戦闘狂
8話目!
「、、、そろそろ行くか。」
銀髪の男が黒髪の長髪の男に話しかける。
「そうだね〜!楽しみだなぁ。どれくらい強いんだろう?」
「戯言言ってないで行くぞ。」
「まぁそう焦らないでよ〜。もう少し様子を見てからでいいんじゃない?」
「いいから行くぞ。」
「僕のほうが立場は上なんだよ〜?もう少し僕の扱いを丁寧にしたらどうかな~。じゃないと、、、君が恐れているものを見せようか?」
「チッ、、、わかったよ。あのカグヤという少年の次の試合が終わったら行くぞ。」
「うんうん!それがいいや!」
カグヤはラクの言葉を思い返す。弟は自分のことを心配してくれている。尊敬してくれている。そして、勝ってほしいと言ってくれた。だから、次も勝たないと。
「次は準決勝です!」
聞き慣れたアナウンスの声が聞こえ、会場内にカグヤは足を踏み入れる。相手の見た目は濃い朱色のショートカットで、見た目は同い年くらい。黒い服を着ており、ダウナーなイメージの160センチくらいの女性だ。
「よろしく。」
「あぁ、よろしく。あたしは黒澤 ミク。お前みたいな強者相手だと胸が踊るぜ。」
間違いない。コイツ、戦闘狂だ。
「試合開始!」
アナウンスの音とともに試合が始まる。カグヤは一旦距離を取る。相手の能力がわからないからまずは相手の様子を見たい。ミクはカグヤの動きを少し警戒しているようでなかなか近づかない。
「焦げる匂い、好きなんだよね。」
そう言うと、周りの気温がいきなり高くなり、ミクが高速移動をしてカグヤの木刀に触れる。その瞬間、カグヤの木刀が燃え上がる。
「アッツ!」
カグヤは咄嗟に木刀から手を話す。
「あはは!おもしれぇ!あたしの能力を教えてやるよ!『灼装』!自身の体温を極限まで上昇させて自身の身体に炎を纏う。応用次第では炎を中距離まで飛ばしたり、足をエンジンみたいにして高速移動したりできる超優れモノの能力だ!」
「なんでわざわざ自分の能力を教えるんだ?」
「だってそっちのほうが遊び甲斐があるから!」
やっぱりコイツは戦闘狂だ。だが、ありがたい情報だ。ラクよりは手強くなさそうだ。
「いい情報ありがとうな!」
カグヤは焦げた木刀を持ち、ミクを見つめる。相手の技は炎系、攻撃範囲はおそらく近距離と中距離。高速移動で距離も詰めてくる。ラクの時みたいに途中で自身の寿命をチャージするのはまず無理。直接触れるのも危なそうなのでソウマの時のような木刀を犠牲にして攻撃するのも避けたい。カグヤは利用できそうなものを考える。高速移動、、、なにか使えないか?
「さて、どうしたものか。」
カグヤはわざと距離を取る。ある程度距離を取ったらおそらくまた高速移動をしてくるはず。
「なんだ?日和ってんのか?逃げるなよ!逃げてもすぐ追いついて燃やしてやるよ!ほら!」
かかった!カグヤは咄嗟にしゃがむ。やっぱりコイツは単純だ。避けられてスピードを瞬時に緩めることはできなかったみたいだ。ミクはエンジンのようにして高速移動していると言っていた。ということは体を動物に変形させて戦うラクとは違って小回りがきかないんだろう。つまり、高速移動直後がミクの弱点!
「あんたの情報のお陰で助かったよ!命ノ刃!」
決まった。ミクはふっとばされる。
「ゴボッ!ゴホッ!油断したあたしの落ち度だ、、、お前、戦闘IQ高いな。」
横たわって血を吐きながら、黒澤ミクは喋る。
「意外とあっさり負けて、意外とあっさり負けを認めるんだな。」
「負けを認めないほど、、、ダセェことはないからな。それにしてもあんた強いな。」
「弟が見てるから。」
「ブラコンかよ、、、でもいいなぁ。仲間がいて。」
「兄は弟の道になるし、先輩は後輩の目標になるからな。だから俺は、、、」
それを言いかけた途端、会場内に爆発音が響き渡った。
「えっ?あたしじゃないよ?!ほんとに!」
試合を見ていた星野イオが異変に気が付き、立ち上がる。
「何事だ!」
その後、客席が次々と爆発する。爆発した煙の中から声が聞こえる。
「あはははは!みんな怯えてる!面白いな!」
「真面目にやれ。星野イオの足止めは頼んだ。他の能力者は俺がやる。あくまで足止めでいいからな?」
「うーん、間違って殺しちゃうかも。」
煙の中から銀髪の男と、黒髪の長髪の男が出てきた。
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