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樹冠祈願  作者: レニペン
第1章〜カグヤの命〜
24/39

人形遣い⑦

24話!人形遣い編終わり!コメントお待ちしてます!




「最後は、とどめを刺そう。」


 カグヤはそう言ってマリオネットの方へ近づいていく。マリオネットはもう逃げる気力もないらしい。アラタの攻撃であばら骨を半分ぐらい折っていてもおかしくない。ただ、このまま放っておくわけにはいかない。何百人もこの少女は殺したんだ。死刑は免れないだろうし、ここで見逃したらまた人が死ぬ。


 マリオネットは怯えた目でカグヤを見つめる。


「やめて、、、死にたくない、、、来ないで!」


 その声だけ聞くとか弱いただの少女だ。カグヤも心が痛む。だけど、、、まわりに積み重なる死体の山が彼女のしてきたことを物語っている。ソウマの『君には、まだ殺しははやい。』という言葉が何度も脳裏をよぎる。だけど、、、


「、、、ごめん。」


 カグヤは鎌を振りかざした。これで殺す。


「やめてって、、、来ないでって言ってるでしょ!」


 マリオネットがさけび、レーザーのようなものを出した。カグヤにそれがかする。しかし、カグヤはそんなことお構い無しに振りかざす。


「やめて!!」


 少女の悲惨な叫び声が響き渡ると同時に、カグヤは謎の力で吹き飛ばされた。カグヤは飛ばされながら受け身をとり、アラタの隣に着地する。


「すまない、私の大事な部下をいじめるのはやめてもらおうか。緋ノ宮くん。」


 カグヤとマリオネットの間に、カラスの羽よりも黒色の短髪で、高身長な20代後半くらいの男性が立っていた。服は甲冑をアレンジしたような、少し現代風の服で、袖には和風の刺繍がしてある。更にその上からマントを羽織っている。顔はものすごく整っていて、大人の雰囲気がある。無駄のない筋肉で、目は赤く光っていた。


「だれだ、お前、、、」


「『闇の帝王』と名乗っておこう。」


 カグヤはゾクッとした。コイツが、闇の軍最強の男、、、


「すまないな。君たちには悪く思うよ。だが、緋ノ宮くんの能力、そして私の部下を傷つけたこと。この2つの名目で君を殺す。緋ノ宮 カグヤくん。」


 帝王がそう言うと、カグヤが一瞬で血まみれになる。なんだ、これは。カグヤは頭を回らせるが、何も思いつかない。意識が遠のいていく。カグヤはそのまま血を吐いて気を失った。


「、、、じゃぁ、」


 カグヤに帝王が手をかざす。


「させねぇよ!」


 アラタがトンファーを握りしめてカグヤと闇の帝王の間に入り、両手をひろげる。


「俺の先輩を殺されて溜まるか!」


「獅堂 アラタくん。君はまだ死ぬにははやい。」


「は?何言ってるかわかんねぇよ!カグヤ先輩は死んで良くて、俺は死んじゃいけねえのかよ!」


「とりあえず、引っ込んでもらおう。」


 帝王が手で払いのける素振りをする。すると、触れられてもないのにアラタは5メートルほど飛ばされた。そのままコンクリートに頭をぶつけてアラタは気を失った。


「では。」


 闇の帝王がカグヤに手をかざす。途端に黒い霧のようなものが現れ、カグヤを包もうとする。


「待て。光冥(こうめい)くん。」


 中性的な、透明感のある声が響き渡る。


神木(かみき)、、、!」


 帝王はその声に反応して動きを止める。帝王の目線の先には神秘的な雰囲気の少年がいた。中性的な顔たちで、美しい。髪色は様々な色がグラデーションしている。そして、その少年の足元には少し大きな木の根っこのようなものがヘビのように動いていた。


「光冥くん、ここは僕の顔に免じて、カグヤくんを見逃してはくれないかい?」


「なぜ?私とオマエの契約ではお互いに干渉しないという話だったはずだ。この緋ノ宮くんと君になんの関係があるのだ?」


「無い。けど、この子達のことを僕は気に入ったんだ。」


「くだらない。私にメリットがない。」


「そうだね、じゃぁ、君にメリットがアレば良いんだね。君がここで手を引くメリット。それは、君の後ろにいる小さな女の子の命が助かることかな。」


「は?」


「まだ気づいてないのかい?君の部下のその女の子、今すぐ拠点に帰って治療しないと、死ぬよ。」


 帝王はマリオネットへ目をやる。マリオネットは息が小さくなっていて、苦しそうにしている。


「貴様!何をした!」


「別に、僕は何もしてないよ。ラクくんっていう男の子がやったことかな。あの少年、結構残酷なことやるんだよね。彼女、ツタでその少年に縛られてたみたいだけど、そのツタに彼はトゲをはやさせていたんだ。彼女の全身に、細かい傷があるはずだよ。そして彼、ツタに毒を仕込んでいたみたいだね。あっ、普通の毒じゃなくて、彼が作ったのはありとあらゆる生物の毒が混ぜられた毒だよ。早く帰って治療しないと、、、分かるよね?」


