早乙女邸で暴れましょう!
27話です!久々の更新です!原神が楽しくてやり込んでました。フリーナ最推しです。
早乙女邸別館2階はほかの屋敷の場所より汚かった。リリアによると、兄はメイドに研究の邪魔になるから掃除をしないでほしいと言っていたようだ。
「この扉の先に兄はいると思う。」
「......薄暗くて気味が悪いです。さらにこの先にいるのがマッドサイエンティストだと思うと寒気もしてきます。」
「すまないね、こんな事に付き合わせて。ただ、私は君を頼りにしているんだ。兄の目を覚まさせてくれるのは君しかいないと思っている。」
リリアはラクにそう言い終えると扉をノックした。
「誰だ!」
中か大きな声が響き渡る。
「私だ。そして、真剣組のとある少年も連れてきた。」
「入れ。」
リリアは扉をそっと開き、ラクもそれに続く。部屋は薄暗く、試験管やフラスコが並んでいる。顕微鏡などの器具が壁際にたくさん並び、部屋の中央にはに大釜置いてある。その大釜の前に黒が見で長髪の白衣を着た高身長の男が立っていた。左手は義手、目は灰色で、印象は少し気だるそうに感じれる。
「名乗れ。」
ラクが足を部屋に踏み入れた瞬間に男はそう言った。
「僕の名前は緋ノ宮ラクです。真剣組という組織に属していて......」
「興味ない。」
「はい?」
「私は君に興味がない。もし君がカグヤという少年だったら興味はあったが、それ以外の真剣組には興味はない。」
ラクは少し苛立ちを覚えた。
「お兄様、聞いてくれ。この少年は生物を操る能力なんだ。お兄様と話が合うかもしれないだろ?」
「生物......」
男は手を止め、少し反応を見せる。
「はい。僕の能力は生物でして......」
男はラクの方を向く。
「君は『生物』とはどんなものだと思う?」
ラクは困惑する。
「おっと、私としたことが。自己紹介をしていなかったな。私は早乙女セルジュ。リリアの兄だ。自己紹介はこれで終わり。さぁ、答えて?」
「僕は、、、薄っぺらい答えになるかもしれませんが、生物というのはとても素晴らしいものだと思います。かわいい、かっこいい、美しい。そんなところより僕は生物の『すごい』って部分が好きです。面白いとも思います。生物には『すごい』がたくさんあるんです。」
「違う。生物は素晴らしくもなんとも無い。彼らは可愛くもかっこよくも美しくも、そして『すごく』もない。なぜなら彼らはまだ未完成だからだ。完成形じゃないと素晴らしいとは言い難い。」
「生物という存在が未完成なのは僕も同意見です。しかし、それが素晴らしくないとは思いません。彼らは進化する。そこが面白いのです。」
「しかしだね、進化というものは長い時間がかかるし、後戻りはできないらしい。進化では完璧な存在にはなれないと私は思う。」
「そんなことな...」
「君は翼のない動物に翼が生えたり、陸上生物がエラ呼吸をしたりしたら面白いと思わないかい?」
「まぁ、少しは...」
「じゃぁ、私はそれを生物に強制的にさせることができると言ったら?」
「僕への宣戦布告と受け入れます。」
「なぜだ?私は生物の進化を早めているだけだ。」
「......僕が好きなのは生物。あなたが好きなのは生物でなく改造ということがわかったからです。僕とあなたとでは好きなものがズレているらしい。」
「ほぅ。」
「では、僕は帰らせていただきます。それでは...」
ラクはお辞儀をし、リリアは先程までアワアワと二人の会話を眺めていたが、ラクが外に出ようとすると慌ててその後ろを追いかけようとした。
「まて、ラクくん。」
「はい?」
「君に見せてやろう、神秘と言うものを。」
扉から出ようとしたラクが振り向くと、セルジュが大量のネズミが入った箱を取り出し、大鍋に放り投げた。
「ちょっ、何をして、、、!」
ラクのセリフと同時に大釜から次々と巨大化して凶暴化したネズミが出てくる。
「これこそ生物の神秘だ!!」
「クソッ!」
ラクはリリアの手を掴み、部屋から走って逃げ出す。ネズミたちは必死にラクたちをを追いかけてくる。ラクは窓ガラスを蹴り割り、そこからリリアを抱きかかえて飛び出す。そのまま翼を広げ、リリアを上空から放り投げる。
「うわぁ!ちょっと!何してっ!って!落ちるー!」
「ケツァルコアトル!!」
ラクは大声でそう叫ぶと巨大な翼竜が召喚され、リリアの腹を足で掴み、そのまま滑空する。ネズミたちはまだ窓から飛び出し追いかけようとしてくる。二人は上空にいるが、そんなこと関係ないようにネズミたちは襲いかかろうとしてくる。
「ヤバイヤバイヤバイ!」
ラクは様々な動物を召喚するが、小動物は食いちぎられていき、大型動物も5匹ほどのネズミにたかられたらほぼ無力だ。
「T・レックス!!」
ラクはそう言ってT・レックスも召喚した。ラクは屋根の上に着地して、自分自身も遠距離からツタでネズミを拘束したり、手をヘビに変形させて毒を吐いたりして応戦していた。
「君...まだ目が光ってないのにその強さ......」
リリアがラクを見てボソッと言う。
「いえ、けっこうまずい状況です。相手が召喚したものは動物ではない。改造されて強くなってやがります。僕の召喚された生物より普通に強いです。」
「なっ!弱音を吐くな!不安になるだろ!」
「大丈夫です。すぐ仲間が来てくれますから。僕の仲間は強いんです!」
ラクはにやりと笑う。するとどこからかワイヤーが別館の壁に刺さり、そこを軸にものすごい速さで何かが飛んできた。その場にいたネズミたちが吹き飛ばされていく。ネズミたちは飛ばされた先で別の誰かに切り刻まれ、それからうんよく逃げ切れたものも火球が飛んできてそれにあたり、燃え上がりはじめ、焼け焦げた。
「ほらね。」
「おい!ラク!何だこの魔物のような動物は!オマエが召喚したのか?」
アラタがワイヤーを収めながらラクに大声で質問する。
「いや、それは...」
ラクが返事をする前に別館の壊れた2階の壁からセルジュが顔を出す。
「思ったより早く片付けたみたいだな。前言を撤回しよう。私は真剣組に興味が湧いた。これから実験させてもらおうか。」
『樹冠祈願』というタイトルについてですが、『じゅかんきがん』と呼びます。ちゃんとタイトルに意味はあって、今後ゆっくりわかっていくと思います。




