は消え餓死する民もでてきます。私は民を見捨てたくはないのです」
「だが施政者あっての民でしょう。このままなら我らが先に倒れてしまいます。それとも陛下は我らなどどうでも良いと申されますか?」
それは極論でしょう。確かに貴族様よりかはずっと軽い命かもしれませんし貴族様の食事と平民や奴隷の食事は違う物だとは思います。しかし両方生かす方法を取られるライト様を知っている私からすれば程度が低く見えますよ
「そうは言っていません!ただもう少しだけ耐えて欲しいと言っているのです。」
「ではそれはいつですか!?」
「そ、それは」
しつこく食い下がる貴族にルナマリア様がたじろぐ。チャンスとばかりに突っ込んでくる
「どうか金貨で一万枚、食料を千キロ都合していただきたい。それができぬなら毎年の税を軽減していただきますよ。いいですね。」
——「あー。俺って堪え性ないな。」
政治に首突っ込みたくないんだけどな。でもルナマリアがあれだけ一方的に言われてしょげてんのに何もしない訳にはいかないよな。
というライト様の考えが流れ込んできた。窓から入り低俗な貴族Aの肩にタッチ、記憶を読み取ると攻撃できる情報を選択し突きつける主人。
「いいわけないだろ。だってあんたの領地の税収と支払額の差はおかしい。金を溜め込んでるはずだ。表向きは宝石、宝剣、絵画を集めで資産を増やしてるように見せかけ、裏じゃ奴隷を買い込んで酷使しての農作業させ近隣の領土を荒らさせた後高値で売りさばいているようだな。儲け額は金貨計算で100万枚程…悪どいことしてるな」
「なっ!誰だ貴様は⁉︎」
低俗貴族Aは自分の悪事をバラされ顔を真っ赤にしてからルナマリア様が聞いていることに真っ青になった。
「団長殿…」
ルナマリア様がライト様の方見て安堵の表情を浮かべた。
「ああ、帳簿は寝室の絵画の裏の金庫、金庫の鍵はは愛人のメイドが持ってるらしいな。陛下、税務官を送るべきだと思いますが?」
隠し場所まで暴かれたクズ貴族は真っ青な顔で項垂れた。最初から嘘なんてつかなけりゃこんな目に合わなかったはずなのですがね。藪から蛇が出てしまいましたね
「え、ええ。それが本当なら厳罰に処せねばなりません。」
高速移動で全員にタッチ。【ハートリード】で読み取る悪事のオンパレード。腹黒過ぎでお気分を悪くされたでしょう
「それからあんたは自分の館ばかり護って領内の街や村は放置してるな。領主館に傭兵三百人はビビりすぎだろ。他にまわしてやれよ。雇いすぎで食料がないだけだろうが。治安が悪いのも傭兵が荒らしてるみたいだな。知ってるのに規制をかけないのはどうかと思うぜ」
「ぶ、無礼な!」
ライト様に暴露され顔を赤くする。無能、臆病と周りが見てる中いわれ貴族Bが怒り出されましたが今更上に立てると思わないことです。ライト様も腕力に物を言わさないだけで結構苛立っておられますよ
「ん?陛下に嘘ついてまでぼったくろうとする奴とどっちが無礼なのかな?それでみなさんも陛下にたかりにきたのですかね?俺は見逃しませんのでお気をつけを。埃がでなくなるまで叩いても構わないのですよ。」
後日、復讐されるのを嫌ったライト様は全員の黒い部分を単語でつついていった。ルナマリア様なら単語一つから辿れるだろうし制裁はこんな所なのでしょう。ネームレス様がいるのでもっとキツイことになるでしょうが
「では皆様、陛下は忙しいので会議はこの辺で幕にしましょうか。お疲れ様でした」
強制的に会議を終わらせるライト様。会議が終わったというのにルナマリアがライト様に話しかける気配はない。ライト様も特に話しかけない。自分から動き出すのを待っているみたいだ。フルーさん達にこっちに来るように言っておこう
みんなにライト様が出てくることを伝え扉の前で待機します。
ゆっくりと開く扉の向こうにライト様と席につきながら書類を見たまま微動だにしない陛下
「ライト、どうしたんですか?」
「なんかあった?」
「少し待機だ。ルナマリアが立ち直るのを待つ」
会議室を開けっ放しに待合室のソファにかけるライト様。【アイテムボックス】から水を取り出し飲んだ。フルーさんとコルさんが度肝を抜かれたような顔をしていますからね?もっと隠してくださいな。とにかく口止めはしておきましょう
「いいえ。問題ないわ。少し疲れただけだし」
ため息混じりに立ち上がった。相当疲れが溜まっているようす。あの様な輩の相手をすればそうなってもおかしくないでしょう。ただでさえ仕事に追われているというのにお労しい
少しくらい休ませたいのに本人が休まないと意味がないんだぞ。とライト様が注意すると苦笑いして誤魔化す陛下。仕方ないじゃない、という声が聞こえそうです
「鋼介はきてないか?会いにいけと言って別れたんだけど、この様子だとまだのようだな」
ルナマリア様は思い出すような仕草をして話だした。
「多分自室に行ったと思うわ。会議が始まる前に見かけたわよ。それより後ろの女性はどちら様かしら?新しい女?」
「ああ、二人はエルフのフルーとドワーフのコルドだ。今回の戦争で俺達のフォローをしてもらう。それと新しい女ではない」
じと目でライト様を見るもライト様の言葉に笑うルナマリア様。分かっててからかったのですね?もしくはご自分より序列が低くライト様をとられなければ良いといったところでしょうか?
