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普通は何なのでしょう?  作者: アイ
7/10

二重生活

高校は私立に推薦で入った。

長くは続かなかった。

体調不良が悪化した。

そして、ようやく決心がつき母に全てを打ち明けた。


これからが、戦いの始まり。


児童相談所に繋がりを持っていて、助かった。

流石にこれは、黙って居られないと母と児童相談所の役員が立ち上がった。

私は訳分からなかったが、警察沙汰になる事は分かった。

児童相談所から弁護士を紹介してもらった。

その道のプロフェッショナルの弁護士で、普通なら会えなかっただろう。

女性の弁護士さんに全てを話した。


弁護士事務所で、沢山話を纏めた書類を用意して、警察署に行った。

私は未成年の為、母が代理人で戦う。

未成年の為に、いろいろな手続きは代理人がやる。

私は供述するだけ。


学校は行けないから、通信高校に転校した。

一年生の単位が無くなったが、一年生と二年生の単位を一年で取る事にした。


二重生活が始まった。

週2日学校に、週一は警察署に行った。


壁にぶち当たったのは、直ぐだった。


「何年何月何日のどの時間からどの時間まで、受けたかと、証拠を提示して下さい」


…いやいや、毎日です。


「証拠が無いと立証出来ません」


必死に探して、2日だけ証拠を見つけ出した。


一つは、ゲームを買って貰った日。

たまたま、本体とソフト二本、保護シートを買っていて、実は日にちと時間帯は同じだが、バラバラに買ったのだ、その時間帯で同じ組み合わせのレシートが、店に残って居た。

たまたま、その日のレシートに同じ組み合わせの客が居なかった為、見つかったのだ。

更に、ゲームを父親も遊んで居て、たまたま日にちの残るゲームだった。

たまたま、消さずに売りもせず残して有った。

父親の字で名前も書いてある。

母の手帳にも、会った日にちが記載されていた。

十分証拠になった。

その日の詳細を、1日掛けて思い出して、調書に残した。


もう1日は、

万博に行った日。

万博の資料を漁り、写真も無いか探したが無く、必死に思い出した。

ちょうど、記録に残った暑い日でコンサートも見た日で資料と合致した。

母の手帳にも有った。

その日の出来事を事細かく説明した。


普段からの虐待は証拠不足で、ちょっとした判断材料にしかならなかった。


ひたすら、警察署にこもって、調書に記して、ひたすら思い出した。

思い出すには、フラッシュバックを起こさないといけないから、つらかったが、どうやら根性は母から受け継いだらしい。

父親から買って貰ったり、ゲームセンターで取って貰った物を証拠として、ダンボール三箱位は警察署に持っていきました。


二年も準備に掛かった。

ようやく逮捕状が出ました。


三年生の4月に、二年分の単位を取り終えました。ギリギリでした。

三年生の単位は6月で全て取りました。


 

裁判の前に、検事の取り調べが有ります。

まず言われたのは、


「何で実父を前科持ちにするの?」


でした。

意味分かりません。

さらに、


「何で当時助けを呼ばなかったの?気付くでしょう?普通」


いやいや、普通じゃないんですが…

生まれがそこで、普通なら、分からないでしょうと言えば、


「私の父親は良い人で、夫も優しいから」


…あなたの家庭は聞いてません。

なにやら、家庭の自慢が始まりました。

あなたには、分からないと言うと、


「じゃあ、止める?」


止めないから、話聞いてよ…

事ある毎に、止めるのか聞いてきました。止めさせたいのだろうか?

その日は、話にならず、帰りました。

有ったことを、通ってた病院の先生と、弁護士に言ったら、検事に電話して下さいました。

後日、また同じ検事に会いました。

検事は基本的に変えられないと言われました。

開口一番、


「あなたの病院と弁護士からお怒りの電話が有りました。ごめんなさい。本を読みましたから。」


…何が言いたいの?

1日で取り調べを終わらせました。

会いたくないし。

後で弁護士に聞いたら、


「あの人評判悪いから。人事異動で少し前にあの人に変わっちゃったの。」


との事で、あまり良い人に当たらなかったみたいです。

幸いにも、先生と弁護士がフォローして下さいましたし、警察は立場的に意見は言えないけど、サポートして下さいました。


これで、準備は全て整いました。

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