「チッ、、、」


 闇の帝王は舌打ちをして、そのままマリオネットを抱え、闇の中に消えていった。


「弟のおかげで命拾いしたな、カグヤくん。」






 カグヤが目を開けると、白色の天井が目に入った。


「起きたか?」


 トモヤの声が隣から聞こえてきた。


「、、、あぁ。」


 カグヤはまわりを見渡す。隣のベッドではアラタが寝かされている。


「、、、あの後、どうなった?」


「ヒビキって言う名前の子が、駆けつけた頃にはカグヤとアラタが丁寧に横にされていたらしい。」


「闇の帝王は、、、?」


「は?」


 カグヤはトモヤにマリオネットを倒そうとしたら闇の帝王が見えない斬撃を繰り出して気を失ったことを簡単に話した。


「なるほど、驚きだな。」


「生きた心地がしない。なんで生きているのか不思議だ。」


 しばらく沈黙が続く。


「なぁ、他の真剣組がどこにいるか分かるか?」


「外にいる。すごい怪我をして寝かされているのはオマエとアラタくらいだ。ツバキっていう子の能力のおかげでだいぶマシになったらしいけどな。」


「ツバキに感謝しないとだな。」


 カグヤはそう言ってベッドから立ち上がる。


「おい、もう立って大丈夫なのか?」


「あぁ。みんなが外で何やってるのかも見たいしね。」


 カグヤは病院の外へ歩き出した。外にはブルーシートが辺り一帯に敷かれていて、その上に酷い死体が並べてあった。ラク、ソウヤ、ハルキは遺体を眺めていた。タカマ、ツバキ、ヒビキは生き残った人たちへ飲み物を配り、慰めていた。ミクは自分は今回サボってほとんど何もやっていないのが後ろめたいのか、すこしラクたちと離れた場所で遺体を眺めていた。


「なぁ、お前らは大丈夫か?」


「あぁ、全然。自己回復能力もあるし。」


 ラクがこたえる。他のメンバーもたいした傷は無さそうだ。


「あのさ、この人たちって僕に縛られていた人たちだよね?」


「、、、あぁ。」


「これってさ、もしも僕が拘束してなければ、死ななかったのかな。」


 カグヤはその質問に答えることができなかった。


「拘束してもしてなくても死んでたろ。」


 ハルキがボソっと言う。


 しばらく誰も喋らずに沈黙が続いた。






「明日、神環の人たちに事情徴収されるらしいです。俺達は素直にあったことを答えればいいだけです。それと、規程、星野 イオからメールが届きました。読み上げますね。今回の件、真剣組のせいではない。多くの人がなくなったのも君たちのせいではなく、闇の軍と、うまく対応できなかった神環のせいだ。心から謝罪したい。とのことです。」


 事務所に帰った真剣組のメンバーにタカマがそう言う。誰も返事はしない。


「あー!しんみりしすぎだ!明るい話題に変えていこうぜ!新メンバー!新メンバーの話!」


 アラタが無理に盛り上げようと、大きな声を出す。


「はい!注目!新メンバーのトモヤ先輩でーす!!」


 アラタが手を振りながら紹介する。柊 トモヤがアラタに紹介されて、小さく礼をする。


「そうだな。アラタが言う通り、ずっとしんみりしてても駄目だよな。たしかに今回はそれぞれ心に傷を抱えただろうが、前を向いていこう。」


 カグヤが大きな声でそう言い放った。本人は本当はそんなこと思っていなかった。自分の反省点が山のように出てくる。それに、闇の帝王に目をつけられているという事実も不安だ。だけど、リーダーである自分がそんなんだったら他のメンバーを不安にさせてしまう。そうならないように、自分が盛り上げていかないと。カグヤはそう思って、無理に明るく振る舞った。しかし、目は笑ってなかった。





 次の日、事情徴収などを神環の施設で済ませたカグヤとアラタは施設の外に出る。大体のメンバーは外ですでに待っていた。ソウヤとラクだけまだ事情徴収をしているようだ。


「ラク、ソウヤ、遅かったな。」


「いや、怪物の話があって。」


 ソウヤがこたえる。カグヤは知らないが、学校の校庭に狼のような大きな怪物が出たらしい。ソウヤとラクがそれと戦ったらしい。そして、その怪物はすでに死んでいたらしく、おそらくマリオネットに操られていたのだろう。最後、ソウヤとラク曰く、謎の少年が大きな根っこをムチのようにしならせて潰したという。その木の根っこは現場から消えていて、そのかわりにお腹のあたりが潰された怪物がいたらしい。


「それで、今後の話だけど、とある人から六人、招待状が届いているんだ。早乙女(さおとめ)って人から。有名な研究者らしい。その、招待状が届いている六人だが、、、」


 カグヤはそこで一回止めて、息を吸い込んで発表する。


「俺、ラク、アラタ、ミク、ソウヤ、タカマの6人だ。」






 早乙女邸はとても大きな屋敷だ。その屋敷の広間には大きすぎるほどのテーブルがあり、それを二人で囲んでいた。


「いやー、楽しみだな!真剣組が私の家に来る!そしてあの子達は私の装備を装着して、更に強くなって、私の研究成果も更に有名になって!私が現代の発明王って呼ばれたりして!」


「リリア様、興奮なさってますね。」


「当たり前だろ!こんなにワクワクすることはなかなかないよ!そういえば、真剣組に君の小学校の頃の友達がいるって前言ってたろ?君は楽しみじゃないのかい?」


「いえ、、、私は、彼に会う資格はもうありません。私はもう汚れてしまっている。そんな私を彼に知られるのが、怖いです。だから、私は明日はこの屋敷じゃないところへ3日ほど遊びに行きます。できれば、私の名前は彼らに出さないでいただいてよろしいですか?メイドが一人いるってことは伝えても構いませんので。」


「そうかい、、、でも、外に遊びに行くことはいいことだ!楽しんでくるんだぞ!」


 早乙女リリアは自分のメイドにそう言った。

今回は今後のストーリーのキーになる存在が出てきましたね。闇の帝王と謎の少年。彼らの関係は何なんでしょうか。


キャラ紹介は今回はお休みです。


次回から早乙女邸編です!

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