「よろしくお願いします」
「雇用してもらいました」
簡単な挨拶を済ませ会議室を出る。後片付けにはいってきたからです。ルナマリア様とライト様を先頭に執務室を目指す
「今日あったことを話すよ」
カミラの紹介で冒険者ギルドで二人と会ったこと、冒険者ギルドと商人ギルドの協力を取り付けた事、ギルドの報酬が多額で国庫に寄付するつもりだということ。他にも税率問題からの保障とかも説明した
「あぁ……また苦労をかけたわね。いつもごめんなさい。」
「構わないさ。助けて欲しい時は頼ればいい。できる範囲で助けるから。」
ルナマリア様の琴線に触れたらしく華が咲くように微笑んだ。やっぱりこの方は笑っている方がいい。
「二人の空気つくっちゃったよ。あ、もしかしてライトの恋人って陛下なのかな?」
コルさんとフルーさんが話し合っているけど、それ当たりですよ。言わないし、否定もしないけど
それはそうと二人の事を屋敷に連絡しないと急に連れて帰ったんじゃ執事長だって困りますよね。主人が友人を急に連れて帰ったら奥さんに怒られるパターンです。怒られないためにもちゃんと連絡しよう
ルナマリア様にお願いしてライト様の魔力で強化したトランシーバーを貸してもらい屋敷に連絡した。出たのはユーリカですんなりと話が通ったのにはホッとした。
ちなみにギルドで別れて以来鋼介様は城の自室で寝たままみたいです。
「放って置いてもちゃんと帰ってくるだろ。っていうか用事くらい済ませてから寝ろよな」
愚痴るライト様を横目にルナマリア様にトランシーバーを返して別れの挨拶をする。ライト様はまたすぐに戻りますからね
ちょっと寂しそうだったけど今日は帰ると言って出てきたし買わなくちゃいけないものもあるしと理由をつけて後にした。まさかルナマリア様を連れて帰るわけにはいかないですよね?え?屋敷で仕事をする?ごちゃごちゃしてますが大丈夫なのですか?私達が帰った後ライト様が来るのだから我慢してくださいね
「二人の部屋は確保できた。今から帰るけど必要な雑貨があれば買って行くから選んでくれ。」
「すみません。ライト」
「ありがとね〜。」
そうして大急ぎで雑貨、本屋、宝石商、服屋をまわり最後にカミラの案内で潰れた工房に向かいます
「ライト様、お待ちしておりました」
「ん、ありがとう。水髪」
入り口で書類を胸に抱えたまま立っていた水色の髪のネームレス様。ライト様を見つけると薄っすらとだけ微笑みお辞儀をされました
「こちらがこの工房の所有証明書になります。穏便に譲っていただきましたので安心してくださいね」
「その穏便にって強調するところが怖いな。とにかく問題ないんだったらいいか」
水髪ネームレス様が渡された書類をそのままスルーして私に渡すライト様。受け取り鞄に詰め先に進むライト様に小走りで追いかけます
扉を開け中を覗くと流れてきた空気に埃が舞い散る。ずっと手付かずだったのか掃除すらしていないようですね。木でできた入り口を越え中に踏み込みます。広さはライト様の部屋二つ分くらいでメイン、サブ、小間使い二人くらいで使っても広いくらいでしょう
内装は四方の壁の内二面が壁に机が取り付けてあり、残り一面には今は働く事のない炉が静かに佇んでいた
あとの一面は隣の部屋への扉が二つ、倉庫と水場だった。ポンプが繋がっている訳ではないから汲んでくる必要があるけどウチに移転させるなら問題はないですね。
