パレード——ライト
シオンと別れ先に戻ったルナマリアを追って城内へ。飛竜騒ぎのため騒然した廊下を歩くと補修材を担いだ男達が慌ただしくすれ違っていく。目を擦ったり欠伸をしたりしているところを見ると、夜番の人間も引っ張りだしてきているようだ
ルナマリアの居場所を聞くと会議室にいるらしい。ラドニー殿や軍属貴族と夜番だった兵士の配置を決めているのだろうな
中央階段を上がり会議室を目指す
「うわ、すごい人」
騎士が廊下の壁一面に並んでいる。御霊送りの後に起こされたのか着衣、装備は色合いのあるものになっていた
入り口はひっきりなしに人が出入りしていて、入る隙がない。休憩を兼ねて横の待合室で待機、人が減るのを待つ
「それにしてもあの合成術はよかったな」
「決め技にはなるわね」
今のところ三パターンの合成術がある。いずれもかなりの効果を発揮しているな
「ドラゴンも大したことないな」
待合室の果物を食べながら言った。もう少ししたら昼飯なのだけどな……我慢しろよ。ドラカツ食ったくせに
「調子に乗らない。ライト君が作戦立ててくれたから勝てたようなものよ」
「ライトさん、あの、私達も、その……二人の合成術が欲しいです」
遠慮がちだが『二人』のところは強めだった。うん。いいね。
「そうだな。考えてみようか。」
恵と向かい合わせに座り話しを始めようとすると待合室の扉が開く
「あら。皆、ここにいたの?」
ルナマリアが会議室から直接、待合室へ入ってきた。顔は幾分疲れている。昨日からのストレス続きだから大変なのは間違いない
「忙しそうだったからな」
「皆こそ大変だったでしょう……聞くことがありそうね。ご飯にしましょう。昼食をとりながら聞くわ」
事あるごとに連絡事項があるんだしそうも思うよな。さて、どこから話すか……
証拠以外はすべて揃っているが、今すぐ行動にでる訳にはいかない。伝える順番は大事だ。良く考えた上で伝えるのは大臣、マウリーの死亡報告だ。戦闘前に吐き出された大臣だったものが森にあるだろう事。鎧龍についても話しておく。
そして式の間、裏で支配しているティアマトの事は言わず、あえてアスツールが黒幕と言うことにしておく。
ルナマリアならアスツールが魔神と手を切るなら助けようとするかもしれないからだ。だけど、それは同等であることが条件になる。すでに条件から離れたのだし無理だ。
「悪事を今すぐ言ってしまうと確実に戦争体勢になる。ここは我慢して戦力の増強の猶予を優先しよう」
機会があればアスツールに鎧龍の話でもして反応を見たい所だ。化けの皮が剥がれればいいんだけど。もしくは牽制になれば好都合
「ええ、わかっているわ。それより次は即位式よ。忙しいけど頑張ってね」
「ああ」
「じゃあ、私は先に準備に行くわね」
いつのまにか食べ終わっていた。相変わらず食事に時間をかけないのは変わらないようだ。待合室をでて中央階段の方へ歩いていった
「怪我、治してもらえばよかったんじゃないですか?」
「式に集中させたほうがいい。無駄に精神力を使うことはないだろ」
食べ終わり窓の外に目をやる。この後は再び護衛だ。さっきとは違い、騒ぎになることが容易に考えることができる。暗殺狙いならこっちがメインだろう。騒ぎに乗じて……というのはセオリー。気をつけて行かなくてはならない
問題はもうろくに紋章が使えない事だな。連日戦いすぎている。【シールド】だってきついかもしれない
「兄さん、フォローはするから一人で考えないで」
悩んでいるとき顔にでやすいのかもしれない。忍が心配そうにみていた
「そうですよ。たまには任せて下さいよ」
「わかった…時間だ。皆準備してくれ」
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各自一旦解散して自分の礼服、ドレスに着替えに向かう。もちろんメイドさんがついてくるんだけどもう慣れたよ。別にパンツまで脱ぐわけじゃないしさ。絶賛パンツにカッターシャツ姿さ
「なぁライト、一つ頼みがあるんだけど」
服を着替えた鋼介が唐突に言った。見ると目は泳いでいた。何か重要な事なのだろうか?
