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樹冠祈願  作者: レニペン
第1章〜カグヤの命〜
9/27

強敵

9話!だいぶ進んできたなぁ。

「ふざけずに星野イオの足止めだけに専念しろよ。他のやつは俺がやる。」


 銀髪の男が黒髪の男に命令する。


「はいはい。真面目だなぁ。」


 そう言うと黒髪の男が星野イオめがけて真っすぐ飛んでいった。


「私を少々舐めているようだな。」


 星野イオもそう言って銀髪の男めがけて飛んでいった。銀髪の男と星野イオが上空でぶつかり、空中戦を始める。


 カグヤと黒澤ミクはそれを呆気にとられたように見つめていた。


「あんたらの相手はこっちだ。」


 銀髪の男がカグヤたちに向かって言う。


「俺は殺し合いの中にも礼儀は必要だと思っている。最低限の挨拶はしないといけないだろう。俺の名前は志月(しづき)ハヤセ。闇ノ九柱(やみのきゅうちゅう)の第5位だ。よろしく。」


 カグヤは考えた。ハヤセは明らかに違うオーラを放っている。間違いなく強い。そして星野イオは今は他のやつと対戦中。この場にいるものでコイツに勝たなければならない。そのうち神環の誰かが助けに来るだろうが、それまで持ちこたえられなければならない。時間を稼がなければ。


「闇ノ九柱?聞いたこと無いね。」


 とりあえず口を回すこと。話をして時間を稼ぐこと。カグヤの頭の中はそれでいっぱいだった。


「そうか。一般人にはまだ政府は情報公開してないのか。簡単に説明すると闇の軍の執行官だ。」


 意外とハヤセは話してくれる。おしゃべりが好きなのだろうか。


「5位ってどれくらい強いの?」


「そうだな。これくらいかな。」


 カグヤの失言だった。ハヤセは槍を手元からだし、カグヤに投げつける。速い。咄嗟に避けるが少し頬にかすった。もう少し横に飛んできていたら、避けるのが遅かったら顔面に当たっていた。


「ッ!黒澤ミク!まだ戦えるか?」


「あぁ。あたしの勘がコイツは強いと言っている。戦わない手はないだろ!」


 そう言うとミクは炎を腕からだし、火球をハヤセに迷いなく何発も飛ばした。飛ばされた火球はハヤセの近くで爆発する。相手の能力はまだわかってないが、カグヤはここで攻撃を仕掛けることを決断した。今乗るしか手はない。カグヤは煙に向かって技を使う。


「命ノ刃!」


 手応えはない。ならば!


命火連斬(めいかれんざん)!」


 カグヤは自身の命を細かく削り、一秒で50ほどの斬撃を飛ばす。一発一発が命ノ刃と同等の威力だ。その状況が30秒ほど続いた。カグヤは自身の足と腕に痛みを感じた。自身の身体がこの技を使うのが限界に近づきつつある。ついにカグヤは攻撃を止めた。


「最初の何発か当たりそうだったじゃねぇか。危ねえな。」


 煙の中から気だるそうな声が聞こえてきた。煙が晴れ始め、中からハヤセが出てくる。無傷だ。


「嘘だろ?!これだけ攻撃したのに無傷なのか?!」


 思わずカグヤは驚く。


「そりゃ当たってねぇからな。あれが当たっていたら今ごろ俺はみじん切りだ。」


 たしかに手応えはなかったが、まさか一発も当たってないとは。


「俺はな、お前らの動きや感情が見えるんだよ。手に取るように分かる。すべてお見通しなんだ。」


 なるほど、能力で相手の技を未来視し、すべて避けたのか。にしても、それを可能にするにはとてつもない瞬発力が必要だ。改めてコイツは強いとカグヤは実感する。


「そうだな、、、そこの少年。お前は身体がもう限界を迎えているだろ。心音が悲鳴を上げている。筋繊維も破壊されていて身体もまともに動かないだろ。」


 たしかに。カグヤはもう限界だった。普段使わない能力をこの一日で使いすぎた。能力の使用条件の命を削るという代償もきつい。ラクとの対戦で少しは自身の寿命を補充できただろうが。


 そのセリフを言い終わるとハヤセは黒澤ミクの方を向き、距離を詰めてミクを蹴り飛ばす。一瞬の動きだ。


「そしてそこのショートカットの女。お前は仲間との強力戦に慣れてなさすぎる。そこの少年のことを全く考えてない動きが目立った。」


 なんだ?なんでコイツは俺等にアドバイスをしているんだ?カグヤは必死に考える。しかし、体の痛みがその思考すらも妨害してきた。まずい。このままだと負ける。


爆迅(ばくじん)!!」


 いきなり声が響き渡り、ハヤセにものすごい速さで誰かが攻撃する。


「先輩、大丈夫っすか?後はこの最強様に任せてくれ!」


 獅堂(しどう) アラタだ。アラタの攻撃はしっかりとハヤセに当たっていたらしく、ハヤセは少しよろめいている。バカ後輩がこんなに頼りになる時が来るなんて思ってもいなかった。


「そこの銀髪!お前は許されないことを2つした!一つは俺達の先輩に槍を投げつけたこと!2つ目は女の子を蹴り飛ばしたことだ!2つ目はマジで許されないからな!」


 そう言うと、アラタはトンファーを持った両腕を構える。


「まっ、アンタもさっきのトーナメントでばりばり女の子蹴ってただろ。」


 ラクが翼を生やして空を飛んでやってくる。隣には風の力で空を飛んでいるハルキがいる。


「うるせぇ!ここでは格好つけてなんぼなんだよ!」


「はいはい。」


「先輩に対してその口の聞き方は何だクソ後輩!」


「いいから前見て相手に集中しろ!」


 アラタは少し悔しそうにまたハヤセの方を向く。そして口を開く。


「おい、クソ銀髪。次は第2ラウンドだ。俺達が相手だ。」

アドバイス、お願いします!

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