このサイズの広さと設備なら……金貨二万五千枚くらいでしょうか。
はっ!……まさか
鞄から証明書を取り出すとその下から一枚の借用書が出てきた。それはライト様がルクレツィア様から二万枚の借金をして購入したというものだった。予想よりは安く買えたようですが、まさかそうくるとは……
借用書の最後にルクレツィア様のサインと共に笑った顔のマークがあった。ルクレツィア様も何してるんですか……
「飯は屋敷か長屋の方で食べればいいし、風呂もオッケー、部屋もある。戦争後まではこっちの注文と必要な装備を作ってもらう。構わないか?」
ライト様が二人に最終確認をする。食材などなら私達でどうにでもなるけど、装備までは手が出せない。今から新たに探すのも何だしカミラの紹介でもある二人。色いい返事を期待します
二人を見ると互いに目を合わせ頷く
「僕はオッケーさ。賃金は安くてもいいよ!いろいろやらしてくれるならね!」
「ここを好きにしていいのですか?大盤振る舞いですね」
「コナー?勇者が仕入れに行ってくれるなら二・三人あくよな?助手に回してくれるか?」
「了解です。屋敷に戻り次第、器用な者を選んでおきますね。【ハートリード】で助手のサポートはお願いします」
もともとの器用さはドワーフに敵うわけありませんが近い事は出来た方がいいでしょうからね。
コルさん達にはライト様の、助手には従業員の装備を製作してもらうことになりました
「さて、と。じゃあ持って帰るか」
「持って?」
ライト様に押し出されるように外に出ると零華様がやっていたような【シールド】での武器精製をされました。見た目は超巨大な斧です
あんぐりとしている二人を他所にドヤ顔を決めるライト様。水髪様が微妙な顔をされていますよ?評価が落ちたのかもしれません
超高密度かつ紙ほど薄く堅いそれを振りかぶり土台へ打ち込み……いえ、一撃で建物と地面を切り離してしまいました
切り離して出来た隙間に【シールド】を差し込み数センチ持ち上げると半透明な板の四隅から空に向けて伸びていく。さながら空間を切り取るとでも言える行為は建物を覆うと後方の一辺だけ更に伸び建物の二倍の長さへ。建物の高さに合わせ縦長の面は半分辺りで切れ目ができ、そのまま前に倒れてくる
「ん〜。99番」
下手な数字を打つよりわかりやすい数字を選ぶライト様。超巨大な【アイテムボックス】の正面に数字が表示され、次の瞬間にはあたかも初めから僅かな土台しかなかったと思えるくらいスッキリとした空間になった
「なっ?何が?」
「うおー!!消えた!!消えた!!ライトすっごいんだ!?」
私はライト様の能力を知っていたからあまり驚きませんでしたが、初見の二人には何が起こったかも分からないでしょう。とはいえご自分の協力者だからといって見せすぎだと言わざるを得ないですね。あとでお怒りになられても言っておかなくてはなりませんね
「さて、あとは屋敷に帰ってからにするか。コナー?【アイテムボックス】は使えるようになったか?」
「いえ……、流石に数時間では……申し訳ありません」
「いや、いいよ。二人とも荷物貸して」
二人とも荷物をライト様に渡すと100番ボックスに荷物を入れていきます
「よし、と流石に秘密の移動法は見せられないし街の外に行くか」
やっぱり【シールド】が関係しているのですか??え?お楽しみ?
