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樹冠祈願  作者: レニペン
第1章〜カグヤの命〜
4/26

50m

4話目!

 あれから20日ほどたった日曜日。今日、参加券を握れるかどうかの試験がある。カグヤは朝4時に起きて朝ごはんと昼ご飯を作る。留守番するイツキのためだ。ラクを叩き起こし、着替え、玄関を出る。ほんのり東の空が明るくなっている。


「眠い、寝かせてくれ。」


 少し遅れてラクが小言を言いながらだらしがない格好で外に出る。鍵を締め、二人でコンビニに行き朝食を済ませる。ラクはまだ眠そうだ。


 駅でアラタとハルキの二人と合流し、しばらくして電車に乗る。電車の椅子に座るとラクとハルキは秒で寝始める。アラタはスマホをいじっており、カグヤは外をただただ見ていた。


 カグヤは緊張していた。あの星野イオに期待されている。あの星野イオに目をつけられている。


 新幹線が走っている駅につくと新幹線に乗り換え、その後1時間ほど新幹線に乗り、隣の県の市街地で降りる。


「いいか、お前ら。離れるなよ。当たり前だが人様に絶対迷惑はかけるな。」


 カグヤは振り向いて後輩たちに言う。


「カグヤ、アラタ先輩がもういないんだけど。」


「くっそアイツどこ行きやがった!」


 この後輩3人はよく問題を起こすが、アラタはその中で1番問題をおこす。1番人に迷惑をかける。


「そこのお姉さん!俺と一緒にお茶ない?」


 やっぱりだ。ナンパしてやがる。


「バカ!ナンパしに来たんじゃないんだぞ!すみません!うちのバカが迷惑をかけました!」


 カグヤは礼をして、急いでアラタを引っ張りラクたちと合流する。


 ほんと、アラタはすぐ問題を起こす。だが、そのおかげでカグヤの緊張が少しほぐれた。



 しばらくして神環の施設につく。大きな施設だ。この中で試験をするらしい。中に入ると100人ほど人がいた。受付まで行き、4人はそれぞれ名前を言う。名札のようなものを配られ、それをつける。


「試験はスピード、パワー、防御力の3種目です。皆さん、頑張ってください!」


 その施設には大きなグランドがある。そこに4人は連れて行かれる。すでに何人か列を作っていた。


「ここでは、50m走をしてもらいます。満点は1.00秒です。それ以降、0.1秒遅れるごとに−2点です。つまり、6秒より遅かったら0点です。タイムは繰り下げです。」


 淡々と説明しているがだいぶ鬼畜だ。


「俺の得意分野だな!」


アラタが自慢気にのびをする。しばらくしてアラタの順番が来た。


「それでは、ピストルの音と共にスタートです。」


「お前ら!見とけよ、先輩のすごさを!」


 後輩に自慢気にセリフを言う。


 ピストルの音が鳴り響く。一瞬だった。1秒も立たないうちにアラタはゴールラインをまたいでいた。


「0.83!満点です!」


「カグヤ先輩!見ました?俺、もう出場権ゲットです!やっぱ俺、最強!」


「チッ、調子乗りやがって。」


 ハルキは少し不満そうな顔をする。次はハルキの番だ。


 ピストルの音が鳴り響く。それと同時に後ろに並んでいた人たちのアクセサリーやカバンが吹き飛ぶほどの風が吹き荒れる。3秒ほど風は続き、やんだ。


「3.25です!54点です!」


 ニヤニヤしながらアラタがハルキを見ている。アラタに負けたことが悔しく、ハルキは歯を噛みしめる。


 次はラクの番だ。


 先程と同様、ピストルが鳴り響く。何か黄色いものがコースを駆け抜け、ゴールする。チーターだ。チーターはゴールラインを踏むとみるみるラクの姿に戻る。


「1.49!90点です!」


 ラクはドヤ顔をしている。


 次はカグヤの番だ。後輩たちより早くは走れないけど、精一杯走ってみせよう。


 ピストルの音と共にカグヤは走り出す。全力で。全力世辞面を蹴って。そしてついに、ゴールした。


「7.24!得点は0点です!」


 知ってた。カグヤの能力はスピードに特化してない。スピードに関しては普通の人間だ。そもそも後輩たちがバケモノなんだ。ヒビキの3.25もバケモノの速度だろ。しょうがない。カグヤは切り替えて次の種目に挑むことにした。

まだ物語スタートラインにすら行ってない!模擬試合トーナメント始まってからが物語スタートです!模擬試合トーナメントの内容はだいぶ決めてあります。

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