「なんだ?」
メイドさんが持っている服に袖を通し、その上から金色の刺繍の入った赤いマントをつける
「ダンス……をさ。教えて欲しいんだよ。なっなっ!」
俺の胸元を掴み懇願してくる。いつもの軽い感じではなく真面目な顔だ。何がそんなに駆り立てるかは知らないけど普段からそうしろ
「なんだ?相手役なら断る。何が楽しくて男と踊らにゃならん?」
「ちげぇし。ほら、お前の【ハートリード】だよ。コピーしてくれって言ってんの。俺頭悪いから器用にできねぇし……だからと言って零華に恥をかかしたくないんだよ。ライトにだからするお願いだ。頼む。俺の為じゃなく零華の為に」
少しだけ感心した。いつもよりも魔神と戦う時よりも零華に一生懸命じゃないか。零華本人にこの姿を見せてやりたいくらいだ。外から見ていると鋼介が惚れてるのは明確なのに素直ではないのは損してるな
「モテたいとかいうなら断ってたぞ」
胸元を掴んだまま顔を上げてくる。やめろ。顔が近い。メイドさんも興味津々に見てくるな。顔を赤くするな
「じゃあ……」
「いいぞ。自分の為じゃないみたいだからな。魔力が回復しないと無理だけどそれでもいいならな」
時間があけば紋章がある程度力を取り戻すだろう。もう戦闘や術に割く余裕はない
「わかった。恩にきるぜ。上手くいったら、飯でも奢らせてくれ。地球の方でな」
「楽しみにしてやるよ。あ、恵との二人分だからな。」
苦笑いを返す鋼介。乱された服を直し廊下へ出る。相変わらずの人の多さに辟易するけど事態が事態だ。我慢しよう。
「ところでよお。即位式はさっきの教会でやるのか?」
鋼介が中央階段を降りながら言った。やっぱり把握してるわけないよな
「遺体はそのまま安置される。そんなところでは出来ないだろう。教会所有の大聖堂前広場で開かれる」
一般人でも出入り自由なのが先程警護していた建物で大聖堂はその更に奥、一般人は立ち入り禁止。王族はともかく普通の貴族でも制限がかかる場所だ
「ふぅん」
まったく気の抜けた返事だ。だったら聞くな
中庭に三国の馬車が待機していた。今から大聖堂へ向かうのだろう。他の二国に変わった所はない。あるのはメディリシア帝国。会食の時の側近二人とエルゲニアについた時にはいた三人も消え顔ぶれが変わっている。アスツールの様子も昨日と違う。明らかに苛ついているようだ 。大きな声を出すことしばしば。思い通りにいかないのだから仕方ないのかもしれないがあれでは情けない
「鋼介、何も知らない振りだぞ」
「分かってるよ。今それどころじゃない」
頭の中ではひたすらシュミレーションしているようだ。残念なことにまだ記憶は渡していない。
鋼介が無駄に終わるシュミレーションに翻弄されている間にメディリシア、トラファールが出ていった。シルバールも動きだし城門へ。馬車の横を護衛していたシオンがこちらを見つけ微笑んだ
「鼻の下伸ばしてないで行くわよ」
伸ばしてないし。声のかかった方を見るとドレス姿の4人が後ろに来ていた。地味なローブではなく色彩鮮やかな衣装に身を包んでいる。
「恵のドレス。お城で注文した物なんですよ」
「どうですか?」
初めて見る恵用のドレスは他のメンバーと同じで本人の紋章色と同じ赤、特に柔らかい生地を使い重ね花のようなドレス
窄まった肩部に全体が白く手首だけ赤いグローブを付け耳にはシルバーのイヤリング
「これ、零華さん達が誕生日にくれた物なんですよ」
誕生日の日のように髪を纏め、唇にはピンクの口紅。瑠衣と違い子供ではなく、歳相応の女の子だと印象付けている。初めて見せる衣装の時は恵はいつももじもじしている。俺の言葉を待っているようでチラチラと様子を伺っている
「俺のプレゼントしたものも好きだけど、こっちもいいな。恵のイメージによく似合ってるよ。可愛いよ」
「ありがとうございます。嬉しいです」
「はぁ。俺もあんな風に言えたらな…」
俺達のやり取りを見ていた鋼介は自分の語彙の無さや頭の悪さを今になって悔やんでいたけど知らん。もっと素直に言えたらこの状況を抜けられんじゃないか?
