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樹冠祈願  作者: レニペン
第2章〜皮肉な名前〜
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世界樹の番人

第2章!






「さぁ、座って座って。緊張しなくていいよ?僕は君たちに協力してもらいたいと思っているだけだからさ。僕はこれから、闇の帝王...光冥(こうめい)シンについて君たちに教えたくて。今から僕が語るのは彼の過去だ。興味あるだろ?なぜあの男は闇の帝王なんて名乗っているのか。人を沢山殺すのか。僕に協力してくれると約束するなら、教えてあげるよ。とてもいい情報だと思うけど、取引成立でいいかい?」


「あぁ。」


 神木柊の問いかけに獅堂(しどう)アラタは返事をした。






9月12日 早乙女邸


「なぁ、ミクくん!外で私と実験しないかい?きっと楽しいよ?」


「そんなテンションで言われても困るっつーの。あたし、もうなーんにもやる気が起きない。」


 ミクは早乙女邸の一室で毎日ゲームをしていた。


「そんな事言わずに、ほら、真剣組が復活するまでここでダラダラしていてもしょうがないだろう?」


「復活しねぇよ。死人が出たんだ。活動休止という名目の永久さよならだよ。」


「でも、アラタくんやラクくんは...」


「知らねぇよ。勝手に消えた奴らなんか。どうせどっかでほっつき回っているんだろうさ。あたしはもうそんなやる気が起きないな。初恋の相手で、尊敬していた人を亡くしたんだ。やる気なんか簡単に出るかよ。」


 ミクの返答にリリアはため息を付いた。


「黒澤ミク様、失礼します。お掃除の方をしてもよろしいでしょうか?」


 メイドがミクの部屋に入ってくる。


「あぁ、よろしく。」





 同日 とある山奥の村


「ありがとうございました!」


「力になれたようで何よりじゃよ。」


 老人は青年にそう答える。


「本当にありがとうございました!」


 ラクは老人に礼をして村を去っていった。


 この村は世界樹を神として祀っていた。ラクはマリオネットの時に出会った少年の情報を探していた。大きな、とてつもない威力を持つ木のような能力を使っていたので、世界樹となにか関係があると思って村に来たのだ。老人からはそのような少年は知らないと返ってきた。しかし、何百年も昔は様々な場所で世界樹を信仰していたという情報を聞き出すことに成功した。ラクはメモ帳に老人から聞いたことをまとめて、スマホを取り出した。







 同日 夜11時


「いい子ね、坊や。じゃぁ、素直に私に抱かれてくれたらお金、たくさんあげちゃう。」


 50代くらいの女性を前に、ホテルの一室でアラタは座っていた。


「ほんとうに、沢山お金をくれるんですか?何円ですか?」


「そうねぇ、30万は渡すわ。」


「なぁんだ、あなたの懸賞金のほうが高いじゃないですか。」


「えっ?」


 素早い動きでほぼ半裸の女性をアラタは蹴り飛ばし、地面に顔を押さえつけて縄を取り出して縛り付ける。


「あなた...騙したわね!この私を騙しておいて生きて帰れるとでも?」


「黙れ。俺は50代を恋愛対象にしない。それに、俺はお前みたいな悪党が大っきらいだ。」


「敵よ!みんな!敵襲よ!」


 アラタがいた部屋に強面の男が5人ほど入ってくる。アラタはそれら全員の背後に周り、素早く殴り倒して気絶させ、縄で縛り付けた。


「もしもし?悪党を捕まえました。今から指定する場所にいます。縛り付けているので。」


 アラタはホテルの場所を警察に伝え、ホテルを後にした。ホテルのロビーを抜け、自動ドアをくぐる。するとそこには二人のよく知った顔が待っていた。


「よぉ、ダークヒーローさん?」


「...なんだよ、ハルキ、ラク。」


「お話をしたくて。」





 少し離れた場所にあるファミレスでアラタ、ラク、ハルキの3人は座って話を始めた。


「で、何のようだよ。」


「今後の話についてラクから色々あるんだって。」


 ハルキがアラタに言う。


「最近話題のダークヒーロー。夜にありとあらゆる悪党を捕まえて匿名で警察に連絡し、追放する。そんな有名人さんに言いたいことがあってね。」


「ラク、あんまり大きい声を出すな。ダークヒーローの正体がバレるだろ?」


「ごめんごめん。じゃぁ、簡単に言うよ。一人で無理せずに僕らを頼ってよ。」


「は?」


「カグヤが死ぬ前に、僕に道を自分たちでつくれと言った。『自分たち』だから僕だけじゃなくて真剣組に言ったんだと思う。『たち』だろ?あの言葉は自分たちで協力し合って生きていけって意味だと思うんだ。」


「そんな事知っている。ラクが前、同じことを自分で言ってたじゃないか。」


「あぁ。それで、いまのアラタ先輩は全部一人で抱え込んでいるなーって思って。」


「それだけか?悪いけど俺はそれでも一人で行動するよ。俺一人でヒーローをやる。これ以上真剣組を死なせたくないから。」


「はぁ。アラタ先輩。」


 席を立ち上がり、去ろうとするアラタをハルキが呼び止める。


「アラタ先輩、ヒーローってのは困っている人を助けるんでしょ?」


「何だよハルキ。」


「今、俺とこのクソラクは闇の帝王を殺したいと思っている。死ぬほど憎んでいる。だけど俺達二人じゃ無理だ。困っている。」


「...チッ...」


「舌打ちするな!アラタ先輩、あんたは強いんです。だから、一緒に倒しに行きましょう、闇の帝王を。」


「依頼か...考えたな。しょうがない。手伝ってやるか。」


「「...........」」


「お前ら二人!何だよその反応は!」


「いや、あんたがこんなにすんなり受け入れると思わなくて。でも良かったー。先輩を仲間にするための他の作戦を使わなくてすんだよ。」


「...どんな作戦だったんだ?」


「ダークヒーローの正体をSNSでばらまいて、マスコミの力で先輩を精神的に追い詰めて、最後に助け舟を出して依存させて仲間にする。」


「マジですんなり受け入れてよかったぁ!」




 3人は共にファミレスの出口から出た。すると、そこには一人の少年が待っていた。


「やぁ、真剣組。」


「だれだ?このガキ...」


 アラタは目を細める。


「待って、この人は...マリオネットの時の!」


 ラクが少年を指さして大きな声を出す。


「どうも。僕は神木柊。世界樹の管理人だ。よろしく。」


「「「世界樹の管理人?」」」


 3人は頭に?が浮かんだ。


「まぁ、ついてきてくれ。僕は君たちを気に入ったんだ。君たちにとって価値のある情報を与えるつもりだから。」


 神木柊はそう言って靴をカンカンっと2回鳴らす。するとどこからともなくゲートが開いた。


「さぁ、入って。」


 アラタたちは神木柊についていった。






この物語、第1章は序章ですので第2章から読んでもらっても構いません。というわけで、第2章以降はアラタ、ラク、ハルキの3人を中心に物語を進めていきたいと思っています。語彙力と表現力が僕は乏しいですが、暖かく見守ってください!

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