表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通は何なのでしょう?  作者: アイ
3/10

恐怖の鎖

幼稚園の頃から日常的に見せつけられた光景を、私は最近まで普通だと思ってました。

他の家庭を知りません。

普通だと言い聞かされて育ちました。

何より、父親は外面が良く、周りも気付かず、良い父親だと言われました。


「お前の考えがおかしい。こんな事普通だ。お前が悪い。お前が馬鹿で出来損ないだから俺が面倒見てやって居る。俺が居なきゃ生きていけない。」


何度も何度も聞かされました。

一種の洗脳だと、病院の先生や、児童相談所の職員、弁護士、警察官に言われました。

毎日、同じ事を繰り返し聞かされると、本当にそうなのだと認識してしまうらしいです。


私はとにかく、父親を怒らせないよう、静かに、息を潜めて居ました。


既に感覚が麻痺したのか、普通にそうなんだと、疑問も抱きませんでした。


「お前のせいで、こうなる」


と、いつも父親の失敗は私と母のせいになりました。

私は自分の事を出来損ないと思い込んでいました。


父親はお酒を飲まなければ、良い父親ですが、ひとだび飲み始めると、人が変わり辺りに八つ当たりをし始めます。

時には、会社での失敗で責められましたが意味が分からず、ただ黙って従いました。

ある日から、自分は父親のペットだと思い込みました。

扱い方もその通りです。

機嫌良ければ、撫でられ、悪ければ、殴られ蹴られ。

私の個性など意味は有りませんでした。


恐怖は最強の鎖です。

本能的に逆らえません。

特に、生まれた時から同じ事を繰り返し受けていた私には、逆らう事が想像もつかず、世界は家の中だけだと思ってました。


幼稚園でも、私だけ浮いてるような、場違いのような感覚を覚えて居ました。


どんどん感情の無い人形になって行きました。


人形が自分の意志など持ちませんよね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