ダンスはともかく自分でどうにかしたい事もあるんだろうな。まあ自分次第だと言っておこう。相手への言葉まで誰かの力を借りたくはないだろうしな
「どうしたらいいんだよ」
いつまでも悩むなよ。今は式に集中してほしいんだが
「鋼、行くわよ!」
零華が馬車のステップに足をかけながらいった。先に乗り込んだ零華に続き馬車に座る鋼介
その後ろにはルナマリアの乗る馬車がある。かなり大きめで二階建ての建物くらいある10頭引きの馬車だ。見た目が某夢の国のパレードのフロートに似ていて馬車の中にあるもう一つの扉からお立ち台に行けるようだ。体が周囲から丸見えになるからこの時は注意だな。行進に参加する馬車も結構大きめで死角になる部分が多い。正直邪魔だな
ルナマリアは乗り込んでいるようで扉の所でリアンとなにか話していた。王妃も乗っているようでイリアさんも近くにいた。女性騎士の正装バージョンのようで凄くさまになっていた。一応挨拶しておこうか?いや王妃に捕まるのは嫌だな
「……」
「ライト?どうかした?」
ルナマリアが馬車の窓から顔を見せた。沈黙したままだったから変に思ったのかもしれないな。
王妃もこちらに気づいたけど何も言わない。俺は頭を下げ挨拶だけしてルナマリアに顔を向けた。今朝からやっぱりおかしいな
「ちょっと考え事を。」
「式の間は集中してね」
「わかってるよ。俺より先には進ませないから安心しろ」
微笑んで返事をしてからラドニー殿に合図するルナマリア。ラドニー殿の号令で馬車がゆっくりと動きだす。付き添うように馬を歩かせ門を出る
行進を囲むように歩く楽隊がルナマリアを祝福する音楽を奏でていく。民衆の声に窓を開け手をふるルナマリア。その度に沸き立つ国民。俺達が知らなかっただけでルナマリアも国民うけしてるようだ。この先もっと貢献してルナマリアを崇めるようにしてやるぞ。民衆を味方につけておけばクーデターを起こそうなんて奴も出てこないだろ
今後の活動計画を練りながら周囲に気を配る。【探索】もできないからしっかりと自分の受け持ちエリアを守る
飛竜の件もあったのでほぼ全員の騎士がでているのだろう。馬車の周りだけでも数えきれない人数に加え、外壁通路、建物屋上、水路、路地裏まで敷き詰めたように騎士が立っているさすがに飛竜のように空を飛べない限りは何も出来ないだろう。もし来たら無茶を承知で【アクセス】で瞬殺してやる。反動は怖いけど他国の王やルナマリアになにかあってからでは遅いからな。ルナマリアの【ヒール】チャンスもあるかもしれないな
「今度こそ何もないといいわね」
「そっそうだな」
急に話しかけるからつまったじゃないか。やっぱり余計な事は今は考えないほうがいいな。いつか痛い目見そうだ
話した後ぼんやり窓の外を眺めてるルナマリア。式の事でも考えてるのか?人の事言えないぞ
ゆったりとした音楽から行進曲に変わった。騎士達が儀礼用の剣を掲げると同時に馬車の方から扉が開く音がした。扉が開き出てきたのはもちろんルナマリアだ。一段一段階段を登りながら街を見渡している
サービスで細かい【ライトニング】を使いルナマリアが輝いてる様に演出していると零華も細かい氷の結晶を作り【ライトニング】と合わせサポート。忍は風で巻き上げた花びらを空に舞わせていた
ルナマリアの神秘性を押し出すように演出されたその姿を見た住民は両手を合わせルナマリアを拝み始めた。
周りの様子を見て小さく笑ってからルナマリアを見るとじと目でこちらを見ていた。僅かに動く唇が「やりすぎよ」と言っていたので笑って誤魔化し前に進んだ
写メ撮っときゃよかったな。後で写真にできたのに
