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転生したら、生活魔法使えるようになりました  作者: メイコノノ


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7

翌朝。


アンナが保護した子猫(アンナは「チビ」と名付けた)は獣医のもとで無事に手当てを受け、学院の外れにある農家に引き取り先が見つかった。


カーロ先生はサチコたちに外出許可証を出しながら、「次は夜中に出歩かないように。次は、だぞ」とだけ言った。

その口調は、規則を破った生徒に呆れているようにも、無茶をした教え子を案じているようにも聞こえたが、眼鏡の奥の目は隠しきれずに優しく笑っていた。


エルクはすでに朝食の席についていた。

彼は昨夜、誰よりも遅くまで研究していたはずなのに、何事もなかったような涼しい顔で分厚い本をめくっている。


湯気を立てるシチューをスプーンで掬った。

一口運ぶと、根菜の甘みとミルクの濃厚なコクが五臓六腑に染み渡る。

それと同時に、冬がいよいよ始まろうとしているのを肌で感じた。


生活魔法は相変わらず地味だ。

炎は出ないし、剣も持てない。

でもあの導管の詰まりを取り除いたとき、カーロ先生の目が変わった瞬間を覚えている。

子猫の震えが止まったとき、アンナが泣きそうな顔で笑っていたのを覚えている。


(役に立てている。)


それがサチコにとって、一番確かな生きている実感だった。

前世でも、今世でも、きっとこれからも。


窓の外に、今季初めての雪がちらつき始めた。


「あ!雪だ!」


アンナが弾かれたように叫び、窓辺へと駆け寄った。

つられて視線を向ければ、灰色の空から今季初めての雪が、羽毛のようにふわふわと舞い落ちてくるのが見えた。


「うるさい。食事中に席を立つな」 エルクが本から目を離さずに毒づく。


アンナの明るい声が食堂に響き、他の生徒たちも窓の外を眺めてはしゃぎ始めた。

サチコは窓辺の喧騒を遠くに聞きながら、もう一口、シチューを食べた。


喉を通る熱が、胸の奥をじんわりと満たしていく。

外はこれから厳しく冷え込むのだろう。

けれど、今のサチコにはそれがそれほど恐ろしいものには思えなかった。


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