それ以上は答えていただけなかったので話を変えましょう。二人が作るという魔法の道具について聞いてみる。
大まかに戦闘系、補助系の魔法を魔法陣に書きおこし使用する魔道具の様だと理解した。
もちろん私は魔法陣なんて見たことないし既存の技術じゃ作ることはできないだろうけどフルーさんにはそれができてコルさんにはそれに適合する道具を精製することができるらしい。ただし今は初級の魔法だけらしいけど
「それより気になったのは内燃機関と魔力供給システムだ。研究し始めで形にもなってないって言ってたけどこれは……魔力で動く物が作れるってことか」
「そうなんだよ。話がわかるね」
「うん。よく聞くのは魔導兵器ってやつだな。人間の形をした命のない人形がポピュラーか。」
「おっ、その話プリーズ」
しばらくライト様はご自身の記憶にある似たような話を思い出せるだけ思い出し記憶転写をしてあげていました。ついでに私もお願いするといろいろ流れ込んできました。頭がいっぱいです
流れてくる記憶に混乱していると、いち早く立ち直ったコルさんは今までに無い情報量に今は開発意欲を燃え上がらせている。コルさんは開発部長を任命しよう。ライト様が倒す魔物で製品を作ってもらい販売する。うん、新しいお店が出来そうですね。
「それよりドラ○もんやコ○助、あの州知事がやってたターミ○ーターからどんな物が産まれるのか楽しみだ。ついでに機械工学を植え込んでおこうかな。フルーは何に興味がある?」
彼女は薬学と魔法学(仮)に精通してるみたいだけど両方知識がないのでそれは無理。うーん。甘い物好きみたいだし料理かな?しかし料理なら店長が……
「生物学と植物学を、よろしければ畑を作らせてもらえば医薬品、毒、食料問題にも手を貸せますが?」
「生物学と植物学か……ウチに資料あったかな?畑は許可しよう。うちのバカが荒らした場所があるからその一帯を任せる。人手が必要なら雇えばいい。コナーに許可を得て経費で落として構わない。戦後には従業員を増員するからそれまでは今いる従業員でやりくりしよう」
「わかりました。畑は出来るだけ早く展開出来るようにします。当面はギルド依頼品での作業中心になります」
頷くライト様。仕入れては多少減るかもだけど数日分なら問題ないでしょう。
門番の方に挨拶すると街の外に出て木の陰に入る
「この辺りでいいか………四人は目を瞑れよ?門外不出の技術って奴だ」
言われた通り目を瞑り視界を遮断する。直前に見たフルーさんとコルさんは目を瞑っていたけどカミラは薄目を開けていた模様。私が瞑った後に一瞬の点滅後「うぎゃっ!」というカミラの声がしましたからね。
「カミラは明日一日中俺たちの相手な?」
「なんとっ!足腰が立たなくなってしまうよ〜」
「誤解を招くような発言はやめろ。カミラとはそういう関係ではないからな?戦闘訓練だ。戦闘訓練」
二人から恵に行かないよう念押しするライト様。目潰しを食らったカミラを【シールド】に乗せて(声や魔力を感知しています)準備するライト様
「あ、悪い。コナー、手を。二人も繋いでくれるか?」
一旦目を開け差し出されているライト様の手に触れます。
まぁ、手を引かれなくても魔力感知や匂いでついていけますが……ここはライト様と手を繋ぐチャンスです。ですが下心を悟られないように……
「いや、コナー。指先だけで大丈夫か?しっかり繋いでくれ」
「あ、あら。私とした事が」
「コナー、子供じゃないんだから。いくら好——」
「カミラ。お黙りなさい」
咄嗟に影を操作、伸ばした影をカミラの影の頭部に差し込む。
「……!?……?……!!」
その場でその座った状態のまま顔を真っ赤にするカミラ。ん?息が出来てない?慌てて影を引き抜くとぜぇぜぇと荒い呼吸を繰り返している
「酷いよ、コナー。死ぬかと思った。息も絶え絶えだよ……」
「【影縫】とでも名付けるか?」
「オーナーも少しは焦ってよ……」
悪かったとは思いますが今は言うべき時ではありませんから。
ライト様には聞こえなかった模様。今まで通りの態度で良さげですかね。
ちなみに【影縫】は自分より魔力の弱い相手の身体の自由を奪う、相手の魔力より強い魔力で使うと相手は魔力が寸断される。敵意を持った強い魔力で使用すると先ほどのカミラの様に会話もできず、音も立てず窒息死させる事が出来そうです。魔力の込め次第で威力が変わるようですね。相手より少し強い魔力を使わなくてはいけないので相手をよく見て使わなくてはいけませんね。要訓練ですね
そんな考察をしながら屋敷に帰るとライト様。二人を引き連れてダイニングいた恵に会うと冷たい目で見られた。全員仲良く手を繋いでますからね。仕方ありません。何故ずっと繋いでいたのでしょうか?ラッキーではありましたが、恵がやきもちをやいてしまいましたよ
それにしても一瞬空気感が変わったと思いきやどこか狭い部屋に入ってまた先ほどの様な場所を通り目を開ければ屋敷にいるとは……魔法使いの夢とされる転移魔法なのでしょうか?全く底の見えない方ですね
「どうしたのですか?カミラ?何をごそごそしてるんですか?」
「オーナーが通った小部屋から持って来ちゃった」
「そんな時間もなかったでしょうに……それで何を?」
「ん〜、英和辞書って書いてある……ん?中身と合わないよ…………。…………。わっ!これエロ本だ!!オーナー、えっろー!!」
「これは……研究しなくては」