しばらくして馬車は教会の所有する土地に入った。これだけの警備の中ではさすがにどうしようもなかったのか無事にルナマリアのお披露目は終わった。
因みに襲撃は未然に防がれたようだった。窓を警備していた騎士が気絶していたらしくそこからの狙撃をしようとしていた男が逮捕されたらしい。仮面メイドさんから忍に連絡があったのを又聞きした。王妃の部隊優秀だな
終わったことはいいとして、ここから先長時間ルナマリアの姿が丸見えになる。気合い入れて行くか
「俺とラドニー殿でルナマリアの警護につく。皆は周りを警戒してくれ」
「「分かったわ」」
「「分かりました」」
「分かった」
俺はラドニー殿と共に先で待っていたルナマリアと歩いていく。残されたのは騎士団の5人、みんな指定されたポジションに向かう
バラバラの状態で式が終わるまでは1時間程度を敵、味方を交えたままルナマリアを守らなくてはならない。
とりあえず何かあった時の為に忍が連絡網を敷いているのが心強い。さっきシルバール勢が風魔法で会話をしていると聞いた忍が先ほど連絡してきた仮面メイドさんにコツを聞いてやってみたらできたよって……妹ながら恐ろしい奴だな。まぁ今は一人ずつとしか会話は繋げられないらしいけどな。繋いでる間は全員が聞くことができるから変なことを言うと全員に伝わる。もしかしたらこの力で王妃に情報が筒抜けになってるのかもしれない。気をつけよう
「はぁ」
鋼介……いい加減集中しろよな。注意しようかと思ったら零華が先に動いた
「どうしたの?さっきから」
「なんでもねえよ」
配置に付き、いざと言うときの為に紋章を発動させてる鋼介。零華達は大雑把に半月を描くような位置を取っている
ルマナリアの近くに俺、恵、瑠衣が。列の後方に忍、零華、鋼介が警護しているので二重の防御になっている。本当なら万全を機して俺も【サーチ】を展開しておきたかったんだけど……使えるまでもう少しだな
♪♪♪~
ゆ っくりと音が流れてくる。即位式の始まりだ。用意されたステージ上で既に待機している各国の王に国内の有力者が立ち上がりルナマリアが歩いて来るのを見ている。遅れて王妃がエルゲニア陣営の一番前に立った。その後ろに控える公爵家を初めて見たな。おじいちゃん一人、中年男性、女性が一人ずつ、若い女性が二人、小さな子供が二人。一人は男の子だ。
え?なんかまずくない?王妃の息子が大きくなったら公爵家の男の子と一波乱起きないだろうか?王権争いとか起きないだろうな?ルナマリアの弟だ。隠れて加勢したりしたほうが……いやいや。今は式に集中だ。なんだかんだで進んじゃってるし
今は中央にいる歳のとった司祭が口上を述べ始めルナマリアがゆっくりと壇上へ上がっていく所だ。なんか校長と生徒会長みたいだな
壇上を進み名前の確認に応じると司祭の前に体を折り、祈る姿勢になる。そのまま長々と続けられる祝詞を聞いている
やがて目の前の司祭よりは低位の司祭だろう人間が台にのせた冠を運んでくる
(姫から女王か…)
神の代弁を語る司祭に頭を垂れるルナマリア。その頭上に冠を授けられ、エルゲニアの女王が誕生した
そろそろ一回会場の様子を確認しておくか
「……ん?」
森の中で何人かの人間が【サーチ】に引っかかった。……半数の人間の鎧の形は知ってる。エルゲニアのものだ。エルゲニア騎士と所属は不明の傭兵が剣を抜きあって対峙しているようだが、ここからなら式の妨害には程遠いだろう 。おそらく気づいているのも今のところ自分くらいだろう
忍に連絡しておくか
「あ…」
両者が剣を振る、金属音までは聞こえなかったが一太刀でやられたのかエルゲニアの騎士がうつ伏せに倒れ動かなくなった。それを皮切りに残りの騎士もやられてしまう
弱いな!ウチの騎士!
