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スリーエイリアンズ〜地球に魅せられた侵略者達〜  作者:


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第2話 最初の一撃

空を裂くような金属音と共に、侵略兵の一体が地面へ着地した。

舗装された園路が砕け、砂煙が舞い上がる。


「来園者は全員避難完了……っと」


カイは手首の装置を操作しながら呟く。

園内放送に偽装した退避誘導信号――地球側の通信網を流用した簡易ハックだ。


「こういう小技、相変わらず好きだねぇ」


上空を旋回しながら、フィンが笑う。


「力任せに壊すより、よほど“地球人っぽい”だろ?」


「それ、褒めてる?」


「半分はね」


侵略兵が、三人を認識した。

赤く発光する複眼が一斉に向けられる。


『未登録生命体を確認。排除対象に指定』


次の瞬間、腕部が変形し、エネルギー弾が放たれた。


「ゴディ!」


ゴディは一歩前に出る。

大地を踏みしめ、両腕を交差させる。


衝撃。

爆音。

砂埃が弾ける。


だが、ゴディは動かない。


「……軽いな」


低く呟くと同時に、腕を振り抜いた。

衝撃波が空気を裂き、侵略兵の一体が後方へ吹き飛ぶ。


「うわ、相変わらず派手」


フィンは一気に加速する。

羽の名残を残した装甲が光を引き裂き、次の瞬間には敵の背後に回り込んでいた。


「遅い、遅い!」


連続打撃。

金属音が連なり、侵略兵の関節部が次々と破壊される。


残った一体が砲身を空へ向けた。


「来るよ、強いの!」


カイが即座に前へ出る。

空間に幾何学的な光の線が走り、即席の障壁が形成された。


直撃。

だが、砲撃は弾かれ、逸れたエネルギーは空へ散る。


「侵略者はいつも同じだ」


カイは静かに言う。


「この星の“反撃”を、想定していない」


侵略兵の動きが、一瞬止まった。

まるで――困惑しているかのように。


その隙を、ゴディは見逃さない。


「終わりだ」


大地を蹴り、跳ぶ。

拳を振り下ろした瞬間、衝撃が園路を走り、侵略兵は完全に沈黙した。


静寂。


風が、割れた地面を撫でる。


「……勝った?」


フィンが着地し、辺りを見回す。


「第一次迎撃、完了だな」


カイは装置を解除しながら、少しだけ息を吐いた。


ゴディは、壊れた遊歩道の先を見る。

そこには、逃げ遅れた一人の少年が立っていた。


目が合う。


少年は怯えながらも、震える声で言った。


「……ゴリラさん?」


ゴディの胸が、わずかに揺れた。


「強くて、かっこよかった……」


その言葉に、フィンとカイが黙る。


(侵略者だった頃、こんな目で見られたことはなかった)


ゴディはゆっくり膝をつき、少年と目線を合わせる。


「もう大丈夫だ」


短く、だが確かな声だった。


その瞬間、ゴディの脳裏に、遠い記憶がよぎる。

――母星からの命令。

――地球侵略計画、再始動。


空の高みで、何かがこちらを“見ている”。


フィンが小さく呟いた。


「……ねえ二人。これさ」


「始まりだな」


カイが続ける。


ゴディは立ち上がり、空を見上げた。


「俺たちは――もう戻れない」


だが、その声に迷いはなかった。


動物園の片隅で、

地球を守る戦いは、確かに始まってしまった。


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