傭兵達は騎士にとどめをささず、広場を目指す事を優先した。目的はもちろん、妨害、暗殺、強襲…そんなところだろう
森の中を進む傭兵は樹に隠れながら少しずつ近づいてくる
俺が…いや、そんな時間はないな。忍に任せるか
「……忍……後方100メートルに敵と思われる集団がいる。3人だ」
こちらが話しかけたらすぐに目があった。常に動けるように気を張っていたようだな
「……いや、鋼介が何とかするみたいだな。消音措置を頼む」
「了解。怪我人の連絡もやっておくよ」
集団が最後尾の列に25メートルほどに近づいた。完全に振り返って待ち受けてる鋼介に任せよう
後ろ手に紋章を最高に光らせ踵で強く地面を蹴る、蹴る、蹴る。地面への衝撃に少し遅れて足下に大地の口が開いた
「うわぁぁ…」
結果、敵と思われる集団は穴に落ち参列者からは確認できなくなった。何人かの出席者が声の方を向くが何もないし、式の途中だし不審な行動もできないだろう。気のせいとでも思ったようで、すぐに式に目を戻した
防音措置をとっていたから何かの気配で異変を感じたのかもな
捕らえた三人の傭兵は木の根本に鼻から上だけ出して拘束してある。木の後ろにいたため誰も気付くはずがないからな。式の後でこってり情報を絞ってやる。まぁ横目でアスツールを見たら歯ぎしりしてたし、何処の手のものかはわかったから何も出ないならそれはそれで構わない
忍に中継してもらい鋼介によくやったと声をかけて再び警護に戻る。今、考えても何も形をなさないしな。目の前の事だけやることにした。集中集中。急な展開にも対応できるようにしとかないとな
とはいえ式も終盤だな。俺全然見てないや
ルナマリアが国の方向性と発展を誓い、出席者が拍手、司祭が祝福、三国を代表してシルバールからユニエール様が訓辞を述べ拍手
最後にルナマリアがステージを歩き、街を見下ろせる場所へ立ち民に手を振り即位式は終わりを向かえた
正直こういったお堅い式は苦手だし面倒だな。入学式も卒業式ももっと簡単になればいいと思う
ただ忙しいスケジュールもあと一つだ。頑張ろう。最後の即位記念パーティー……俺にとっても一番重要だ。俺だって大事な彼女に良いところを見せたい
ルナマリアがラドニー殿を連れ馬車に歩いて行く。王妃は別の馬車で帰るようだな。いつの間にかイリアさんがついてる。俺達も行くか
「鋼介さん?どうしたんですかぁ?」
「わぁ!瑠衣ちゃんか!」
視界の外からの声に驚いた鋼介。小さい瑠衣は視界に入りづらいもんな
「ほら、早く行かないと乗り遅れますよ」
零華や忍はもう馬車へ乗り込む所だ
俺も遅れずに行こう。ルナマリアにいたっては、もう乗り込んでしまったらしいし……ラドニー殿がいるから大丈夫だとは思うけど……
俺は馬でルナマリアの馬車を追い、鋼介は自分の馬車へ駆け込み、なんとか置いてきぼりをくわずにすんだ
零華に「気の抜きすぎ」と注意されていた。ない頭使ってるからだな
小声で呟く。別に誰が聞いてても構わないけどなんとなく小声にしたんだけど、何か言ったのは聞こえたらしく「何ですか?」とルナマリアから返ってきた
「何でもない」
飛竜倒した時はいい感じだったのになんで長く続かないんだ?上手くいくように少しだけ願っておくか
「俺達みたいに上手くやれればいいのにな」
「妬けるわね。今度私と二人で食事でもする?」
「王妃に内緒ならな。急な用事と言えば行ける……って、これは浮気じゃ無いからな。ごはんだけだ」
TDLのEPで園内をまわるのがフロートです。33台のフロートで頭から最後までで全長900mあるそうですよ。




